第62回日本化学会化学技術賞受賞について
〜MMAモノマー製造用 金−酸化ニッケル触媒の開発と実用化〜

2014年3月31日
旭化成ケミカルズ株式会社

 旭化成ケミカルズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小林 友二)は、「メタクリル酸メチル製造用 金−酸化ニッケルコアシェル型ナノ粒子触媒の開発と実用化」に関して、下記受賞者が第62回日本化学会化学技術賞を受賞しましたので、お知らせします。

 日本化学会は、1878年(明治11年)に創立された化学分野における国内最大の学会であり、化学技術賞は、わが国の化学工業の技術に関して特に顕著な業績のあった者に対して与えられる賞です。3月28日に名古屋大学・東山キャンパスにて贈賞式が行われ、30日には当社研究開発総部 主幹研究員 鈴木 賢が受賞テーマについての講演を行いました。

 今回の受賞は、金−酸化ニッケルコアシェル型ナノ粒子触媒の開発、およびそれを用いた酸化エステル化法によるメタクリル酸メチル(MMA)製造の実用化に至った業績が評価されたものです。本触媒は、金をコアとし、その表面が高酸化型の酸化ニッケルで被覆された状態(コアシェル型)のナノ粒子が、担体上に高分散担持されています。このようなナノ粒子構造と化学状態を有する二元金属ナノ粒子の設計によって、単一金属ナノ粒子とは異なった優れた触媒機能を生み出すことに成功しました。

 さらに高強度シリカ系担体の開発、酸化ニッケルによる触媒の化学的安定性の向上および触媒中のナノ粒子の精密分布制御により、長期触媒寿命を保証できる工業触媒技術を確立したことで、高選択性・高活性・長期触媒寿命等の優れた実用的成果を得て、省エネ・省資源化と、高い経済性を実現したことが評価されました。

 当社は、今後も画期的な触媒・プロセスの開発を通じて社会に新たな価値を提供してまいります。

<受賞者>

鈴木 賢 (旭化成ケミカルズ株式会社 研究開発総部 主幹研究員、写真中央)
山口 辰男 (旭化成株式会社 先端電池材料開発センター、写真右)

以上


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