「nano tech 2017」における「グリーンナノテクノロジー賞」の受賞について

2017年2月22日
旭化成株式会社

 旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅)は第16回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議「nano tech 2017」※1において、当社のロール・ツー・ロール技術が「グリーンナノテクノロジー賞」を受賞しましたのでお知らせします。

1.受賞理由

 「グリーンナノテクノロジー賞」は、グリーンナノテクノロジー分野で斬新かつ先駆的な技術・製品の出展者を表彰するものです。当社は「nano tech 2017」において100nm幅の配線を連射的に基板に転写できるロール・ツー・ロール技術を展示しましたが、フレキシブルデバイスを効率的に生産でき、エネルギーやヘルスケアなど様々な産業への応用展開が期待される点が評価され、今回の受賞に至りました。

2.技術の概要

 当社では来たるトリリオンセンサー社会※2、IoT社会に向けたフレキシブルデバイスの研究開発を行っています。先行研究として多くの事例があるものの、工業化が大きな課題となっています。これに対し当社ではフィルムを連続的に繰り出しながら、当該デバイス向けの電極を印刷したり、凹凸パターンを賦形したりするロール・ツー・ロール技術の開発を行ってきました。今回の展示会ではその成果として、①電子ビームリソグラフィーを用いて製作した100~1,000nm線幅のパターンを持つ円筒モールド、②当該モールドを用いて印刷した250nm線幅の導電性グリッドパターン、③50nm線幅の凹凸パターンを持つワイヤーグリッド偏光フィルム「WGF」の展示を行いました。

 ①の成果については国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラムA-STEPによる支援をうけ、これまでより幅広で量産適用が可能な250mm幅の円筒モールドを開発することができました。

 当社はこれからもナノテクノロジーの分野で社会に貢献できる製品開発を進めてまいります。

以上