個人投資家のみなさまへ

旭化成グループの業績と今後の方針などをわかりやすくご紹介します。

決算のポイント 2017年3月期 本決算

決算についてのポイントをご紹介します。

業績全般(連結)

旭化成グループの当連結会計年度(以下「当期」)における連結業績は、円高の影響に加え、医薬事業において薬価改定の影響を受けたことや、エレクトロニクス事業でPolypore買収に伴うのれん償却費等を計上したことなどから、売上高は1兆8,830億円となり前連結会計年度(以下「前期」)比579億円(3.0%)の減収、営業利益は1,592億円で前期比60億円(3.6%)の減益、経常利益は1,606億円で前期比7億円(0.5%)の減益となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益を計上したことや、法人税等が減少したことなどから、1,150億円で前期比232億円(25.3%)の増益となりました。

(億円)

  2016年3月期
('15年4月~'16年3月)
2017年3月期
('16年4月~'17年3月)
増減率
売上高 19,409 18,830 -3.0%
営業利益 1,652 1,592 -3.6%
経常利益 1,614 1,606 -0.5%
親会社株主に帰属する
当期純利益
918 1,150 25.3%
売上高
営業利益
経常利益
親会社株主に帰属する当期純利益

セグメント別概況

セグメント別実績(億円)

  売上高 営業利益
'16/3 '17/3 増減 '16/3 '17/3 増減
  繊維 1,321 1,257 -64 139 117 -22
ケミカル 7,507 7,081 -427 609 704 94
エレクトロニクス 1,216 1,394 178 44 25 -20
マテリアル 計 10,044 9,732 -313 792 845 53
  住宅 5,830 5,702 -128 654 595 -60
建材 494 488 -6 58 45 -14
住宅 計 6,324 6,190 -135 710 641 -69
  医薬・医療 1,449 1,339 -110 243 171 -72
クリティカルケア 1,405 1,362 -43 119 148 29
ヘルスケア 計 2,854 2,701 -153 362 319 -43
その他 187 207 21 38 60 23
消去又は全社 -250 -273 -23
合計 19,409 18,830 -579 1,652 1,592 -60

<マテリアルセグメント>

繊維事業では、キュプラ繊維「ベンベルグ」や人工皮革「ラムース」、ナイロン66繊維「レオナ」の販売数量が増加しましたが、競合により販売価格が下落し、各製品において円高の影響を受けました。

ケミカル事業の石油化学事業では、国内石油化学事業の基盤強化に伴いスチレンモノマーの販売数量が減少しましたが、アクリロニトリルにおいて交易条件が改善しました。高機能ポリマー事業では、低燃費タイヤ向け合成ゴムやエンジニアリング樹脂の販売数量が増加しましたが、各製品において円高の影響を受けました。高機能マテリアルズ事業・消費財事業では、イオン交換膜などで円高の影響を受けたものの、電子材料製品や「サランラップ」などの消費財製品の販売が順調に推移しました。

エレクトロニクス事業のセパレータ事業では、各製品の販売数量が増加し、前年第2四半期より連結したPolyporeの業績を取り込みましたが、買収に伴うのれん償却費等を計上し、円高の影響も受けました。電子部品事業では、円高の影響を受けましたが、オーディオデバイスなどのスマートフォン向け電子部品の販売数量が増加しました。

<住宅セグメント>

住宅事業では、建築請負部門で前期の受注実績の影響を受け、戸建住宅「へーベルハウス」や集合住宅「ヘーベルメゾン」の引渡棟数が減少し、広告宣伝費等の販管費が増加しました。また、リフォーム部門で労務費などの販管費が増加したものの、不動産部門で賃貸管理事業が順調に推移しました。

建材事業では、フェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」の販売が順調に推移したものの、ALC事業や基礎事業で販売数量が減少しました。

<ヘルスケアセグメント>

医薬事業では、骨粗鬆症治療剤「テリボン」や血液凝固阻止剤「リコモジュリン」などの販売数量が増加しましたが、薬価改定の影響を受けるとともに排尿障害改善剤「フリバス」が後発医薬品の影響を受けました。

医療事業では、ウイルス除去フィルター「プラノバ」の販売数量が増加しましたが、円高の影響や国内の透析関連製品において償還価格改定の影響を受けました。

クリティカルケア事業では、現地通貨ベースで、営業活動強化に伴う販管費が増加しましたが、着用型自動除細動器「LifeVest」の業績が引き続き順調に拡大し、その他の除細動器の販売も堅調に推移しました。なお、財務諸表の円換算において円高に伴う影響を受けました。

2018年3月期の見通し

  • 「マテリアル」セグメント

繊維事業では、スパンボンド不織布や、ナイロン66繊維「レオナ」を中心に販売数量の増加を見込むことなどから、増収・増益となる見通しです。
ケミカル事業では、低燃費タイヤ向け合成ゴムやエンジニアリング樹脂、電子材料製品などで販売数量の増加を見込むものの、エチレンセンター(三菱ケミカル旭化成エチレン(株))の定期修理による影響や原燃料価格の変動によって発生した総平均差の影響などにより、増収・減益となる見通しです。
エレクトロニクス事業では、セパレータ事業の各製品で販売数量の増加を見込むことや、電子部品事業ではオーディオデバイスやカメラモジュール向けなどスマートフォン向け電子部品の販売が堅調に推移することなどから、増収・増益となる見通しです。
以上により、セグメント全体では増収・増益となる見通しです。

  • 「住宅」セグメント

住宅事業では、建築請負部門において、労務費などの販管費が増加するものの、引渡棟数が増加することや、不動産部門の賃貸管理事業が順調に推移することなどから、増収・増益となる見通しです。
建材事業では、フェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム」を中心に販売数量の増加を見込むものの、原材料費などの上昇を見込むことなどから、売上高は増収、営業利益は前期並みとなる見通しです。
以上により、セグメント全体では増収・増益となる見通しです。

  • 「ヘルスケア」セグメント

医薬事業では、骨粗鬆症治療剤「テリボン」などの販売数量の増加を見込むものの、「テリボン」の自己投与製剤の開発に伴う研究開発費などが増加する見通しです。
医療事業では、ウイルス除去フィルター「プラノバ」を中心に販売が堅調に推移する見通しです。
クリティカルケア事業では、営業活動強化に伴う販管費が増加するものの、着用型自動除細動器「LifeVest」を中心に引き続き業績が拡大する見通しです。
以上により、セグメント全体では増収・増益となる見通しです。

以上により、2018年3月期の当社グループの連結業績における売上高、営業利益は増収・増益となる見通しです。

連結業績予想(億円)

2017年3月期
('16年4月~'17年3月)
2018年3月期<予想>
('17年4月~'18年3月)
増減
売上高 18,830 19,900 1,070
営業利益 1,592 1,650 58
経常利益 1,606 1,700 94
親会社株主に帰属する
当期純利益
1,150 1,150 0
<前提> 2017年3月期
('16年4月~'17年3月)
2018年3月期<予想>
('17年4月~'18年3月)
ナフサ価格
(国産ナフサ:¥/kl)
34,675 41,000
為替レート
(相場平均:¥/US$)
108 110
  2017年3月期
('16年4月~'17年3月)
2018年3月期<予想>
('17年4月~'18年3月)
一株あたり年間配当金 24円 24円(予定)

セグメント別予想(億円)

売上高 営業利益
'17/3 '18/3
<予想>
増減 '17/3 '18/3
<予想>
増減
  繊維 1,257 1,370 113 117 125 8
ケミカル 7,128 7,440 312 744 725 -19
エレクトロニクス 1,394 1,520 126 25 50 25
マテリアル 計 9,779 10,330 551 885 900 15
  住宅 5,702 5,930 228 595 600 5
建材 488 540 52 45 45 0
住宅 計 6,190 6,470 280 641 645 4
  医薬・医療 1,339 1,370 31 171 180 9
クリティカルケア 1,362 1,540 178 148 175 27
ヘルスケア 計 2,701 2,910 209 319 355 36
その他 160 190 30 20 20 0
消去又は全社 -273 -270 3
合計 18,830 19,900 1,070 1,592 1,650 58

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