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ウイルス除去フィルター「プラノバ」の紡糸工場の竣工式開催について

2019年9月20日
旭化成メディカル株式会社

旭化成メディカル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:住吉 修吾)は、このたびウイルス除去フィルター「プラノバ」の紡糸工場の建設が完工し、本年9月17日に竣工式を執り行いましたので、お知らせいたします。

1.工場新設の背景

当社では、バイオ医薬品※1や血漿分画製剤※2といった生物学的製剤の製造工程に使用されている、セルロース製中空糸型ウイルス除去フィルター「プラノバ」およびより高いタンパク質濃度領域においても高効率なろ過性能を持つ親水化ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製中空糸型ウイルス除去フィルター「プラノバ BioEX」を製造・販売しており、医薬品の安全性に貢献する製品として世界的な信頼を得ております。
近年、世界において生物学的製剤のウイルス安全性に対する要求が高まっていることに加え、モノクローナル抗体※3を中心としたバイオ医薬品の開発が盛んになってきたことから年々ウイルス除去フィルターの需要が増加しており、今後もこの動きは世界的に続くことが予想されています。このような背景から、さらなる安定供給を目指すために、新紡糸工場を建設いたしました。
今回の増強により、2016年に竣工いたしました「プラノバ BioEX」の紡糸工場と合わせた当社のウイルス除去フィルター向け中空糸生産能力は130,000m2/年となります。
当社では、今後も積極的に研究開発、設備投資を行い、高性能・高品質の製品を開発し、世界のニーズに対応した新製品を生み出すと共に、生物学的製剤の安全性の向上に貢献してまいります。

2.「プラノバ」の紡糸工場の概要

(1)立地
宮崎県延岡市旭町6丁目
現プラノバ紡糸・組立工場隣接地
(2)増設能力
40,000m2/年

用語解説

  • ※1バイオ医薬品
    遺伝子工学、細胞培養などのバイオテクノロジーを利用して生産されるペプチドやタンパク質を有効成分とする医薬品。インターフェロン、成長ホルモン、エリスロポエチン、モノクローナル抗体などがある。
  • ※2血漿分画製剤
    血漿から精製して得られる治療に有益なタンパク製剤で、感染症の治療に用いるグロブリン、血友病などの治療に用いる血液凝固第Ⅷ因子などの血液凝固因子製剤などがある。
  • ※3モノクローナル抗体
    単一の抗体産生細胞から作られる一種類の均一な分子でできた抗体で、医薬品としては通常、遺伝子組替え技術で作られる。近年、リウマチ、癌などに対する抗体医薬の開発が盛んである。
  • 「プラノバ」の紡糸工場 外観
  • 式典の様子
    左から:大野 勝則(旭化成メディカルMT(株)プラノバ生産本部長)、四ノ宮 健(旭化成メディカル(株)バイオプロセス事業部長)、太田 晋輔(旭化成メディカルMT(株)社長)、住吉 修吾(旭化成メディカル(株)社長)、坂本 修一(旭化成メディカル(株)会長)、濱井 研史(旭化成(株)専務執行役員)、読谷山 洋司様(延岡市長)、山下 栄次様(宮崎県商工観光労働部 企業振興課食品・メディカル推進室長)、光岡 賢治(旭化成労働組合 延岡支部 副支部長)

以上