事業と社会貢献のConnect~コネクト~を目指して
マテリアル領域

多様な技術と製品で、人びと々の豊かなくらしに貢献し、地球環境の悪化、限界に取り組み、未来を切り拓く

『ベンベルグ』

~国連開発計画「ビジネス行動要請(BCtA)」に参加、
インドの繊維産業の持続的な発展を目指す~

インドのファッション大学での教育活動

(単位:百万着)2007年サリー1,720、デュパタ76 2008年サリー1,596、デュパタ72 2009年サリー1,729、デュパタ88 2010年サリー1,798、デュパタ98 2011年サリー1,918、デュパタ103 2012年サリー2,029、デュパタ109
民族衣装の需要の推移

若い女性たちが見つめる目の先には、旭化成の再生セルロース繊維「ベンベルグ」で織られた民族衣装であるサリーやデュパタ(首や頭にまく布)。手触りもよく、しっとりと肌になじむ。しかも色鮮やかなデザイン。ここはインドにある、若者たちがファッションを学ぶ大学の授業。「ベンベルグ」についての講義が行われている。
「ベンベルグ」は、一般名称キュプラ。コットンリンター(綿の実の周りの産毛)を原料とする再生繊維。絹のようななめらかさと高級感、吸放湿性にすぐれ快適な着用感があり、天然原料由来の環境適合性も兼ね備えている。インドで伝統的に着られているサリーなどの民族衣装はもともと絹織物。しかし、扱いの難しい絹で作られ、そのため高価でもあった。そこで旭化成は、「ベンベルグ」製のサリーやデュパタを生み出した。インドで「ベンベルグ」が使われるようになったのは今から40年も前のこと。今では、「ベンベルグ」を使用したサリーなどの民族衣装が多くの女性たちに着用されている。

インドでの「ベンベルグ」ビジネスの展開に際し、旭化成は、原料の調達から最終製品までのバリューチェーン(企業活動)に直接的・間接的に関わってきた。現地の人びとが企業活動に積極的に携われるように、技術の向上、安定した収入の確保、新たな仕事の創出などに取り組んでいる。また、将来インドの繊維業界・ファッション業界を担う人財の育成にも力を入れ、若い世代の能力向上を目指して大学での教育支援を行っている。

そして2016年5月、旭化成は、国連開発計画※1が主導する『ビジネス行動要請(Business Call to Action)』※2に「ベンベルグ」の企業活動の活動テーマで参加することとなった。
旭化成 繊維事業本部ベンベルグ第二営業部長の神山剛啓は語る。
「企業として、ビジネスを発展させることはもちろん重要です。しかし、現代社会は、企業だけが利益を上げて喜ぶべき時代ではありません。事業を行う現地の人びとの幸福、そして地域の発展こそ、事業を持続的に発展させるためのキーポイントだと認識しています。」
インドでの「ベンベルグ」ビジネスの展開において、旭化成は、現地への貢献の視点を大切にしながら、インドの繊維産業の持続可能な発展に資するべく、日々行動を積み重ねている。

「ベンベルグ」に関するインドでの取り組み

  • 原料であるコットンリンターの約3分の1をインドから輸入しているため、インドの原料メーカー数社に対し、旭化成からコットンリンター採取設備を無償貸与。さらに、インド人技術者の生産性向上のための教育や技術サポートを実施。
  • コットンリンターは日本に輸出され、日本で「ベンベルグ」の糸に加工される。それは再びインド市場に輸出され民族衣装などの織物会社に販売されるが、その際の「糸から生地をつくる」製織や染色などの技術指導を行う。
  • 大学における、繊維・ファッション産業人財育成のための教育支援を行う。

インドの女子大学生、日本で「ベンベルグ」ビジネスを学ぶ

2016年6月から1カ月半かけて、インドの国立デザイン大学のテキスタイル学科の大学生・大学院生2名が旭化成の招待で来日。インターンシップ生として、「ベンベルグ」の生産から生地の使用例まで、幅広く学んだ。同行した同大教授のSRIVASTAVAAARTI氏は、「『ベンベルグ』は、絹の代替として、クールで手触りもよく、素晴らしい素材。テキスタイルデザイナーとして、ぜひ『ベンベルグ』を推薦し、使っていきたい。」と述べた。

BUSINESS CALL TO ACTION
  • 2 ビジネス行動要請(Business Call to Action: BCtA)
    2008年に発足した、国連開発計画(UNDP)をはじめ5つの開発機関・政府が主導する、民間企業によるコアビジネスを通じた「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献の促進を目的とした取り組み。これまでに中小企業から多国籍企業まで世界各国の137社がBCtAに応え、低所得層を生産者・労働者・消費者としてバリュー・チェーンに取り込み、これらの人々の生活を向上するビジネスを進めている。

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