「サーモガードシステム」の国内販売開始について
〜日本初となる血管内体温管理システム〜

2013年2月6日
旭化成株式会社
旭化成ゾールメディカル株式会社

 旭化成グループで、救命救急医療機器などの国内販売を行う旭化成ゾールメディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:坂野 誠治、以下「AZM」)は、急性重症脳障害による発熱を抑制するために用いる、中心静脈※1留置型経皮的体温調節装置システム「サーモガードシステム」の販売を、本日2月6日より開始しますのでお知らせします。

 本製品は、カテーテルを介して血管内から体温を調節するシステムで、日本で初めて導入される画期的な救命救急医療機器です 。

1.背景

 AZMは、欧米を中心に救命救急医療事業を展開するZOLL Medical Corporation(本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Richard A. Packer、以下「ゾール・メディカル」)の日本における事業の拡大のために昨年8月に設立され、ゾール・メディカルの各種製品の薬事承認申請や販売、マーケティング活動などを行っています。

 このたび、昨年6月に薬事承認を取得し販売準備を進めていた「サーモガードシステム」を、本年2月6日より販売開始することとなりました。これは、昨年4月のゾール・メディカル買収後、同社の救命救急医療機器の国内販売第一弾となるものです。

 今後もAZMでは、着用型自動除細動器「LifeVest(米国販売名)」をはじめとする、ゾール・メディカル製品の薬事承認申請および販売準備を進め、日本における救命救急医療事業の拡大を図るとともに、旭化成グループの医薬・医療事業とのシナジーを追求してまいります 。

2.「サーモガードシステム」について

(1)使用目的

 頭部外傷や脳卒中などの急性重症脳障害では、しばしば中枢性の発熱※2を生じることがあり、その発熱が患者の予後を悪化させることが知られています。本製品は、専用のバルーン付中心静脈カテーテルを用いてそのような患者の発熱を抑制し、体温を正常に保つために使用されます。

(2)特長

 本製品は、日本初となる血管内冷却による体温管理システムです。装置本体で温度調節された生理食塩水がバルーン付中心静脈カテーテル内を循環し、血管内で血液とカテーテルが直接熱交換を行うことで体温を調節する仕組みとなっています。また、深部体温データをフィードバックすることにより、体温を自動で制御します。これにより、正確な体温管理および看護の省力化が可能になります。

(3)低体温療法への適応拡大について

 心肺蘇生後患者に対する低体温療法は、AHA(American Heart Association:米国心臓協会)ガイドライン2010およびJRC(Japan Resuscitation Council:日本蘇生協議会)ガイドライン2010で、共にClassTに推奨※3されています。AZMでは、今後速やかに臨床試験を実施し、低体温療法への適応拡大を図る予定です。

【「サーモガードシステム」写真】

サーモガードシステム 写真

販売名 サーモガードシステム
承認番号 22400BZI00010000
一般的名称 中心静脈留置型経皮的体温調節装置システム

【用語解説】

  • ※1中心静脈とは、上大静脈と下大静脈を指し、どちらも心臓に直接流入する太い静脈である。
  • ※2中枢性の発熱とは、脳内の視床下部にある体温調節中枢に病変が生じて起こる発熱を指す。
  • ※3AHAおよびJRCでのClassT推奨とは、治療的介入や治療方針の推奨レベルが最も高いことを指す。

<ご参考:Class別の推奨レベル>

  • ClassT:介入/方針が強く推奨される。
  • ClassUa:介入/方針が合理的である。
  • ClassUb:介入/方針を考慮する価値がある。
  • ClassV:有益でなく有害である可能性があるため行うべきでない。

以上


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