2009年1月30日

各 位
旭化成メディカル株式会社



ウイルス除去フィルター「プラノバ」の大分県大分市での組立工場新設について
 

 旭化成メディカル株式会社(本社:東京都千代田区 社長:吉田 安幸)では、ウイルス除去フィルター「プラノバ※1」の組立工場を大分県大分市に新設することを決定しましたので、お知らせいたします。
これにより、「プラノバ」の生産能力は、現在の倍増の80,000m2/年となります。
 
1.新設計画の概要
 
(1) 場 所 大分県大分市 (旭化成メディカル大分工場所有地内)
(2) 生産能力 40,000m2/年 (既存能力40,000m2/年(宮崎県延岡市プラノバ工場)と 併せトータル能力80,000m2/年)
(3) 投資額 約25億円
(4) 工 期 2009年4月着工、2010年3月竣工予定
 
2.工場新設の目的
   「プラノバ」は、血漿分画製剤※2やバイオ医薬品※3といった生物学的製剤の製造工程で、有害なウイルスを除去する中空糸型ウイルス除去フィルターです。その優れたウイルス除去性能とタンパク質の透過性能により医薬品の安全性に貢献する製品として国際的な信頼を得ており、現在では、顧客である医薬品製造メーカーの90%強が欧米を中心とする海外となっています。
「プラノバ」の需要は、生物学的製剤のウイルス安全性※4に対する要求の高まり、モノクローナル抗体※5を中心としたバイオ医薬品の開発が盛んになってきたことなどから年々増加しています。 
当社ではこれに対応するため、「プラノバ」の中空糸生産能力を30,000m2/年から70,000m2/年に増強する工事を宮崎県延岡市にて本年3月竣工予定で進めています。一方、「プラノバ」の現在の組立能力は40,000m2/年で、宮崎県延岡市に中空糸製造工程に隣接して工場がありますが、需要増加、市場の拡大に対応したさらなる組立能力増強が必要となりました。世界のトップメーカーとして安定した品質と供給責任を果たすとともに、生産拠点複数化によるリスク分散を図るなど、総合的な観点から判断し、このたび、大分県大分市に「プラノバ」の組立工場を新設することを決定しました。

※「プラノバ」は商標です。
 
<用語解説>
1.「プラノバ」
  銅アンモニア法再生セルロースを原料とした中空糸型ウイルス除去フィルター。孔径サイズにより、15N,20N,35Nの3種類のほか、プレフィルターとして75Nを発売しており、それぞれについて各種膜面積サイズのフィルターを用意している。
 
2.血漿分画製剤
  血漿から精製して得られる治療に有益なタンパク製剤で、感染症の治療に用いるグロブリン、血友病などの治療に用いる血液凝固第VIII因子などの血液凝固因子製剤などがある。
 
3.バイオ医薬品
  遺伝子工学、細胞培養などのバイオテクノロジーを利用して生産されるペプチドやタンパク質を有効成分とする医薬品。インターフェロン、成長ホルモン、エリスロポエチン、モノクローナル抗体などがある。
 
4.生物製剤のウイルス安全性
  ヒトおよび動物由来成分を原料とした医薬品(生物製剤)に混入するエイズや肝炎などの原因となるウイルスを除去又は不活化すること。
 
5.モノクローナル抗体
  単一の抗体産生細胞から作られる一種類の均一な分子でできた抗体であるが、医薬品としては、通常、遺伝子組替え技術で作られる。近年、リウマチ、癌などに対する抗体医薬の開発が盛んである。
 
 
以上
 

ニュース


ページ上部へ