光学用新規透明樹脂「AZP」の事業化について
〜ガラス以外では初めての分子レベルで複屈折‘ゼロ’を実現〜

2014年6月19日
旭化成ケミカルズ株式会社

 旭化成ケミカルズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小林 友二)は、分子レベル(ポリマー自体)で複屈折※1 ‘ゼロ’を実現した光学用新規透明樹脂「AZP」を開発しました。製品をマーケットに投入するため、生産設備を当社川崎製造所千葉工場(千葉県袖ケ浦市)内に新設し、来年早々に稼働させることといたしましたので、お知らせいたします。

 今回開発した「AZP」は、ディスプレイの高性能化や各種光学部品の新素材としての活用が期待されます。

1.背景

 テレビ、パソコン、スマートフォンやカーナビ等で使用されているディスプレイは、IT機器の高性能化に伴い高精細化、光利用効率の向上、低消費電力化が求められています。こうした市場のニーズに応えるため、当社は、プラスチック素材としては初めて分子レベル(ポリマー自体)で複屈折ゼロを実現した「AZP」を開発しました。

 従来の樹脂では、複屈折のため、通過する光が歪み、光漏れを起こしてコントラストが低下したり、画像が不鮮明になる問題点があり、複屈折の制御が光学設計者の大きな課題でした。

 「AZP」は複屈折ゼロであるため、光の進行を乱さず、鮮明な画像、光利用効率の向上を実現することができます。また、軽量、加工のしやすさからガラス代替も期待されます。

 当社では、引続き新規用途開発を進め、高品質、高性能の製品を提供していくとともに、マーケットのニーズに合わせて更なる供給能力拡大も検討してまいります。

2.「AZP」の特長

(1)トリプル・ゼロ複屈折

面内位相差(Re)、厚み位相差(Rth)、光弾性係数(C)がともに‘ゼロ’

(2)成型方法、成型条件に関係なく成型物の複屈折ゼロを実現

従来樹脂でも特殊成型法により、ゼロ複屈折は可能でしたが、「AZP」は分子レベルでゼロ複屈折であるため、特殊な成型方法を必要とせず、生産性、設計自由度が向上します。

(3)高い物理的化学的特性

①高耐熱性:ガラス転移温度(Tg):135℃
②高表面硬度:鉛筆硬度:3H〜4H

3.「AZP」生産設備新設計画概要

(1)立地 旭化成ケミカルズ川崎製造所千葉工場(千葉県袖ケ浦市)
(2)生産能力 数千トン/年
(3)生産品目 光学用新規透明樹脂「AZP」
(4)稼働予定 2015年第1四半期予定

以上


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