2009年1月15日

各 位
旭化成建材株式会社


鉄骨梁貫通孔補強鋼材「フリードーナツ」ラインナップ拡大について
 

 旭化成建材株式会社(本社:東京都千代田区 社長:小林 宏史)は、鉄骨梁貫通孔補強鋼材「フリードーナツ」の製品ラインナップを拡大し、より大きな口径にも対応可能な品種を本年1月16日より発売しますので、お知らせします。
当社では、今回のラインナップ拡大により、「フリードーナツ」全シリーズ合計で2010年度売上高15億円を目指します。
 
1.背景と経緯
   一般的にビル、住宅などの建築物の空調設備管、上下水道管や電気配線などは、建物の天井高さを有効に確保するために、H型鋼梁のウェブに開口を設け、そこを通す工法が採用されます。この場合、貫通孔をプレートやパイプなどにより補強をする事になりますが、補強効果を適切に評価できる設計方法が一般化されておらず、慣習的に貫通孔の径や取り付け位置が限定され、設備配管計画の自由度が制限されています。また、従来の補強方法では、溶接量が多大であるといった作業性の問題と、溶接熱によって梁の変形やゆがみが生じる可能性があるといった強度上の問題が指摘されていました。
「フリードーナツ」は、これらの梁貫通孔補強の諸問題を解決するため、株式会社イシハラ(本社:栃木県足利市 社長:石原 正巳)が考案し、当社とイシハラとの共同開発により製品化した鉄骨梁貫通孔補強用鋼材です。2006年4月の関東エリアでの販売開始以来、設計の自由度や施工性に優れ、工期短縮及びトータルコストが軽減できる工法として、ビル、事務所、店舗、病院など様々な建築物に使用されており、2008年10月までのおよそ2年半で約1,000物件(約10万個)においてご採用いただいています。
この度、多くのお客様からの「より大きな口径の貫通孔にも対応して欲しい」とのご要望にもお応えするために、製品設計の検討を重ねてきましたが、従来品より大きな貫通孔に対応できる製品を低コストにて実現したため、2008年9月に国土交通大臣の認定と財団法人日本建築センターの評定を取得し、今回の発売に至りました。
 
2.ラインナップ概要
   梁孔100φ〜300φ(呼び径)に対応する従来の7品種の製品に加え、新たに340φ〜500φに対応するFD340N、FD390N、FD420N、FD500Nの4品種を標準品として追加しました。
 
3.適用梁材
  F値325N/mm2以下のH形鋼梁に適用し、H形鋼梁の適用サイズは梁せいが1200mmまで(従来は900mm)、梁ウェブ厚が22mmまで(従来は16mm)となり、従来品に比べより大きな梁への対応が可能となりました。
 
4.販売概要
 
発売開始 2009年1月16日(金)
販売地域 全国
流通形態 当社から系列販売網を通して販売します。
一般鉄骨加工業者(ファブリケーター)を主な販売先として見込んでいます。
販売価格 24,650円/個(FD340Nの場合、材設計価格)
販売計画 2010年度売上高 15億円(「フリードーナツ」全シリーズ合計)
  ※「フリードーナツ」は商標です。
 
<ご参考>
 
「フリードーナツ」について
 
1.補強工法の概要
  (1) 梁ウェブ貫通孔に、雄ねじ加工を施したスリーブ管(FDスリーブ)を通します。
  (2) ウェブの両側から雌ねじ加工したドーナツ状の平鋼(FDリング)を接合します。
  (3) FDリングに設けられた溶接孔をプラグ溶接して梁貫通孔補強が完了します。
 
 
 
  ※FD420NとFD500Nは、FDリングのみ(FDスリーブはありません)
 
2.製品の特長
  (1) 貫通孔1箇所あたりの溶接量は、在来工法の補強板の取付けと比べて約5分の1と大幅に低減され(200φ、補強板600mm×600mm×12mm、片面補強の場合)、補強材の取付けに要する作業工数を大幅に低減できます。
  (2) 溶接量が大幅に低減されるため、溶接熱影響による鉄骨梁の変形、縮みがほとんど生じず、 鉄骨躯体の性能を十分に発揮させることができます。
  (3) 梁の端部(塑性化領域)にも使用することができ、また、最大で梁せいの0.62倍の貫通孔サイズまで使用することが可能です。
  (4) 日本建築センターの評定を取得しており、貫通孔部の耐力が明快で、検討が容易です。
   
3.製品に関する詳しいお問い合わせ先
  旭化成建材株式会社 建築資材事業部 東京構造資材営業部  TEL 03-3296-3516
 
 
以上
 

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