携帯機器向け 6軸電子コンパス新製品の発売について
〜アナログ・デバイセズ社の加速度センサを集積し、
当社従来製品から25%以上の小型化を実現〜〜

2012年1月19日
旭化成エレクトロニクス株式会社

 旭化成エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅)は、このたび、携帯機器向けの6軸電子コンパス(※1)の新製品「AK8978」を開発しましたので、お知らせします。

1.背景

 当社では、2003年に世界初の携帯機器向けの3軸電子コンパス「AK8970」を、2008年に6軸電子コンパス「AK8976」の量産を開始しました。以来、当社の電子コンパス製品は、携帯電話やスマートフォン、タブレット型端末を中心に幅広く採用され、高い評価をいただくとともに圧倒的な市場シェアを獲得しています。
 当社は、ユニークな磁気センサ技術を軸として、3軸・6軸電子コンパスをはじめとする多様なセンサ製品展開と、そのセンサ信号を有効に活用するソフトウエア開発の両面に取り組み、拡大するスマートフォンなどの電子機器のさらなる発展・高機能化に、今後とも貢献して参ります。

2.本製品の特徴・狙い

 一般に、スマートフォンなどに内蔵されているコンパス機能は、自由な持ち姿勢でも正確な方位角情報を得るために、3軸電子コンパスと、傾斜角補正のための3軸加速度センサの二つの部品を使って実現されます。6軸電子コンパスは、これらの二つの部品を一つのパッケージに集積した、コンパス機能に最適な複合センサ部品です。

(1)アナログ・デバイセズ社の3軸加速度センサを集積

 AK8978には、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)のパイオニアとして高い実績をもつアナログ・デバイセズ社の、最新の静電容量型MEMS技術を使用した加速度センサ(ADXL346相当)を集積しています。安定した性能に定評があり、電子コンパスの傾斜角を的確に補正するだけでなく、高機能で高性能な3軸加速度センサとして使用することもできます。
 一方、3軸電子コンパスは、当社のベストセラー商品のAK8975相当を集積しています。当社のユニークなシリコンモノリシック構造のホールセンサ技術(※2)を使用し、電子コンパスにとって最も重要な特性である、広い磁気測定範囲と優れた軸間直交性を有しています。

(2)ワンストップソリューションの提供

 AK8978では、3軸電子コンパスと3軸加速度センサを別々に調達する場合と比較して、部品点数が半減するだけでなく、当社からワンストップで部品供給と統合的な技術サポートを提供できます。これにより、お客様の電子コンパスの組み込み作業の効率化に一層貢献します。

(3)小型化

 AK8978は、当社の従来製品から25%小型化されました。パッケージの高さは、1.0 mmを達成しています。これにより、スマートフォンなど電子機器の薄型・小型化に貢献します。

(4)ソフトウエア・組み込み技術サポート

 AK8978は、当社の登録特許技術「磁気オフセットの自動調整機能」を含む各種ソフトウエア資産を使用できます。経験豊富な組み込み技術サポートとともに、お客様にスマートな電子コンパスソリューションを提供します。

3.主な用途

 AK8978は、スマートフォン用途はもとより、GPS内蔵のデジタルカメラで緯度経度の位置情報とともに撮影した方角を記録する機能や、指し示す方向で遊ぶゲームコントローラなど、新しくコンパス機能の搭載が進む用途に、最適な製品です。

4.型番・仕様

(1)型番   「AK8978」
(2)パッケージ   26ピンLGA 3.0mmX5.0mmX1.0mm
(3)測定範囲   磁気測定範囲 :±1200μT
加速度測定範囲 :±2g、±4g、±8g、±16g
(4)測定分解能   磁気測定分解能 :0.3μT
加速度測定分解能:4mg
(5)インターフェース   I2C & SPI
(6)製品状況   現在、サンプル出荷中、2012年2月より量産予定

5.アナログ・デバイセズ社について

会社名 Analog Devices, Inc.
代表者 Jerald G. Fishman
本社 アメリカ合衆国 マサチューセッツ州
事業内容 アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の設計、製造

 アナログ・デバイセズ社は、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史ある会社です。

【用語解説】

※1:電子コンパス

 地球の地磁気を電気的に検出して、方位角(磁北)情報を求める機能です。代表的な応用例は、スマートフォンの地図アプリケーションで、進行方向に従って地図を回転させる機能です。
 当社では、3次元で地磁気を検出する磁気センサを「3軸電子コンパス」、「3軸電子コンパス」に3次元で加速度を検出する3軸加速度センサを集積したものを「6軸電子コンパス」と、呼称しています。

※2: シリコンモノリシック構造のホールセンサ技術

 磁気を検出するホールセンサ素子を、その信号処理回路とともに一つのシリコン基板上に作り込む技術です。従来の、複数の磁気検出素子と信号処理回路とを別々の基板上に作成し、マルチチップモジュール構造で組み立てる技術と対比されます。

【外観写真】

外観写真

以上


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