2010年6月29日

各 位
旭化成ケミカルズ株式会社


アジアの大型膜式浄水設備に中空糸ろ過膜「マイクローザ」採用拡大
 

 旭化成ケミカルズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:坂本 正樹)では、このたび中国浙江省杭州市のアジア最大の膜式浄水設備に、当社の水処理用中空糸ろ過膜「マイクローザ」の採用が決定しました。
 また、韓国において、同国最大級の膜式浄水設備に「マイクローザ」の採用が決定した他、大手液晶工場においても当社の膜分離活性汚泥法(MBR:メンブレンバイオリアクター、以下MBR)が採用されましたので、お知らせします。
 
1. 背景
  (1) 浄水用膜市場
     浄水用膜市場は、世界的な水環境の悪化や水不足、廃水規制を背景に、世界で年率約10%で成長しています。当社では浄水用途で、既に世界で約800ヶ所の採用実績があり、世界トップクラスのシェアを有しています。
 今年度は、中国浙江省杭州市のアジア最大の膜式浄水設備に「マイクローザ」の採用が決定したとともに、今後、膜式浄水設備の本格的な導入が期待される韓国においても、同国最大の水道供給会社である韓国水資源公社(K-WATER)の大型浄水設備に採用が決定しました。
 
  (2) MBR用膜市場
     世界的に広がる水質汚染に伴う廃水規制の強化や水不足に対応すべく、産業廃水処理から下水処理などにMBRの用途が拡大しています。MBR用膜市場も浄水膜同様、年率10%以上の成長が期待されています。
 当社もこれまで中国における受注を順調に伸ばしてきましたが、近年、韓国の大手液晶メーカーの大型プロジェクトで「マイクローザ」が採用され、順調に稼働しています。
 
2. 最近の主な採用プロジェクト
  (1) 杭州市のアジア最大の膜式浄水設備での「マイクローザ」採用
     このたび「マイクローザ」が採用された設備は、中国浙江省杭州市における、アジア最大となる300,000m3/日の処理能力を有する膜式浄水設備で、中国での飲料用途の大型膜プロジェクトの先駆けとなる設備です。本設備では、銭塘江(せんとうこう)の河川水を凝集沈殿処理したものを「マイクローザ」で処理し、杭州市民に高品質の水道水を供給します。
 当社は、杭州市で長期に渡り「マイクローザ」のテストを実施し、性能の優位性を実証しました。また、2005年に杭州市に膜モジュール組立工場と技術センターを設立しており、本プロジェクトに対して、より迅速かつ高品質なサービスと技術支援の提供が可能になっています。
 中国においては、生活水準の高度化に伴う高品質の水道水へのニーズや、従来法よりも安全で確実な膜ろ過のニーズの高まりなどから、今後、本プロジェクトに続く、多くの飲料用途での大型膜式浄水プロジェクトが計画されています。
 なお、本プロジェクトにおいては当社の膜・水処理事業の提携パートナーである、米国PALL社がプロセス設計とシステム製作を担当しています。
 
  【設備概要】
   
場 所   中国 浙江省杭州市
用 途   飲用水
処理能力   300,000m3/日
設備施工業者   Pall Corporation
稼動時期   2011年末予定
 
  (2) 錦山郡の韓国最大級の浄水設備での「マイクローザ」採用
     韓国では、水道の信頼性回復が政府の重要な課題として取り上げられ、大型浄水設備に膜式浄水プロセスを導入することが2009年に正式に認可されました。このたび「マイクローザ」が採用される設備は、韓国最大の水道供給会社である韓国水資源公社(K-WATER)が手掛ける膜式浄水において最大級となる27,000m3/日の処理能力を有します。
 韓国では、今後10年にわたり水道浄水設備の半数に膜式浄水プロセスの導入を計画しており、今回はその先駆けといえる重要なプロジェクトです。
 
  【設備概要】
   
場 所   韓国 忠清南(チュンチョンナン)道 錦山(クムサン)郡
用 途   飲用水
処理能力   27,000m3/日
設備施工業者   Pan Asia Water Co., LTD.
稼動時期   2011年末予定
 
  (3) 大手液晶メーカーのMBRによる廃水処理設備での「マイクローザ」採用
     このたび「マイクローザ」が採用された施設は、世界の大手液晶メーカーの廃水処理設備です。省スペースながら高度な処理水質が得られる点で「マイクローザ」が高く評価され、2年前の第1期MBR 設備に続き、本年春からは第2期MBR設備も稼動し、両設備とも順調に運転しています。
 
  【設備概要】
   
用 途   廃水処理(MBR)
処理能力   1期:4,200m3/日、2期:4,200m3/日
設備施工業者   SILVER STAR ENG CO.,LTD
稼動時期   1期:2008年2月、2期:2010年4月
 
<ご参考>
  (1) 「マイクローザ」について
     「マイクローザ」は、主に水処理、工業用プロセスおよびMBRなどの分野で使用される中空糸ろ過膜です。特に水処理用途の「マイクローザ」は、物理的強度や耐薬品に優れるポリフッ化ビニリデン(PVDF)製中空糸で、PVDF膜の中でも独自の製膜技術により高い長寿命化を実現し、「マイクローザ」を用いた膜式浄水プロセスは長期の安定稼動実績があります。
 「マイクローザ」は、すでに世界最大市場の米国においてトップの実績を誇り、最近では中国をはじめ、シンガポール、韓国、フィリピンなどの水不足や水質向上のニーズが高まるアジア地域での採用が拡大しています。当社では、今回のアジア最大の膜式浄水設備での採用により、今後プロジェクト件数の増加および処理能力の大規模化が期待されるアジアをはじめとする世界の大型設備での採用を加速させ、水処理事業の一層の強化を図っていきます。
 
  (2) 中国での最近の主な採用事例
     当社では、中国において、件数で100ヶ所以上、処理水量で150万m3/日以上の納入実績があります。
 
  中国における主な「マイクローザ」採用事例
   
場所 処理能力 稼動年 用途
浙江 300,000m3/日 2011年 飲料水
北京 100,000m3/日 2007年 河川浄化MBR
浙江 48,000m3/日 2008年 海淡前処理
広東 45,000m3/日 2009年 工場用水
広東 45,000m3/日 2007年 工場用水
広東 44,000m3/日 2010年 工場用水
河北 42,000m3/日 2009年 工場用水
北京 40,000m3/日 2008年 下水MBR
河北 37,000m3/日 2009年 工場用水
北京 35,000m3/日 2007年 下水MBR
北京 30,000m3/日 2010年 工場用水
北京 28,000m3/日 2007年 工場用水
広東 25,000m3/日 2007年 化学廃水MBR
雲南 24,000m3/日 2008年 工場用水
黒龍江 24,000m3/日 2009年 化学廃水MBR
山西 20,000m3/日 2008年 下水MBR
北京 20,000m3/日 2010年 工場用水
     
 
 
以上
 

ニュース


ページ上部へ