米国Artisan社の完全子会社化について

2011年11月8日
旭化成ファーマ株式会社

 旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区 社長:浅野 敏雄)は、米国のArtisan Pharma, Inc.(Artisan社 本社:米国マサチューセッツ州ウォルサム、社長:インダー カウル)の全株式を取得して当社の完全子会社とすることを決定し、このたびその手続が完了しましたのでお知らせします。
 なお、Artisan社の商号を、Asahi Kasei Pharma America Corp.(旭化成ファーマアメリカ)に変更し、当社は、旭化成ファーマアメリカを、当社の米国での医薬品の開発拠点と位置付け運営を行ってまいります。

1.背景

当社は、当社が開発したART-123(一般名:トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)、日本での販売名 「リコモジュリン」)を海外で開発するために、2006年にベンチャー・キャピタルの出資を得て、Artisan社を設立しました。
 設立と同時に当社はArtisan社に対してART-123の権利を導出し、Artisan社は、ART-123を「DICを伴う敗血症」の適応症で、全世界において第2相後期試験を実施し、2010年に同試験を完了しました。
 その後、第3相試験の実施について、株主間で協議してきましたが、第3相試験を円滑に進め早期に承認を取得するためには、当社がArtisan社の全株を取得し、全面的に当社の管理のもとで臨床試験を実施することが最適であるとの結論に達し、株主間で合意に至ったものです。

2.Artisan社の概要(完全子会社化前)

(1) 社名 Artisan Pharma, Inc.
(2) 事業内容 新薬の臨床試験、薬剤の販売
(3) 所在地 米国マサチューセッツ州ウォルサム
(4) 主要株主 旭化成ファーマ、NGN Capital、JAFCO、Bio One Capital
(5) 社長 Inder kaul, MD, MPH

3.旭化成ファーマアメリカの概要(完全子会社化後)

(1) 社名 Asahi Kasei Pharma America Corp.
(2) 事業内容 新薬の臨床試験、薬剤の販売
(3) 所在地 米国マサチューセッツ州ウォルサム
(4) 主要株主 旭化成ファーマ(100%)
(5) 社長 小野 尚之

<ご参考>用語のご説明

ART-123/「リコモジュリン」

遺伝子組換え技術を用いて生産したヒトトロンボモジュリン製剤。トロンボモジュリンは、血液凝固の原因物質であるトロンビンの生成を抑えることにより抗凝固作用を発揮する。また、トロンボモジュリンは抗炎症作用ももつことが近年報告されている。

DIC(disseminated intravascular coagulation:汎発性血管内血液凝固症)

感染症、白血病、悪性新生物(がん)などを原因として、全身の微小血管内で血液凝固反応が亢進して血栓が形成され、多臓器不全や大出血を起こして高頻度に死に至る重篤な疾患である。

敗血症

細菌によって引き起こされた全身性炎症反応症候群である。細菌感染症が全身に波及したもので非常に重篤な状態であり、無治療ではショック、DIC、多臓器不全などから早晩死に至る。もともとの体力低下を背景としていることが多く、治療成績も決して良好ではない。

以上


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