平成26年度講道館杯全日本体重別選手権大会

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上(66kg)、穴井(90kg)、増渕(100kg) 3位
羽賀(100kg)、西潟(100kg超) 準優勝

11月8日(土)、9日(日)に千葉県/千葉ポートアリーナにおいて『平成26年度 講道館杯全日本体重別選手権大会』が開催されました。

66kg級の前野は順当に3回戦に駒を進めましたが惜しくも破れ、上位進出できませんでした。

73s級の齋藤は上位進出を狙い臨みましたが2回戦でまさかの敗退となりました。

81kg級の海老は4回戦まで順当に勝ち進みましたが敗退し、敗者復活戦にまわり得意の「背負投」で一本を奪い勝利し、続く3位決定戦では惜しくも「指導」の差で敗退いたしました。

90kg級に出場した穴井は、初戦より攻撃的な試合展開で順当に勝ち進み準決勝戦へ。実力者を相手に善戦しましたが敗れ、3位決定戦へまわりました。そして見事勝利し3位入賞を果たしました。

100kg級では、増渕と羽賀が実力を発揮し準決勝戦まで駒を進めました。増渕は準決勝戦で「指導」1つの差で涙をのみ、3位決定戦へ。ここでも気持ち切らさず3位入賞を果たしました。羽賀は準決勝戦でも「一本勝ち」し決勝戦へ。接戦の末にポイントを先に奪われてしまい惜しくも準優勝に留まりました。

100kg超級では西潟と百瀬が準決勝戦で当部同士の対戦となり西潟が勝利し決勝戦へ。百瀬は3位決定戦にまわりましたが無念の敗退となりました。決勝戦へ駒を進めた西潟は序盤から攻めてリードしていましたが残り3秒でポイントを奪われまさかの敗退となり準優勝となりました。

詳細については下記の通りです。

初日

66kg級

1回戦

前野 一本
(帯取返)
岩舘
(札幌大学2年)

2回戦

技有
(背負投)
細川
(天理大学4年)
前野 僅差
(指導3)
森下
(了徳寺学園)

3回戦

GS僅差
(指導1)
磯田
(国士舘大学1年)
前野 有効
(背負投)
竪山
(鹿屋体育大学3年)

4回戦

一本
(袖釣込腰)
小倉
(了徳寺学園)

準決勝戦

GS
(反則負け)
西山
(日本体育大学2年)

準決勝戦の相手は日頃から練習を行い手の内を知っている西山選手(右組)との対戦。
開始より引手(左手)を持ち合うも釣手(右手)が取れない。組手争いが続くなか、上は「背負投」や「大内刈」と攻めていく。相手は1分を過ぎたあたりから上の引手(左手)を持たせまいと徹底的にガードし、釣手(右手)を取りにきたところに「袖釣込腰」を仕掛けてくる。
手の内を知っているだけに両者とも得意のかたちになれず組手争いが続く。試合時間もあっという間に過ぎ、5分間では決着せずゴールデンスコア(延長戦)へ突入。
ゴールデンスコアの開始より上は「袖釣込腰」や「背負投」などで攻撃を仕掛けていく。徐々に上のペースになり、あと一息で勝負が着くと思われたが、開始1分20秒となったところで低い「背負投」を仕掛け相手が上の背中をまたぐようにかわしたところでとっさに相手の右足をつかんでしまう。その後、審判員の合議の結果「下半身への攻撃」とみなされ無念の「反則負け」となり3位決定戦へまわった。

3位決定戦

技有
(背負投)
竪山
(鹿屋体育大学3年)

3位決定戦の対戦相手は、若手有望選手のひとりである竪山選手(左組)。
ケンカ四つとなる両者は釣手(上:右手、相手:左手)で相手の動き制しようとする。上は下から突き上げるように持ち、相手はあげさせまいと上から肘を立て、さらに上の釣手(右手)の内側へ差し込んでくる。それでも上は持ち前の柔軟性と組手の技術を生かし相手の肘を抜きながら釣手(右手)上げていく。徐々に上の間合いになりだし後退してしまう相手。開始1分30秒、不用意に場外へ出た相手に「指導1」が宣告。直後、相手が左側へ移動しながら背後に回ろうとした瞬間に低い「背負投」を仕掛け相手はこらえることができず「技有」を奪う。その後、相手の追い上げもかわして試合終了。3位入賞を決める。

73kg級

2回戦

齋藤 有効
(足 払)
佐野
(京都府警察)

81kg級

2回戦

海老 一本
(背負投)
松本
(陸上自衛隊)

3回戦

海老 技有
(背負投)
佐藤
(国士舘大学2年)

4回戦

海老 一本
(大外刈)
渡邉
(東海大学4年)

敗者復活戦

海老 一本
(背負投)
山邊
(自衛隊体育学校)

3位決定戦

海老 僅差
(指導2)
長島
(日本中央競馬会)

敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦へ進んだ海老の対戦相手は東海大学の時の同級生でもある長島選手(左組)。
開始よりお互いに引手(右手)で襟をつかみ自分の間合いをつくる。そこから相手は釣手(左手)で奥襟を持ちながら「大内刈」を仕掛けてくる。対する海老は「巴投」から「寝技」へ移行しチャンスをうかがう。1分過ぎ、奥襟をつかまれ頭が下がった海老に対し「指導1」が宣告。なおも相手は奥襟をつかんで引き寄せてくる。海老は持たれた奥襟を引手(右手)で左方向へ押し込む。体勢くずれた相手は元へ戻ろうとする。ここを狙いタイミングよくしゃがみ込んで「背負投」に入るもポイントならず。その後、相手の攻撃を受けてしまい、残り1分10秒で2つ目の「指導」を受ける。残り時間も少なく何とかポイントを奪おうと攻めるも、及ばず5位となった。

2日目

90kg級

2回戦

穴井 一本
(腕拉十字固)
國分
(陸上自衛隊)

3回戦

穴井 GS僅差
(指導3)
村上
(天理大学4年)

4回戦

穴井 僅差
(指導2)
地崎
(國學院大学4年)

準決勝戦

穴井 僅差
(指導2)
西山
(新日鐵住金)

ここまですばらしい試合運びで勝ち上がってきた穴井(右組)の対戦相手は、2010年世界柔道選手権2位の西山選手(左組)。
ケンカ四つの組手となる両者は、釣手(穴井:右手、相手:左手)でけん制しながら攻撃のタイミングを計っている。先に穴井が「背負投」や逆の「一本背負投」を仕掛けていく。相手も不十分ながら「大内刈」や「内股」で応戦してくる。お互いに十分な組手になれず時間は経過し、開始より2分が過ぎたところで両者に「指導1」が宣告。
その後も組手争いに時間を費やし、残り時間は1分30秒。状況を変えようと引手(左手)で持つところを襟に変え、両襟の状態で「内股」や「体落」を仕掛けていく。残り1分少々のところでお互い持ち合い、先に相手が「大内刈」から「内股」への連続攻撃にくる。穴井は相手の「内股」を右に腰をきるようにして右足をいったん、自分の左足へ寄せて相手の左足をかわして「払腰」を掛ける。勢いよく倒れるも腹ばいでポイントなし。ラスト1分を切り相手は攻めるペースを上げ、どんどん「大内刈」「内股」「大外刈」等の技を仕掛けてくる。後手に回る穴井に対しラスト30秒に2つ目の「指導」が宣告。後がない穴井は前にでるも試合終了となり、3位決定戦にまわる。

3位決定戦

穴井 僅差
(指導1)
大辻
(日本エースサポート)

準決勝戦では後一歩のところで負けてしまった穴井(右組)は気持ちを切り替え3位決定戦に臨む。対するは粘り強いスタイルの大辻選手(左組)。
序盤から穴井は釣手(右手)で相手の釣手(左手)を上から制して「小内刈」や「内股」と攻め込む。相手は、穴井の圧力を感じ後退しながら「巴投」や「背負投」を仕掛ける。積極的に前にでていく穴井に対し相手は下がってしのぐというような展開に。そして、開始2分30秒に相手が後退しながら「巴投」を掛けると「掛け逃げ」とみなされ「指導1」が宣告。穴井のペースで試合は進み、残り1分を切る。何とか流れを変えようと、相手は釣手(左手)を背中にまわして接近戦を仕掛けようとするも穴井はさばく。そのまま5分間の試合が終わり「指導」1つの差で穴井が勝利し3位入賞を果たす。

100kg級

1回戦

羽賀 一本
(送襟絞)
吉永
(新日鐵住金)
増渕 一本
(小内刈)
渡辺
(山梨学院大学1年)

3回戦

羽賀 僅差
(指導2)
下和田
(京葉ガス)
増渕 一本
(合 技)
宮崎
(神奈川県警察)

4回戦

羽賀 一本
(内 股)
小林
(ALSOK)
増渕 一本
(小外刈)
浅沼
(国士舘大学4年)

準決勝戦

羽賀 一本
(送襟絞)
ウルフ
(東海大学1年)

圧倒的な内容で勝ち上がってきた羽賀(左組)の相手は大学の後輩であるウルフ選手(左組)。腕力が強く接近戦を得意とする。
開始より相手が詰め寄ることを想定している羽賀は引手(右手)で相手の脇を持って距離を保ち前傾姿勢の相手の足を内側から払って相手のバランスを崩す。開始1分30秒が経過しなかなか組もうとしない相手に対し「指導1」が宣告される。その後は羽賀が釣手(左手)で奥襟を持ち有利な状態で試合を進める。残り2分となったところで両者奥襟を持ち合い羽賀は姿勢を起こして、相手はスタンスを広く構え右に体を開き前傾姿勢で変則的なスタイルで防御態勢をとる。この状況で羽賀は右にステップをして相手の左足を内側から払うと相手はたまらず四つん這いの態勢になる。次の瞬間、釣手(左手)でそのまま「送襟絞」に入り相手は「参った」のタップをする。隙のない戦いぶりで決勝戦へ進出を決める。

増渕 僅差
(指導3)
高木
(日本中央競馬会)

ここまで全て一本勝ちで勝利をあげ順調に勝ち進んだ増渕(左組)の対戦相手は、世界柔道選手権出場経験をもつ実力者の高木選手(右組)。
ケンカ四つの両者は開始より釣手(増渕:左手、相手:右手)の取り合いが続く。両者とも引手(増渕:右手、相手:左手)が持てず、釣手のみで「内股」や「体落」を掛けあう。開始1分30秒、技の攻防が少ない両者に「指導1」が宣告。さらに、2分20秒にも両者に2つ目の「指導」が宣告。試合の展開は変わらずお互いに組手争いをしていたように見えたが残り1分を切ったところで増渕に対し3つ目の「指導」が宣告。
その後、増渕は距離を詰めて「内股」「大内刈」「大外刈」と攻めたてるも試合終了。
3位決定戦へまわることになった。

3位決定戦

増渕 技有
(小外掛)
小林
(ALSOK)

準決勝戦では微妙な判定に涙を飲んだ増渕(左組)だったが、気持ちをコントロールして3位決定戦に臨む。対するは技のキレも良く組手においても非常にレベルの高い小林選手(右組)。
ケンカ四つの組手になる両者は釣手(増渕:左手、相手:右手)で距離をとる。開始30秒、動きのない両者に対し「指導1」が宣告。増渕は釣手(左手)で奥襟をつかむとすぐに引手(右手)で相手の左上腕あたりをつかみ、引き寄せる。組まれてしまっては分が悪いと相手はすぐに離れる。両者とも組み合うことができずに開始2分10秒に2つ目の「指導」を受け、さらに3分20秒では指を組み合ったとして3つ目の「指導」が両者に宣告される。どちらも次に「指導」を取られると「反則負け」となってしまう。相手は残り1分でペースを上げて組手不十分ながら「内股」や「大内刈」を仕掛けてくる。ベテランの増渕は相手の心理を読み、前に追ってくるところにしゃがんで「一本背負投」を掛けて応戦する。さらに増渕は釣手(左手)で奥襟をつかみ引手(右手)で袖を持つと相手は頭を下げて棒行姿勢をとる。「内股」に入ろうとすると相手は防ぐために後方へ重心を掛ける。ここを逃さず「小外掛」を仕掛ければこらえきれず背中をつき「技有」ポイントを奪う。そして試合終了。3位入賞を果たす。

決勝戦

羽賀 技有
(内 股)
高木
(日本中央競馬会)

決勝戦まで安定した内容で勝ち上がってきた羽賀(左組)。対するは高校、大学の1つ上の先輩にあたる高木選手(右組)。
お互いの攻め手を知っている両者はけん制し合う静かな立ち上がりだが、1つのミスも許されないといった緊張感が伝わってくる。組んでの攻防がない両者に対し、開始45秒と2分に「指導」が宣告される。お互いに引手(羽賀:右手、相手:左手)がもてず片手からの攻撃のみの状態が続く。残り2分を切ったところで相変わらず引手の取り合いをしていた時に相手は羽賀の右手の指をつかみそのまま「大内刈」で追っていき「内股」へと変化させると、羽賀はバランスを崩し、畳に落ちてしまい「技有」のポイントを奪われてしまう。ここからリスク覚悟で距離をつめて「内股」や「大内刈」と攻めていく。防戦一方の相手に対し、ラスト30秒で3つ目の「指導」が宣告。
その後も羽賀の猛攻は続くが及ばす、試合終了。準優勝にとどまる。

100kg超級

2回戦

上杉 GS僅差
(指導2)
佐藤
(日本大学1年)
百瀬 僅差
(指導2)
奥村
(日本エースサポート)
西潟 一本
(支釣込足)
小野
(新日鐵住金)

3回戦

百瀬 一本
(大外刈)
増田
(新日鐵住金)
西潟 一本
(浮 落)
尾原
(筑波大学2年)

4回戦

百瀬 反則
(指導4)
上田
(明治大学3年)
西潟 一本
(支釣込足)
五十嵐
(東海大学4年)

準決勝戦

百瀬 僅差
(指導2)
西潟

準決勝戦は西潟(左組)と百瀬(右組)の当部同士対決となった。
開始より西潟は釣手(左手)を積極的に伸ばしてつかみにいく。百瀬は前に出てくる西潟の鎖骨付近を釣手(右手)で抑えて距離を保つ。西潟は釣手(左手)で奥襟を持つと引手(右手)は襟をつかみ引き寄せて間合いを詰める。徐々に百瀬の頭は下がり防御姿勢になり開始1分30秒に「指導1」を受け、さらに2分30秒には不用意に場外へでたとして2つ目の「指導」が宣告される。その後もお互いに攻め手なく試合終了。「指導」の差により西潟の決勝戦進出が決まり、百瀬は3位決定戦へまわる。

3位決定戦

百瀬 反則
(指導4)
佐藤
(日本大学1年)

準決勝戦では敗れ3位決定戦にまわった百瀬(右組)の対戦相手は、若手の佐藤選手(右組)。100kg超級の中では小さいが運動量が豊富でペースをつかむのが難しい相手である。
相四つの組手になる両者。相手はどんどん釣手(右手)で奥襟を取りにくる。対する百瀬は持たれても引手(左手)でずらし、自分の形にもっていく。十分に組んだ百瀬は「足払」などを使って相手に圧力をかけていく。後退するしかなくなった相手は場外に出て場内に戻れず「指導1」を受ける。その後はお互いに攻めることができずに開始1分と3分10秒に「指導」を受ける。相手は「指導」の累積が3つとなり後がなくなる。残り時間も2分を切り相手は組手不十分ながら積極的に「大内刈」や「大外刈」を仕掛けて攻撃をしてくる。残り40秒となったところで消極的な百瀬に対し3つ目の「指導」が宣告され累積で並び両者とも後がなくなった。その後も相手のペースは落ちず前にでて百瀬を場外際まで押し込んでくる。残り時間20秒を切ったところだったが場外に押し込まれた百瀬が場内に戻れず4つ目の「指導」を受けてしまい「反則負け」。5位という結果となった。

決勝戦

西潟 有効
(大内刈)
岩尾
(京葉ガス)

ここまで安定した戦いぶりで勝ち上がってきた西潟(左組)。対するは接近戦を得意とする岩尾選手(左組)が勝ち上がってきた。
開始より両者は相手の様子をうかがうことなく歩み寄り、お互いに奥襟を持ち合う。
体格で勝る西潟は奥襟を持たれても動じず前に出て圧力を掛けていく。前には出るが技が出ないため、開始50秒に両者「指導1」を受ける。その後も両者技が出ず開始2分に2つ目の「指導」が宣告。徐々にではあるが西潟のぺースになりはじめ「支釣込足」などの技を仕掛けて攻めていく。残り2分となったところで消極的な相手に対し3つ目の「指導」が宣告される。後がなくなった相手は距離を詰めて「大内刈」や「払腰」を仕掛けてくる。しかし、西潟はどっしりと受けて動じない。時間は経過しラスト30秒を切り西潟の初優勝が見えてきた。そしてラスト10秒。相手は玉砕覚悟で接近し「払腰」を掛けてくる。これに対し西潟は後ろへ返そうとするも不発。再度、「払腰」を掛けようとしたところで西潟はもう一度後ろへ返そうと後方へ重心を乗せたところで左回転をし「大内刈」に切り返すと西潟はバランスを崩し倒れ「有効」を奪われる。残り時間3秒で逆転を許し後一歩のところで初優勝を逃す。

最終結果

60kg級

優勝 山本 浩史(ALSOK)
2位 木戸 慎二(パーク24)
3位 青木 大(日本体育大学)
3位 藤阪 泰恒(足立学園高校)

66kg級

優勝 阿部 一二三(神港学園高校)
2位 西山 祐貴(日本体育大学)
3位 上 智史(旭化成)
3位 吉田 惟人(神奈川県警察)

73kg級

優勝 西山 雄希(了徳寺学園)
2位 橋本 壮市(パーク24)
3位 西岡 和志(京葉ガス)
3位 土井 健史(天理大学)

81kg級

優勝 渡邉 勇人(東海大学)
2位 丸山 剛毅(天理大学)
3位 長島 啓太(日本中央競馬会)
3位 中園 史寛(東海大学)

90kg級

優勝 西山 大希(新日鉄住金)
2位 長澤 憲大(東海大学)
3位 穴井 航史(旭化成)
3位 小林 悠輔(筑波大学)

100kg級

優勝 高木 海帆(日本中央競馬会)
2位 羽賀 龍之介(旭化成)
3位 増渕 樹(旭化成)
3位 ウルフ アロン(東海大学)

100kg超級

優勝 岩尾 敬太(京葉ガス)
2位 西潟 健太(旭化成)
3位 佐藤 和哉(日本大学)
3位 高橋 和彦(新日鐵住金)

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