I.開発の背景 |
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当社は日本初の建設大臣一般認定を取得したシステムラーメン構造による本格的
3 階建て住宅「フレックス3」を昭和61 年に発売し、都市型3 階建て住宅のパイオ
ニアとして高い評価をいただきました。この商品は重量鉄骨によるラーメン構造の
建物であり、構造壁の要らないシンプルで強靭な構造的特性を持ち、大きなスパン
(柱間)を必要とする店舗や医院などの併用住宅や、大きな吹抜けを持つ邸宅など
を中心に現在も活躍するロングセラー商品となっています。
当社では、近年都市部の地価は再度上昇傾向にあることなどを踏まえ、なかでも
利便性の高い比較的密集した地域での建替え需要に対しては、安全・快適な暮らし
を提供する、より付加価値の高い住まいの提案が必要と考えました。このようなロ
ケーションの土地では、その敷地的制約から駐車スペースの確保が難しいことや、
往来からのプライバシーの確保や日照・通風の確保が困難という共通課題がありま
す。
また、今回の商品で想定するエリアをサンプリングして実地踏査した結果、ハウ
スメーカーの供給した建物の4 割以上がピロティを組み込んだ建物となっていまし
た。そこで今回は、システムラーメン構造のシンプルで自由度の高い躯体を活用し
て敢えて地上階には居住空間を取らず2 階以上に住まうことで、往来からのプライ
バシーの確保、防犯性の向上、日照・通風の確保といったより良質な生活を提案し
ました。
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II.商品の特徴 |
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1. |
リフトアップの発想で、ひとクラス上の居住環境を実現 |
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システムラーメン構造の頑強で自由度の高い構造特性を活かし、2・3 階建てでも
実現可能な居住空間を、敢えて一層分持ち上げる(リフトアップする)ことでゆと
りの駐車スペースを創り出すと同時に、日照・通風・眺望に恵まれたより快適な居
住空間を実現します。1 階に居住空間がないことで、往来の通行者からのプライバ
シーを確保すると共に防犯性も向上します。
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2. |
将来的な転用も可能な付加価値空間 |
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ピロティ空間は、複数台の車の駐車が可能となる他、子供の遊び場やDIYの作
業スペースとしたりガレージセールなどのイベントに利用するなど、付加価値の高
い空間とて利用できます。また、敢えて階高を抑えることをせずに通常階高を提案
することで、将来的に店舗などへの転用も可能としています。
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3. |
空中庭園としてベランダや屋上の緑化アイテムを積極的に展開し、都市の暮ら
しに潤いを与えるとともに環境・景観にも配慮 |
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2 階以上の階で快適な居住を実現するために、ベランダや屋上に当社独自の緑化
システム(ルーフガーデンシステム)を積極的に提案し、日常生活する空間に緑の
潤いを与えます。これにより地上に設けることが困難な緑地を上階に確保し、街並
み景観や地域環境の向上にも配慮します。
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4. |
都市型水害にも被害を最小限に |
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近年、地球温暖化やヒートアイランド現象などに起因すると言われる局地的集中
豪雨が増加し、都市型水害が頻発しています。平成17 年には1時間あたり50 ミリ
を越える雨量を観測した地域は東京都内だけでも66 箇所となり約6,200 棟が浸水被
害にあっています。1 階に居住空間を持たない今回の商品は、このような都市型水
害に際しても被害を最小限に抑えることができます。
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5. |
環境振動対策として、独自のダンパーフレームを開発して装備 |
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3・4 階建ての建物は、人が感じやすい振動特性(揺れ方)があり、敷地周辺の
道路交通や鉄道などの環境振動に対しての配慮が必要です。特に今回提案するピ
ロティ形式の建物は、1 階の壁量が極端に少なくなり壁の配置が偏りがちなこと
から、この振動対策が重要となります。
当社では、これまでの豊富な実績に基づき分析を行うことで、環境振動に対す
るさまざまな独自技術を蓄積してきました。構造解析時には柱や梁といった構造
本体だけでなく、建物の大きさや形状、外壁や内壁(非構造壁)の配置バランス
も考慮した建物振動チェックを行い、敷地周辺に幹線道路や鉄道などの振動源が
ある場合には、敷地そのものの振動を確認した上で振動への対策を検討します。
今回新たに導入された「ダンパーフレーム」は、1 階の壁量が少なく配置バラ
ンスも偏りやすい建物のために独自に開発した制振装置です。壁が少なく片揺れ
しやすい側にこのフレームを設置することで、環境振動に対しては建物本体とフ
レームが摩擦ダンパーによりしっかりと連結されることで振動を押さえ、大地震
時には摩擦ダンパーが建物本体とフレームの動きに摩擦によるブレーキをかける
ことで制震の効果を発揮します。 |
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