第49回全九州実業団対抗柔道大会

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1部 圧倒的強さ 9連覇 達成

10月5日(日)福岡県/福岡武道館において全九州実業団対抗柔道大会が行われました。

本大会は男子1〜3部、女子1部の団体戦で、当部より、1部に1チームが出場し、見事9連覇を達成いたしました。

なお、優秀選手賞に、「小林 督之」と「土屋 潤」の2名が選出されました。

また、3部に旭陽会OBで1チームを編成し出場しました。
3回戦まで勝ち上がりましたが、惜しくも破れ上位進出はなりませんでした。

大会最終結果と当部の勝敗表は以下の通りです。

1部

1回戦

旭化成 5-0 九州電力(B)
野田 有効
(大外刈)
前田
一本
(払 腰)
高野
西田 一本
(横四方固)
宇野
土屋 一本
(横四方固)
福田
小林 一本
(大外刈)
尾本

準決勝戦

旭化成 4-0 九電工
小林 一本
(合 技)
田中 一本
(袈裟固)
中島
土屋 一本
(縦四方固)
篠原
西田 引 分 波多江
一本
(払 腰)
畑中

準決勝戦の先鋒を任されたのは小林(左組)。対するは森選手(左組)。

小林は開始より積極的な動きを見せ、引手(右手)で相手の左脇を持って距離をとり、釣手(左手)をつかんですぐに「大外刈」を仕掛ける。開始50秒、前傾で防御に徹する相手の重心をつま先に移動させるように引出して右に腰を回しながら「払腰」を掛け「技有」を奪う。その後も有利な展開で試合を進め、引手(右手)と釣手(左手)を十分につかむと相手は嫌い頭を上げて上体を後ろへ反らすように起こし重心が踵へ乗ったところに「足払」を合わせると反応できず背中から落ち「一本」。大事な先鋒戦でチームに勢いをつける。

次に登場するのは副主将の田中(左組)。対するは相手チームのポイントゲッターである中島選手(右組)。

田中よりも体重が20kg程重く重心が低い。足の怪我をおしての出場となった田中はなかなか前に出ることができず後退する。開始1分30秒、場外へ出たとし「指導1」を受ける。田中は釣手(左手)で相手の釣手(右手)を上から抑えるようにして押し返す。押された相手が押し返してくるところに「一本背負投」に入るも相手は田中の左側へ腹ばいで落ちてポイントにはならず。技を掛けた後も持った手を離さずに今度は相手の背中側へ持っている腕を捻りあげる。相手はたまらず仰向けに返りそのまま「縦四方固」へ。20秒間抑え「一本」を奪う。

続くは新人の土屋(左組)。対するは篠原選手(左組)。

ここで勝利すると決勝進出が決定する。体格は土屋が二回り程大きい。土屋は迷うことなく相手へ向かい引手(右手)で相手の左襟をつかみ引き付けながら釣手(左手)で奥襟をとりにいく。相手は持たれまいと左右にステップし逃れようとする。しかし冷静に相手の動きを読み釣手(左手)で奥襟をつかみ右足(軸足)を踏み込んで「大外刈」を掛け相手は畳に落ちるもポイントにはならず。防戦一方の相手に対し開始1分50秒、「指導1」。直後、「足払」で腹ばいに潰れたところで寝技へ移行。相手の太腿付近にまたがり動きを制し、左手で相手の首裏の襟を持ち、右手は相手の右膝裏の胴着をつかんで左へ倒れ込みながら相手の足を両脚でロックして仰向けにさせ「縦四方固」へ入る。そのまま抑えて「一本」となり決勝進出を決める。

副将には西田(左組)が登場。対するは波多江選手(左組)。

西田より30kg程重く低重心でやり辛い相手である。西田は開始より持ち前のスピードを生かし相手を翻弄する。西田は引手(右手)で相手の袖を持ちコントロールする。引手(右手)のみ持った状態で相手を左右に揺さぶりながら「足払」「小内刈」「大外刈」と仕掛ける。体格で上回る相手は不十分ながら「大内刈」や「背負投」を掛けてくるが冷静にさばく。攻防が続き、あっという間に残り1分を切る。疲れの見える相手とは対照的に西田は前半同様動いて引手(右手)をつかんでチャンスをうかがう。残り30秒、右側へサイドステップで動き「小内刈」を放ち、一瞬相手の足が止まったところ飛び込むように「大外刈」を掛ければ相手は左体側より落ち副審の一人は「有効」のジェスチャー。しかし、その他2人の審判は「ポイントなし」とみなしそのまま引分けとなる。

大将にはベテラン辻(左組)。対するは畑中選手(右組)。

ケンカ四つの両者。辻は釣手(左手)で相手の奥襟をつかむ。そして引手(右手)は相手の左脇をつかんで引き寄せ間合いをつめる。辻ペースで試合は進み、開始50秒というところで右側へ腰を回転させて「払腰」を掛けると相手は大きく回転し「一本」の宣告。隙のない戦いぶりで決勝戦へ駒を進める。

決勝戦

旭化成 3-1 九州電力(A)
田中 一本
(巴 投)
小林 一本
(横四方固)
山本
西田 一本
(足 払)
七戸(虎)
土屋 一本
(横四方固)
川波
引 分 帆高

決勝戦の対戦相手は実力者を揃えここまで順当に勝ち上がってきた九州電力(A)との対戦となった。

緊張感漂う中、両チームの出場メンバーが開始線に並び決勝戦が始まる。

決勝戦の先鋒は副主将の田中(左組)。対するは相手チーム主将の森選手(左組)。どちらもチーム精神的支柱となりこれまで引っ張ってきただけにこの勝負は絶対に落とせない。

相四つの組手となる両者、互いに引手(右手)で襟をつかんで前にでようとする。なかなか組み合わない両者に対し、開始50秒に「指導1」が宣告。流れを変えようと相手は強引に釣手(左手)で奥襟をつかみ前に出て圧力を掛けてくる。田中は冷静に引手(右手)で相手の釣手(左手)を落す。そして、相手は再度釣手(右手)で奥襟をつかむ為に左手を振りかぶって持ちにくる瞬間に田中は低くしゃがみ込みながら「一本背負投」を仕掛けると相手はたまらずくるりと回転し「技有」の判定。残り2分少々というところでリードする。負けられない相手は先程と同様に前に出ながら田中を追い込もうとする。今度は相手が押す力を上手く利用し「巴投」を掛ければ相手は大きく回転し「一本」。大事な先鋒戦を一本勝ちで先取しチームに流れを呼び込む。

続く次鋒には小林(左組)が登場。対するは32歳ベテランの山本選手(右組)。

山本選手は手足も長く非常にやり辛い相手の一人だが小林は開始より積極的に釣手(左手)を取りにいき前へでる。ケンカ四つの組手になる為なかなか十分には組めない。開始30秒、両者に「指導1」。小林は相手の釣手(右手)の上から釣手(左手)を持ち、さらに肘を内側より入れて釣手を制する。相手は状況を打破しようと釣手(右手)を小林の釣手(左手)の上から持ち変え奥襟をつかむ。しかし小林は落ち着いて釣手(左手)で距離を保ち、引手(右手)で袖をつかみ相手の上体を少し起こした瞬間に左足を軸に右側へ体を反転させ「体落」を掛ければ凄い速さで相手は畳に叩きつけられ「技有」となる。そのまま「袈裟固」に入る。相手が技を受けた際に負傷し動くことができず小林の「一本勝ち」となりリードを広げる。

中堅戦は、81kg級の西田(左組)と100kgでさらに身長190cm程ある七戸(虎)選手(右組)との対戦となった。

体格差は歴然。見上げる程大きな相手を目の前にしても西田は怯むことなく先に相手へ向かっていく。素早い身のこなしですぐに釣手(左手)で襟をつかみ相手を翻弄する。相手は西田の釣手(左手)の上から釣手(右手)で奥襟をつかもうとするも巧みな体さばきと組手で持つことができない。西田は、引手(右手)をつかむと「内股」や「背負投」と大きい相手を攻めたてる。後がない相手は不十分な組手から「内股」、「払腰」を仕掛けなんとか勝機を見いだそうとするも西田は腰を落し冷静にさばき逆に「内股透かし」で大きく崩す。試合は進み残り1分を切る。西田の運動量は落ちず縦横無尽に動く。このまま試合は終わると思われたとき、釣手(左手)を持った西田は右方向へステップして動いた瞬間に相手が右足で西田の左足を払うと足が揃ってしまい左体側より畳に落ち「一本」の判定。気持ちの籠った素晴らしい戦いだっただけに無念の敗退となった。

決勝の勝負の行方を左右する中堅戦にはこの日絶好調の土屋(左組)。対するは35歳のベテラン川波選手(左組)。鋭い「背負投」を得意とし気持ちも強く容易な相手ではない。

体格では土屋が上回るので相手は正面からではなく右に回りながら引手(右手)を持ちにくる。土屋は相手の動きを冷静にみて止まった瞬間に引手(右手)で相手の左襟をつかみ相手を制御する。持った引手(右手)を引きながら釣手(左手)で奥襟を狙う。2、3度奥襟を取りにいくと相手はたまらず頭が下がる。組手で有利になり優位に試合を進め足技を使い相手を揺さぶる。反撃に出たい相手は組手不十分だが「背負投」を仕掛けてくる。しかし、土屋の姿勢は崩れず逆に審判に偽装攻撃と判断され開始1分20秒とさらに20秒後に続けて「指導」を与えられ土屋がリードする。その後も土屋は戦い方を変えず先に引手(右手)を持ち、釣手(左手)で奥襟をつかみにいく。残り時間も1分少々となったところで相手が強引に「背負投」を放つ。技の効力がなくなったところで相手の首の後ろ襟をつかみ真後ろへ相手をひっくり返し寝技へ移行する。必死で土屋の右足を両脚で挟んで逃れようとするも冷静にさばき「横四方固」に入る。そのまま20秒間抑えて見事チームの優勝を決めてくれた。

最後に登場するは辻(左組)。敗戦が決まったが一矢報いようと登場したのは81s級ながら曲者の帆高選手(右組)。

体格では辻が二回り以上大きいが相手は辻の左体側に体を寄せて釣手(右手)で背中を抱いてくる。身長の高い辻としては非常にやり辛くなかなか思い切り技に入ることができない。技に入るチャンスを作る為に相手の正面に回り込みながら釣手(左手)と引手(右手)を持ち「払腰」や「内股」と仕掛けていく。しかし、ポイントには至らず。その後も辻は技を出して投げにいくがポイントは奪えず試合終了となる。

最終結果

男子1部

優勝 旭化成(9連覇)
2位 九州電力A
3位 九電工
3位 陸自西部方面隊

男子2部

優勝 福岡拘置所
2位 陸上自衛隊西部方面隊
3位 ホンダ熊本
3位 大分刑務所

男子3部

優勝 光仁会病院A
2位 山小屋
3位 光仁会病院B
3位 十全会おおりん病院

女子の部

優勝 JR九州

優秀選手賞

1部 土屋 潤(旭化成)
小林 督之(旭化成)

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