基盤技術研究所

旭化成グループの技術競争力のひとつとして、分析とシミュレーションを中心とする解析技術により、事業が直面する技術課題を解決し研究開発を推進します。同時に国内外の研究機関と連携して最先端の計測技術をオンデマンドで提供します。

日本が優位に立つ材料・プロセス技術は今後の環境・エネルギーや少子高齢化で生じる問題の解決にとって欠かせないものです。このような技術の背景にある原理や科学の解明にわれわれは高度な解析技術で応えていきます。

In-situ計測技術

オートクレーブ反応のin-situ計測(X線回折プロファイルの経時変化)

強度、断熱性、耐久性などに優れたヘーベル外壁板は、環境・エネルギー問題に対して旭化成が提供するソリューションのひとつです。その製造には粉砕した珪石原料を大型オートクレーブで養生する方法が用いられます。オートクレーブの中で起こる化学反応を制御し、材料の強度や耐久性を一定に保つプロセス技術は長年の経験と実績で築き上げられた技術です。われわれは放射光という非常に強力なX線ビームをもちいた計測により、このオートクレーブの中で起きている化学反応の時間変化を追跡することに成功しました。

プロセスを科学的視点で考察することで更なる技術改良の道が拓きつつあります。このin-situ計測技術は非常に応用範囲が広く、今後も無機材料の開発においてさまざまな応用が期待されています。

シミュレーション技術

光学部材は、暮らしに便利さと彩りを添える日本の優位技術ですが、微細表面形状をもつ材料の特性は可視光以下のスケール形状で発現し、使われるシーンではメートルオーダーのパネルとして反射防止や光取出し効果の機能を実現することが要求されます。
われわれは材料固有な物性と形状データにもとづいて、実寸スケールでの光学特性をシミュレーションする技術をOhio州立大学と共同で開発しました。この技術によりカスタムオーダーに対して迅速にデザイン-製品提供することを目指しています。

拡散制御フィルムの表面形状(AFM計測形状)
微細構造の表面賦形(SEM像)
DDM法による大規模光学シミュレーション

代表的な先端解析技術

分析・シミュレーション技術 技術の特徴・受賞など
放射光を用いたin-situ計測技術 計測セル・チャンバーの開発ノウハウにより実プロセスを計測可能なサイズに縮小・再現してさまざまな現象を解析
◇2014年度セメント協会論文賞 ◇2011年度「ひょうごSPring-8賞」 ◇2010年度日本分析化学会「先端分析技術賞」など
多孔質の構造解析と流れシミュレーション 場と流れのモデリングシミュレーションにより計測・実験が困難なプロセス現象を解析 ◇2004年度 人工臓器学会「技術賞」など
電子顕微鏡/表面分析応用技術 STEM・XPS・SIMSなどの表面分析手法と第一原理計算・統計モデリングを融合してエレクトロニクス材料を中心に解析ソリューションを提供
NMRによる構造と現象のダイナミクス解析 電池の出力特性に大きく関わる多孔質材料中の非均一イオン拡散現象について、イオン拡散の直接評価(磁場勾配法NMR)、孔解析(電子顕微鏡、XCT、SAXS)および拡散シミュレーションにより総合的に解析
超小角X線散乱(USAXS)によるメソスケール構造解析 放射光を用いたUSAXS測定により数100nmの構造まで見えるようになり高分子の高次構造と構造形成のダイナミクスを解析 ◇2014年度フロンティアソフトマター開発専用ビームライン(FSBL)堀江賞
高分子シミュレーション(OCTA) 高分子の高次構造・物性を予測することにより、分離膜、フィルム、繊維等の材料開発を支援する実用的なシミュレーション技術を提供 ◇高分子材料シミュレーション –OCTA活用事例集–化学工業日報社刊)編集・出版(2014) ◇2002日本レオロジー学会技術賞(共同受賞)