第56回九州柔道選手権大会

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増渕が圧巻の強さを見せ、2年ぶり4度目の優勝!!
西潟は決勝まで進むも増渕に敗れ、2位!
辻が5位入賞で2年連続全日本選手権大会の出場権獲得!

3月9日(日)福岡県・福岡武道館において第56回九州柔道選手権大会が行われ、当部より、6名の選手が出場いたしました。

今大会の決勝戦は増渕と西潟の対戦となり、一瞬の隙を逃さなかった増渕が一本背負投で有効ポイント奪い、2年ぶり4度目の優勝を決めました。

辻は4回戦で増渕に敗れたものの出場決定戦にまわり見事勝利し2年連続で全日本選手権大会の出場権を獲得しました。

各試合の詳細は以下の通りです。

2回戦

田中 優勢
(有 効)
金山
(柳ヶ浦高校)
西潟 一本
(大外刈)
藤本
(熊本県警)
野田 判定
(0-3)
中村
(長崎県警)
増渕 一本
(大外刈)
崎原
(沖縄県警)
優勢
(指導2)
高田
(熊本県警)
垣田 一本
(横四方固)
楢崎
(佐賀県警)

3回戦

田中 一本
(指導4)
七戸龍
(九州電力)
西潟 一本
(内 股)
堂前
(鹿児島県警)
増渕 一本
(支釣込足)
衞藤
(大分県警)
優勢
(有 効)
藤原
(長崎県警)

4回戦

西潟 判定
(2-1)
七戸龍
(九州電力)
増渕 一本
(内 股)

準決勝戦

西潟 一本
(払 腰)
青山
(福岡県警)

西潟(左組)は、4回戦で2013年世界選手権100kg超級代表の七戸龍選手に対し先に攻め終始ペースを握り判定にて勝利し、準決勝戦へ駒を進めた。
対するのは身長186cm、体重160kgの青山選手(右組)。身長では西潟が5cm上回っているが体重では30kg以上の差がある。

西潟は体格差など全く気にする様子もなく前へ出て先に先に組み、引手(右手)で相手の左襟を掴み、釣手(左手)で奥襟を掴み引き寄せる。両手を掴んだ西潟は体を右に開きながら相手を揺さぶり払腰に入るも掛けた位置が高くさばかれる。その直後、相手のつま先に重心が移動するように前方へ引き出し、角度を変えて払腰を掛ければ相手はこらえきれず転がり一本となる。

開始45秒で一本勝ちという早い決着で初優勝へ向け弾みをつけた。

増渕 一本
(大外刈)
楢崎
(佐賀県警)

増渕(左組)は、ここまで全て一本で勝ち上がり安定した強さ見せ勝ち進んできた。
対するは2回戦で垣田に勝利し、勢いに乗る楢崎選手(左組)との対戦となった。楢崎選手は変則的な組手をし、寝技に定評がある。

増渕は右手で相手の左脇近くを掴み距離をとる。左手は相手の右奥襟を掴み攻撃態勢になる。
相手は増渕十分の組手では勝負ができないと判断したのか引手(右手)で左襟を掴み釣手(左手)は右奥襟ではなく逆の左奥襟から深く背中を持ち増渕の動揺を誘おうとする。しかし、増渕は予想通りといった様子で冷静にさばく。相手は体を右に開き、更に増渕の釣手(左手)を嫌い低い姿勢で防御する。この状況に対して増渕は引手(右手)で相手の左脇付近を掴み前後に揺さぶり防御姿勢を崩す。そして、相手の姿勢が上がり始め、すかさず釣手(左手)で奥襟を掴む。増渕は慌てず相手の重心移動を読み、狙いすまして大外刈に入れば相手は逃げ場なく背中から落ち一本。

2回戦から準決勝戦まで全て一本勝ちで2年ぶりの決勝戦進出を決める。

5位決定戦

優勢
(指導2)

(鹿児島県警)

辻(左組)と出場権争いをするのは若手の内選手(右組)。
内選手は辻より一回り程小さいが手足の長さを活かしどんどん前に出て接近戦を仕掛けてくる。

開始から辻は釣手(右手)で右奥襟を掴み、相手も辻の手の下から釣手(右手)で左奥襟を掴み強引に内側から辻の懐へ入り込もうとする。辻は左手(釣手)の肘を使って相手の釣手(右手)を制し、引手(右手)を掴もうと前へ圧力を掛けていく。なかなか両手を持って組み合う機会が少ない中で辻は、内股や払腰、体落などの技を仕掛けペースを掴む。開始1分25秒、防御に回った相手に対し指導1が宣告される。その後も先に手を出し組んで行く辻に対し、相手は組む手順を釣手(右手)からではなく引手(左手)からに変え、強引に釣手(右手)を辻の釣手(左手)の内側から巻き込むように奥襟を掴み、不十分ながら内股を仕掛けて主導権を奪いにくる。しかし、辻は冷静に釣手(左手)で距離をとり引手(右手)を掴みにいく。相手はその組手を嫌がり後退していく。組み合わない相手に対し開始2分53秒、指導2が宣告され有効ポイントでリードを奪う。
後がない相手は不十分な組手から内股、小外掛で逆転を狙ってくる。しかし、辻は冷静に対処し試合終了。

2年連続で全日本選手権大会への出場権を獲得した。

決勝戦

増渕 優勢
(有 効)
西潟

決勝戦は31歳ベテランの増渕(左組)と近年旭化成の主軸として成長した西潟(左組)との同門対決となった。

開始よりお互い組手で牽制し合いなかなか技が出ない。しかし、技での展開は見られないが組手争いでひしひしと緊迫感が伝わってくる。試合開始52秒、技の出ない両者に対し指導1が与えられる。その後、増渕は内股、西潟は左右の払腰で勝機を見出そうとするもお互いに手の内を知り尽くしている為ポイントには至らず。西潟は引手(右手)で左襟を掴み、釣手(左手)で右奥襟を掴みにいくも増渕は徹底して組ませない。開始2分頃から徐々に増渕有利の組手になる時間が増える。西潟は増渕の組手を崩そうと左手で右襟を掴み組際に大外刈や払腰を掛けて攻めに転じるが増渕は冷静にさばく。その後も西潟は引手(右手)を掴むも釣手(左手)が持てない為、片手から攻めにいくチャンスを伺う。そして西潟が前に出ながら上体を伸ばし強引に奥襟を掴みにいこうとした瞬間、増渕は引手(右手)を離し、上半身に気を取られた西潟の足元にしゃがみ込んで一本背負投に入れば増渕の背中を転がるように畳に落ち、有効が宣告される。残り時間が2分少々となり西潟はギアチェンジし、前に出て圧力をかけ強引に払腰や支釣込足を掛けていく。増渕は全身で技をさばき内股で応戦する。西潟は最後まで逆転を狙って猛追するも増渕の巧みな組手と試合運びの前に一歩及ばず。

31歳のベテラン増渕が2年ぶり4回目となる九州制覇を成し遂げる。

最終結果

九州柔道選手権大会最終結果

優勝 増渕 樹(旭化成)
2位 西潟 健太(旭化成)
3位 楢崎 誠(佐賀県警)
3位 青山 正次郎(福岡県警)
5位 辻 玄太(旭化成)
5位 七戸 龍(九州電力)

全日本柔道選手権大会出場者

九州代表
増渕 樹(5年連続6回目)
辻 玄太(2年連続2回目)
西潟 健太(4回目)
東京代表
吉田 優也(初出場)
羽賀 龍之介(2回目)

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