平成21年度全日本柔道選手権大会

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 4月29日(祝・水)東京、日本武道館において、全日本柔道選手権大会が開催され、推薦選手2名と各地区の予選を勝ち上がった36名の選手、計38名の選手が出場し、行われ当部より昨年の北京五輪で優勝した内柴正人が、アテネ五輪に続き2度目の推薦選手として出場。東京地区代表としては高井洋平、泉浩の2名。九州地区代表として九州選手権で優勝の塘内将彦、大鋸新、斉藤制剛、木村純の計4選手が出場しました。

 尚、今大会は、無差別級の日本一を決定する大会及び、8月にオランダ(ロッテルダム)で行われる、世界選手権100kg超級の最終代表選考を兼ねた大会となっており、熱戦が繰り広げられました。

詳細は以下の通りです。

1回戦

泉 浩 技有
(警 告)
穴井隆将
(天理大学職員)
塘内将彦 判定
(3-0)
斉藤俊
(新日本製鉄)

 1回戦から優勝候補同士の対戦となった泉対穴井、泉は間合いを取り組際の足技を使い試合を組み立てたい一方、穴井は奥襟を持ち組んで柔道をする展開。1分49秒穴井が奥襟を持ち上下にあおるところ、泉はタイミングの良い出足払いで有効を奪う。その後も組み手でうまく捌くが後半、泉に疲れが見え始め指導が与えられ有効ポイントで並ぶ。5分39秒泉は組際の背負い投げを狙うが、不十分となり審判は偽装攻撃とゆうジャッチで指導が与えられ逆転をゆるし試合終了となり緒戦突破ならず。

 塘内は厳しい組み手で、終始攻め判定勝ちで緒戦を勝ち上がる。

2回戦

大鋸新 有効
(注 意)
生田秀和
(総合警備保障)
斉藤制剛 判定
(3-0)
今井敏博
(総合警備保障)
高井洋平 一本
(合 技)
猪又秀和
(セコム上信越)
内柴正人 技有
(腰 車)
松本雄史
(兵庫県警)
木村純 判定
(2-1)
吉永慎也
(新日本製鉄)
塘内将彦 一本
(払釣込足)
上川大樹
(明治大学2年)

 大鋸対ベテラン生田の戦い、試合開始から大鋸は前に出て組みに行くが相手を捕まえる事が出来ず、両者に指導が与えられる。終盤、相手の技を受けてしまい注意が与えられポイントでリードされる。試合終了間際、相手は守りに入るが攻めきることが出来ず試合終了。

 推薦選手で出場した66kg級内柴は兵庫県警の松本との対戦、試合開始から強気の柔道で会場を盛り上げる。中盤、得意の寝技で押さえ込む寸前までいくが場外となり「マテ」となる。その後も動きを止める事なく攻め続けるが腰車で技有を奪われ敗れてしまう。

 齋藤対今井の対戦はこれまで同じ90kg級で何度も対戦があり、お互い手の内を知り合っている為、齋藤はポイントを奪うことが出来ないが接戦を物にして齋藤が3-0で競り勝つ。

 初出場の木村は中量級ながら受けの強い吉永との対戦、木村はしっかり持ち、技を出したいとこであるが組み手不十分の為、組際の大内、大外で攻める。両者、ポイントなく試合が終わり、技数で相手を上回った木村が判定3-0で判定勝。

 高井は猪又との対戦、対格差で勝る高井は相手をしっかり捕まえ危なげなく合わせ技で一本勝。

 世界選手権代表の塘内は185cm、140kgと体格に恵まれた上川との対戦、序盤から組み手の厳しい塘内は相手に良い所を持たせず、完全に塘内ペースで進む。終盤、相手のプレッシャーに体力を消耗し一瞬の隙をつかれ、払い釣り込み足で一本を奪われる。

3回戦

斉藤制剛 判定
(3-0)
加藤光将
(愛知県警)
高井洋平 一本
(払 腰)
河合秀幸
(北海道警察)
木村純 有効
(注 意)
棟田康幸
(警視庁)

 31歳で初出場のベテラン齋藤は今大会、最重量である155kgの加藤との対戦、齋藤は動きを止める事なく足技で相手を崩す。中盤、齋藤は押さえ込まれるも必死で逃げポイントまではいたらない、その後も自分の柔道に徹し判定3-0で勝ち上がる。

 木村は出場11回で優勝候補の一人、棟田との対戦となり木村は右組、棟田は左組のケンカ四つ重心の低い棟田は下から突き上げるようにして前に出る。中盤、木村は引き手が取れず下がってしまい場外に出てしまい、場外注意を受ける。終盤、木村は前に出て攻めるが、棟田の守りがかたく、攻めきれずあと、一歩のところで敗れてしまう。

 高井は試合開始から前に出てプレッシャーを掛け河合を圧倒する。中盤、相手の動きが鈍くなったところを見事な払い腰で一本勝。

準々決勝

斉藤制剛 技有
(大 腰)
棟田康幸
(警視庁)
高井洋平 有効
(注 意)
立山広喜
(日本中央競馬会)

 ベテランらしい勝上がりで準々決勝に進出した齋藤は右、対する棟田は左の組み手で、ケンカ四つの対戦となり、試合開始から齋藤はしっかり間合いを取りうまく捌く1分18秒、棟田が齋藤の右脇を差したところ、その脇を抱えて得意の肩車で棟田の懐に入り込む、棟田は手をつき防ごうとするが、齋藤はうまくコントロールして有効を奪う。

 その後も強気で前に出て齋藤ペースで試合が進む2分13秒奥襟を持ち、間合いを詰めてくる棟田に対し、後ろにつき返しを狙うが、棟田の強引な大腰で技有となる。

 その後も、棟田に対し一歩も引かず、試合終了間際、棟田に指導が与えられ試合場を盛り上げた試合となった。

 高井対立山の対戦はお互い左組の組み手で、お互いしっかり組んで技を掛け合う展開となる。3分15秒、お互い組み合った後、高井は不用意に場外に出て場外注意が与えられる。その後は高井が大内刈り、内股で攻めるが193cmの立山は懐が深く崩し切れずポイントにつながる技がなく、惜しくも準々決勝で敗れてしまう。

 大会終了後に行われた強化委員会では、オランダ・ロッテルダムで開催される「2009世界柔道選手権大会」100kg超級の代表選手が選考され、棟田選手が選ばれ、その後の記者会見で正式に発表された

試合結果

優勝 穴井隆将(天理大学職員)
準優勝 棟田康幸(警視庁)
3位 生田秀和(総合警備保障)
3位 立山広喜(日本中央競馬会)
5位 鈴木桂治(国士舘大学教員)
5位 齋藤制剛(旭化成)
5位 松本雄史(兵庫県警)
5位 高井洋平(旭化成)

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