個人投資家のみなさまへ

旭化成グループの業績と今後の方針などをわかりやすくご紹介します。

決算のポイント 2016年3月期 本決算

決算についてのポイントをご紹介します。

業績全般(連結)

旭化成グループの当連結会計年度(以下「当期」)における連結業績は、ケミカル事業で石油化学製品の市況が下落したことなどから、売上高は1兆9,409億円で前連結会計年度(以下「前期」)比455億円(2.3%)の減収となったものの、住宅事業やクリティカルケア事業が好調に推移したことなどから、営業利益は1,652億円で前期比73億円(4.6%)の増益となり、3期連続で過去最高を更新しました。一方で、持分法による投資損益や為替差損益が悪化したことなどにより、経常利益は1,614億円で前期比52億円(3.1%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は918億円で前期比139億円(13.2%)の減益となりました。

(億円)

  2015年3月期
('14年4月~'15年3月)
2016年3月期
('15年4月~'16年3月)
増減率
売上高 19,864 19,409 -2.3%
営業利益 1,579 1,652 4.6%
経常利益 1,665 1,614 -3.1%
親会社株主に帰属する
当期純利益
1,057 918 -13.2%
売上高
営業利益
経常利益
親会社株主に帰属する当期純利益

セグメント別概況

セグメント別実績(億円)

売上高 営業利益
'15/3 '16/3 増減 '15/3 '16/3 増減
  ケミカル 8,243 7,035 -1,208 542 553 11
繊維 1,303 1,321 17 105 137 32
ケミカル・繊維 計 9,546 8,356 -1,190 646 689 43
  住宅 5,518 5,830 312 592 654 62
建材 520 494 -26 41 58 18
住宅・建材 計 6,038 6,324 286 630 710 80
エレクトロニクス 1,504 1,745 241 143 69 -74
  医薬・医療 1,465 1,449 -16 267 243 -24
クリティカルケア 1,106 1,405 299 41 119 78
ヘルスケア 計 2,571 2,854 283 308 362 54
その他 205 130 -74 9 6 -4
消去又は全社 -158 -184 -26
合計 19,864 19,409 -455 1,579 1,652 73

<ケミカル・繊維セグメント>

ケミカル事業の石油化学系事業では、各製品において原油安、ナフサ安の影響を受け原燃料価格が下落しましたが、アクリロニトリルを中心に製品市況が悪化しました。高機能ポリマー系事業では、原燃料価格の下落により交易条件が改善したことに加え、エンジニアリング樹脂や省燃費型高性能タイヤ向け合成ゴムの販売が堅調に推移しました。高付加価値系事業では、イオン交換膜を中心に円安の効果を受け、「サランラップ」の販売量も増加しました。
繊維事業では、各製品において原燃料価格の下落や、円安の効果を受けたことに加え、カーシート向けなどの人工皮革「ラムース」やポリウレタン弾性繊維「ロイカ」などの販売量が増加しました。

<住宅・建材セグメント>

住宅事業の建築請負部門では、集合住宅「へーベルメゾン」の引渡戸数が増加し、販売促進費などの販管費が減少しました。また、不動産部門では、賃貸管理事業が順調に推移し、リフォーム部門では改装・設備工事を中心に受注が増加しました。
建材事業では、基礎事業の販売量が減少しましたが、原燃料価格の下落に加え、高性能フェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」の販売が堅調に推移しました。

<エレクトロニクスセグメント>

電子部品系事業では、円安の効果に加え、スマートフォン向けでオーディオデバイスやカメラモジュール用電子部品の販売が順調に推移しましたが、電子コンパスの販売量が減少しました。
電子材料系事業では、汎用エポキシ樹脂の生産・販売を終了しましたが、円安の効果に加え、リチウムイオン二次電池用セパレータ「ハイポア」の販売が堅調に推移しました。
なお、Polypore の業績を当セグメントに含めて開示していますが、買収に伴うのれん及びその他の無形固定資産の償却などの営業利益への影響は98億円となりました。

<ヘルスケアセグメント>

医薬事業では、骨粗鬆症治療剤「テリボン」や血液凝固阻止剤「リコモジュリン」の販売が堅調に推移しましたが、後発医薬品の影響を受けた排尿障害改善剤「フリバス」などの販売量が減少しました。
医療事業では、透析関連製品やウイルス除去フィルター「プラノバ」の販売量が増加しました。
クリティカルケア事業では、営業活動強化に伴う販管費が増加しましたが、着用型自動除細動器「LifeVest」の業績が引き続き順調に拡大し、その他の除細動器の販売も堅調に推移しました。

2017年3月期の見通し

2016年4月より、新たな中期経営計画をスタートし、事業ポートフォリオを再編しました。それに伴い、報告セグメントを従来の「ケミカル・繊維」「住宅・建材」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」の4報告セグメント及び「その他」の区分から、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3報告セグメント及び「その他」の区分に変更します。

  • 「マテリアル」セグメント

繊維事業では、スパンボンド不織布などの不織布事業で販売量増加を見込むものの、円高の影響を受ける見通しです。
ケミカル事業では、省燃費型高性能タイヤ向け合成ゴムなどで販売量の増加を見込むものの、各事業において円高の影響を受けることに加え、スチレンモノマーの販売量が減少し、高機能ポリマー系事業を中心に交易条件が悪化する見通しです。
エレクトロニクス事業では、オーディオデバイスやカメラモジュール向け電子部品、セパレータなどの販売量が増加し、2015年度第2四半期より連結したPolyporeの業績を通年で取り込む一方で、円高の影響を受けることに加え、買収に伴うのれん償却費などが増加する見通しです。
以上により、セグメント全体では減収・減益となる見通しです。

  • 「住宅」セグメント

住宅事業では、建築請負部門において、引渡棟数が減少することに加え、分譲マンションの販売量が減少し、広告宣伝費などの販管費が増加する見通しです。
建材事業では、高性能フェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」などの販売量の増加を見込むものの、基礎事業での販売量が減少する見通しです。
以上により、セグメント全体では減収・減益となる見通しです。

  • 「ヘルスケア」セグメント

医薬事業では、薬価改定の影響に加え、排尿障害改善剤「フリバス」が後発医薬品の影響を受ける見通しです。
医療事業では、ウイルス除去フィルター「プラノバ」を中心に販売量が堅調に推移するものの、円高や償還価格改定の影響を受ける見通しです。
クリティカルケア事業では、営業活動強化に伴う販管費が増加するものの、着用型自動除細動器「LifeVest」を中心に引き続き業績が拡大する見通しです。
以上により、セグメント全体では減収・減益となる見通しです。

以上により、2017年3月期の当社グループの連結業績における売上高、営業利益は減収・減益となる見通しです。

連結業績予想(億円)

2016年3月期
('15年4月~'16年3月)
2017年3月期<予想>
('16年4月~'17年3月)
増減
売上高 19,409 19,100 -309
営業利益 1,652 1,450 -202
経常利益 1,614 1,430 -184
親会社株主に帰属する
当期純利益
918 920 2
<前提> 2016年3月期
('15年4月~'16年3月)
2017年3月期<予想>
('16年4月~'17年3月)
ナフサ価格
(国産ナフサ:¥/kl)
42,800 36,000
為替レート
(相場平均:¥/US$)
120 110
  2016年3月期
('15年4月~'16年3月)
2017年3月期<予想>
('16年4月~'17年3月)
一株あたり年間配当金 20円 20円(予定)

セグメント別予想(億円)

売上高 営業利益
16/3
組替後
17/3
<予想>
増減 16/3
組替後
17/3
<予想>
増減
  繊維 1,321 1,300 -21 139 135 -4
ケミカル 7,507 7,130 -377 608 590 -18
エレクトロニクス 1,216 1,370 154 44 -25 -69
マテリアル 計 10,044 9,800 -244 792 700 -92
  住宅 5,830 5,730 -100 654 610 -44
建材 494 510 16 58 40 -18
住宅 計 6,324 6,240 -84 710 650 -60
  医薬・医療 1,449 1,340 -109 243 150 -93
クリティカルケア 1,405 1,460 55 119 135 16
ヘルスケア 計 2,854 2,800 -54 362 285 -77
その他 187 260 73 38 40 2
消去又は全社 -250 -225 25
合計 19,409 19,100 -309 1,652 1,450 -202

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