個人投資家のみなさまへ

旭化成グループの業績と今後の方針などをわかりやすくご紹介します。

決算のポイント 2016年3月期 第3四半期

決算についてのポイントをご紹介します。

業績全般(連結)

旭化成グループの当第3四半期連結累計期間(2015年4月~12月、以下「当第3四半期」)における連結業績は、ケミカル事業で石油化学製品の市況が下落したことなどから、売上高は1兆4,484億円で前年同四半期連結累計期間比(以下「前年同期比」)217億円(1.5%)の減収となったものの、ケミカル事業を中心とした原燃料価格の下落やクリティカルケア事業が順調に業績を拡大していることなどから、営業利益は1,266億円で前年同期比79億円(6.7%)の増益となりました。一方で、持分法による投資損益や為替差損益が悪化したことなどにより、経常利益は1,246億円で前年同期比26億円(2.1%)の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は717億円で前年同期比166億円(18.8%)の減益となりました。

(億円)

  2015年3月期
('14年4月~'14年12月)
2016年3月期
('15年4月~'15年12月)
増減率
売上高 14,701 14,484 -1.5%
営業利益 1,187 1,266 6.7%
経常利益 1,273 1,246 -2.1%
親会社株主に帰属する
四半期純利益
884 717 -18.8%
売上高
営業利益
経常利益
親会社株主に帰属する四半期純利益

セグメント別概況

セグメント別実績(億円)

売上高 営業利益
'14/4-12 '15/4-12 増減 '14/4-12 '15/4-12 増減
  ケミカル 6,310 5,508 -802 400 461 61
繊維 973 1,006 33 73 112 40
ケミカル・繊維 計 7,283 6,514 -769 472 574 102
  住宅 3,802 4,024 222 388 399 11
建材 406 394 -12 35 52 18
住宅・建材 計 4,208 4,419 210 419 444 25
エレクトロニクス 1,139 1,297 158 133 74 -59
  医薬・医療 1,130 1,124 -5 240 236 -4
クリティカルケア 780 1,039 259 27 82 55
ヘルスケア 計 1,910 2,163 254 268 318 50
その他 162 91 -71 9 3 -6
消去又は全社 -112 -146 -33
合計 14,701 14,484 -217 1,187 1,266 79

<ケミカル・繊維セグメント>

ケミカル事業の石油化学系事業では、円安の効果に加え、各製品において原油安、ナフサ安の影響を受け原燃料価格が下落しましたが、アクリロニトリルを中心に製品市況が悪化しました。高機能ポリマー系事業では、原燃料価格の下落により交易条件が改善したことに加え、省燃費型高性能タイヤ向け合成ゴムの販売量が増加しました。高付加価値系事業では、イオン交換膜を中心に円安の効果を受け、「サランラップ™」の販売量も増加しました。
繊維事業では、各製品において販売が順調に推移し、原燃料価格が下落したことに加え、再生セルロース繊維「ベンベルグ™」やポリウレタン弾性繊維「ロイカ™」を中心に円安の効果を受けました。

<住宅・建材セグメント>

住宅事業の建築請負部門では、戸建住宅「へーベルハウス™」の引渡戸数が減少しましたが、不動産部門で大型分譲マンションの引き渡しが増加し、リフォーム部門では改装・設備工事を中心に受注が増加しました。
建材事業では、ALC事業や基礎事業の販売量が減少しましたが、原燃料価格の下落に加え、高性能フェノールフォーム断熱材「ネオマ™フォーム」の販売が堅調に推移しました。

<エレクトロニクスセグメント>

電子部品系事業では、円安の効果に加え、スマートフォン向けでオーディオデバイスやカメラモジュール用電子部品の販売が順調に推移しましたが、競争環境の変化により電子コンパスの販売量が減少しました。電子材料系事業では、円安の効果に加え、リチウムイオン二次電池用セパレータ「ハイポア™」の販売が堅調に推移しました。
なお、Polyporeの業績を当セグメントに含めて開示していますが、買収に伴うのれんおよびその他無形固定資産の償却などの営業利益への影響は67億円となりました。

<ヘルスケアセグメント>

医薬事業では、骨粗しょう症治療剤「テリボン™」や血液凝固阻止剤「リコモジュリン™」の販売が堅調に推移しましたが、後発医薬品の影響を受けた排尿障害改善剤「フリバス™」などの販売量が減少しました。
医療事業では、円安の効果に加え、透析関連製品やウイルス除去フィルター「プラノバ™」の販売量が増加しました。
クリティカルケア事業では、営業活動強化に伴う販管費が増加しましたが、着用型自動除細動器「LifeVest™」の業績が引き続き順調に拡大し、その他の除細動器などの販売も堅調に推移しました。

通期の見通し

前回予想に対し、「ケミカル・繊維」セグメントのケミカル事業で製品市況が悪化することなどから、グループ全体として売上高は減収となる見込みです。一方で「ケミカル・繊維」セグメントの繊維事業や、「ヘルスケア」セグメントのクリティカルケア事業が順調に推移することを見込むことなどから、営業利益は前回予想と同水準になる見込みです。

連結業績予想(億円)

2015年3月期
('14年4月~'15年3月)
2016年3月期('15年4月~'16年3月) 増減
<前回予想> <今回予想>
A B B-A
売上高 19,864 20,000 19,540 -460
営業利益 1,579 1,640 1,640
経常利益 1,665 1,615 1,615
親会社株主に帰属する
当期純利益
1,057 910 900 -10
<前提> 2016年3月期<前回予想>
('15年4月~'16年3月)
2016年3月期<今回予想>
('15年4月~'16年3月)
ナフサ価格
(国産ナフサ:¥/kl)
45,000 42,975
為替レート
(相場平均:¥/US$)
121 121
  2016年3月期<前回予想>
('15年4月~'16年3月)
2016年3月期<今回予想>
('15年4月~'16年3月)
一株あたり年間配当金 20円(予定) 20円(予定)

セグメント別予想(億円)

売上高
('15年4月~'16年3月)
営業利益
('15年4月~'16年3月)
前回予想 今回予想 増減 前回予想 今回予想 増減
  ケミカル 7,400 7,090 -310 590 560 -30
繊維 1,340 1,330 -10 130 135 5
ケミカル・繊維 計 8,740 8,420 -320 720 695 -25
  住宅 5,870 5,860 -10 620 620
建材 500 510 10 50 55 5
住宅・建材 計 6,370 6,370 665 675 10
エレクトロニクス 1,820 1,750 -70 90 70 -20
  医薬・医療 1,480 1,460 -20 250 250
クリティカルケア 1,420 1,410 -10 120 125 5
ヘルスケア 計 2,900 2,870 -30 370 375 5
その他 170 130 -40 5 5
消去又は全社 -210 -180 30
合計 20,000 19,540 -460 1,640 1,640

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