小規模マンション建替え事業の取り組みを強化
〜宇田川町住宅と元代々木住宅の建替え事業2件に着手〜

2012年3月27日
旭化成不動産レジデンス株式会社

 旭化成不動産レジデンス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:渡辺 衛男)は、東京都内において、ともに小規模マンションの建替え事業となる「宇田川町住宅建替え事業」を2012年2月に着工、「元代々木住宅建替え事業」を4月から解体着工することとなりました。当社では、これまで都心の小規模マンション建替え事業にも取り組んできましたが、今後建替え時期を迎える小規模高経年マンションの増加が予想され課題となりつつあることも踏まえ、この取り組みをさらに強化していきます。

 「旧耐震基準」のマンションで30戸以下の小規模マンションは都内でも約3,200棟(当社調べ)ありますが、一般的に小規模マンションの建替えは、容積率に余裕がある場合でも増加する床面積が少なく建替え後の外部販売住戸の確保が難しいため、立地が良くてもデベロッパーの参画が難しいのが実情です。しかしながら当社では、合意形成や建替え決議に伴う各種手続き等を内製化することや、経験豊富な社員が少人数で対応することなどにより、売上げ規模が小さくても事業化を可能としてきました。
 また、小規模マンションではフロア面積が狭いため各住戸の配置計画が非常に難しく、大型住戸と小規模住戸を組み合わせるなど区分所有者間の意向調整が必要となります。この問題についても、戸建請負建築で培った住戸設計と区分所有者の意向調整に関するノウハウで建替え事業を実現してきました。
 今後は、マンション建替え研究所において小規模マンションの建替え事業に関するノウハウを集約し、小規模マンション固有の課題をかかえる管理組合へのサポートを強化していきます。小規模マンションについては、区分所有者の少なさが建替え決議不成立のリスクになる場合があることや、積立金が少なく資金的な余裕があまりないこと、理事会等の人員確保が困難なことなどの課題が見られ、初動期の活動支援から合意形成を含めた総合的なサポートが求められます。これまでも当社では、マンションの規模を問わず初動期からの支援を実施してきましたが、今後は、小規模マンションのテーマに合わせた個別勉強会の実施や、合意形成ノウハウ集の作成・発信、ホームページ上のオンライン相談窓口のリニューアルなど、初動期支援の取り組みを強化していきます。
 なお、当社のマンション建替え事業は首都圏を中心に関西地区にも展開しており、将来的には中京地区への進出も視野に入れ、2015年度には小規模マンションも含め年間4〜5棟で80〜100億円規模の売上実現を目標にしています。

T.当社の小規模マンション建替え事業の背景と概要

 国土交通省によると「新耐震基準」以前に建築された築年数30年を超えるマンションストック戸数は2010年の時点で100万戸にのぼるといわれ、老朽化の進行や耐震性の問題等はわが国の社会問題になりつつあります。しかしながら、これら高経年マンションの建替えを含めたマンション再生については、区分所有者の合意形成などの様々な問題を解決する必要があり、あまり進んでいないのが実情のようです。
 さらに今後は、大規模で余剰容積率が高いなどの建替え条件が有利な案件は少なくなり、多様な問題をかかえる建替えが増えてくることが予想されます。特に小規模マンションについては、容積率に余裕がある場合でも、絶対的規模が小さく床面積の増加もあまり見込めないため外部販売住戸の確保が難しく、デベロッパーが参画可能な規模にならない場合や、区分所有者の少なさから管理費・積立修繕金の残高が少なく、資金的な余裕があまりない場合、理事会や建替え委員会の人員確保が困難な場合など、小規模マンション固有の問題をかかえており、マンション再生をさらに難しいものにしています。
 当社では、2002年に建替え決議を行い2005年に竣工した同潤会江戸川アパートメント(アトラス江戸川アパートメント)建替え事業以降、業界の中でもトップクラスのマンション建替え実績を積んできました。そのなかでも、小規模マンション建替え事業は、2005年に竣工した建替え前住戸21戸のジードルンク府中(アトラス府中エクシード)をはじめ、2011年2月に竣工の建替え前住戸15戸+倉庫兼事務所の方南ビレッジ(アトラス方南ビレッジ)、現在着工中で2012年12月に竣工予定の建替え前住戸16戸の谷町第二ビル(仮称:アトラス天満橋)の建替え事業があり、これまでも積極的に取り組んできました。

U.「宇田川町住宅」・「元代々木住宅」建替え事業の概要

1.「宇田川町住宅」既存建物の状況

(1)所在地 東京都渋谷区宇田川町94番9(地番)
(2)敷地面積 870.04m2(263.18坪)
(3)名称 宇田川町住宅
(4)既存建物 鉄筋コンクリート造 地上7階建て(1961年竣工)
延床面積2,542.07m2 総専有面積2,268.38m2
(5)住戸規模 住戸16戸、店舗・事務所1区画、権利者数17名

■再建マンションの計画概要

(1)事業方式 マンション建替え円滑化法による組合施行方式
(2)構造規模 鉄筋コンクリート造 地上13階建て
(3)延床面積 6,236.65m2(1,886.58坪)
(4)住戸数 住戸49戸、店舗1区画(分譲住戸数30戸)
(5)住戸タイプ 1DK 12戸、1LDK 23戸、2LDK 11戸、3LDK 3戸(33.77〜104.89m2
(6)施工予定 2012年2月本体着工〜2013年9月竣工予定
(7)その他 設計・監理   株式会社NEXT ARCHITECT & ASSOCIATES
施工      東急建設株式会社

宇田川町住宅建替え事業 竣工予想図
<宇田川町住宅建替え事業 竣工予想図>

(画像はウェブサイトhttp://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/にてダウンロードできます。)

2.「元代々木住宅」既存建物の状況

(1)所在地 東京都渋谷区元代々木町27番10(地番)
(2)敷地面積 971.39m2(293.84坪)
(3)名称 元代々木住宅
(4)既存建物 鉄筋コンクリート造 地上5階建て(1967年竣工)
延床面積1713.8m2 総専有面積1352.1m2
(5)住戸規模 住戸30戸、権利者数30名

■再建マンションの計画概要

(1)事業方式 全員同意による等価交換方式
(2)構造規模 鉄筋コンクリート造 地上6階建て
(3)延床面積 2658.91m2(804.32坪)
(4)住戸数 38戸(分譲住戸数14戸)
(5)住戸タイプ 1DK 7戸、1LDK 14戸、1LDK+DEN 5戸、
2LDK 10戸、2SLDK 1戸、3DK 1戸(34.55〜79.16m2
(6)施工予定 2012年8月本体着工〜2013年9月竣工予定
(7)その他 設計・監理   三井住友建設 株式会社
施工      三井住友建設 株式会社(予定)

以上


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