第47回平和カップ広島柔道大会

一般1部 強豪チームを撃破し2年ぶり 優勝
一般2部 決勝戦で惜しくも破れ 準優勝

3月29日(日)広島県/東区スポーツセンターにおいて『第47回平和カップ広島柔道大会』が行われ、当部より、一般1部・2部にそれぞれ1チームが出場しました。

最終結果をご報告させていただきます。

一般1部

予選リーグ1

旭化成 4-0 愛媛県警
野田 ○ 僅差
(指導3)
河坂
上杉 引分 影野
土屋 ○ 僅差
(指導2)
髙橋
○ 一本
(内股)
中村
百瀬 ○ 一本
(足車)
大西

予選リーグ2

旭化成 4-0 岡山商科大学
野田 ○ 一本
(払腰)
伊折
上杉 ○ 一本
(内股)
松村
土屋 ○ 一本
(内股)
梶田
引分 鈴木
百瀬 ○ 技有
(大外刈)
河合

決勝トーナメント

旭化成 1-0 パーク24
野田 引分 中井
上杉 引分 藤井
土屋 引分 渡辺
垣田 引分 北野
百瀬 ○ 有効
(大外刈)
羽沢

準決勝戦

旭化成 3-1 東海大学
野田 引分 古居
上杉 ○ 技有
(払釣込足)
近藤
土屋 一本 ○
(大外刈)
阪本
垣田 ○ 有効
(巴 投)
上林山
百瀬 ○ 一本
(足 車)
中野

準決勝戦の対戦相手は全日本学生7連覇中の強豪東海大学。
先峰を任されたのは野田(右組)。対するは古居選手(左組)。
チームに良い流れを作る重要なポジションを任された両者は開始より激しい組手争いをする。ケンカ四つになる両者は、釣手(野田:右手、相手:左手)で間合いを取る。野田は体勢を低くし前に出て圧力を掛けて押し返してくるタイミングで【体落】を狙う。その後、互いに十分に組むことができずに先鋒戦は時間が過ぎ【引分】となる。

次鋒は上杉(右組)。対するは190cmを超える近藤選手(右組)。
開始より相手は引手(左手)で襟を掴み、釣手(右手)で奥襟をつかみにくる。上杉は持たれても守ることなく前に出てプレッシャーを掛ける。開始30秒、押し込みながら【送足払】を仕掛け大きな相手が崩れ落ちるもポイントならず。その後、上杉は釣手(右手)で奥襟をつかみ相手の頭を下げさせもう一度【送足払】。今度はしっかり崩れ【技有】を奪う。その後も流れを変えることなく試合終了。貴重な先取点を挙げる。

中堅には土屋(左組)。対するは阪本選手(左組)。
相四つの組手になる両者は引手(右手)から持ちにいき、脇を突いて間合いを取る。先制したのは土屋。引手(右手)を持ち右に回りながら左足で【小内刈】を掛けると左体側より倒れ【技有】を奪う。リードされた相手は釣手(左手)の位置を奥襟に変え接近戦を仕掛けてくる。そして、開始1分20秒思い切りよく【大外刈】を掛けられると大きな体が一瞬で崩れ落ち【一本】。逆転を許してしまう。

ポイントをリードされ迎えた副将には垣田(左組)。対するは垣田より二回り程大きい上林山選手(右組)。
逆転された直後の副将戦だが垣田は冷静な表情で開始線に立つ。ケンカ四つの組手になる両者はまず釣手(垣田:左手、相手:右手)から持ちにいく。引手(右手)をつかみ前後に重心を崩しチャンスを伺う。開始50秒、釣手(左手)を持ち引手(右手)で袖をつかみ【巴投】を掛けると130kgある相手は垣田の足を中心に回転し畳に落ち【有効】。リードされた相手は距離を詰め逆転を狙うも巧みな組手で翻弄しポイントリードのまま試合終了。

2-1とリードの大将戦は百瀬(右組)。対するは中野選手(右組)。
後がない相手は開始より前に出てくる。百瀬は引手(左手)で脇を突き、間合いを取る。直ぐに釣手(右手)で襟をつかみ【足払】や【支釣込足】などで相手の体勢を崩す。そして、相手が前に押してくる力を利用し、左方向へ2、3歩ステップし【足車】を掛ければ反応できず速い回転で畳に落ち決勝戦へ弾みをつける見事な【一本】となった。

決勝戦

旭化成 ①-1 新日鐵住金
野田 引分 谷井
上杉 引分 武田
土屋 引分 齋藤
垣田 技有 ○
(帯取返)
後藤
百瀬 ○ 一本
(大外返)
酒井

決勝戦の対戦相手はライバルチームである新日鐵住金。
先鋒は野田(右組)。対するは新人の谷井選手(右組)。
緊張感漂うなか試合開始。相四つの組手になる両者は引手(左手)で手首付近の袖をもち絞り込む。開始30秒、野田に対し袖口を持ったとして【指導1】。開始1分には不用意に場外へ出たとし【指導2】が宣告。指導の差が2つ以上で負けとなるため何としても巻き返したい。仕切り直して相手に詰め寄り、組みにいくと距離を取りたい相手は逆襟をつかみ、間合いを取ろうとするが正しい組み方ではないため【指導1】が宣告。その後は、互いに攻め手を欠き【引分】となる。

次鋒は上杉(右組)と武田選手(左組)。81kg級と体は小さいが運動量が豊富で容易な相手ではない。
開始より上杉は相手に向かって組みにいく。組まれてしまっては分が悪い相手は組手を嫌い距離を保つ。開始30秒、組み合わない相手に対し【指導1】が宣告。その後、釣手のみ持ち、引手を取らせないように動きまわる。しっかり組み合いたい上杉も前にでてプレッシャーを掛け続けるが、技に入れず時間は過ぎ試合終了。次鋒戦も【引分】。

ここまで引分けの状態で迎える中堅は土屋(左組)。対するはベテラン齋藤選手(右組)。
緊迫した展開の中で始まったが開始より土屋は前に出て積極的に足技を仕掛ける。相手は組手がうまく十分に組むことが難しいが不十分な状態でも【内股】を仕掛け、有利に試合を運びたい。しかし、団体戦の戦い方を熟知している相手は一方的な展開にはさせてくれずポイントを奪えないまま試合終了。中堅戦も【引分】に終わる。

先制したい副将戦は垣田(左組)の登場。対するは新人の後藤選手(左組)。
旭化成としてはポイントゲッターの垣田で勝利を挙げて大将に繋ぎたいところ。開始より前に出て組みにいく。開始15秒、相手が掛けた【払腰】を返すもポイントならず。垣田は組み際に【大内刈】など仕掛けペースをにぎる。有利の展開が続く中、引手(右手)で襟をつかみ上下に振りながら空いたスペースに入り込んで【一本背負投】を仕掛ける。勢いよく入り過ぎて相手の左側に抜けてしまう。ここで動きが止まるかに思われたが相手は左手で垣田の帯を持ち正面に回り込んで【帯取返】を掛ければ対応できず回ってしまい【技有】を奪われる。この時点で残り1分30秒。必死で追い込みラスト55秒、15秒、7秒で【指導】を3つ奪うも試合終了。優勢負けとなり追う立場となる。

最後に登場するのは百瀬(右組)。対するは190cm、120kgと大柄な酒井選手(右組)。
技有ポイント以上で勝利しなければチームは敗退となる。『はじめ』の合図とともに相手に詰め寄り引手(左手)で袖を持ち、すぐに釣手(右手)をつかみにいく。百瀬の前に出ようとする気迫と巧みな組手により相手は防戦一方。開始1分30秒に組み合わない相手に【指導1】。さらに開始2分15秒、偽装攻撃を仕掛け【指導2】。百瀬は組み際に【大内刈】や【大外刈】を仕掛け相手を追い詰める。百瀬のプレッシャーに場外を背にして戦う相手は不用意に場外に出て【指導3】となる。残り時間1分10秒。後1つ指導を奪えば逆転でチームの優勝となる。ここからさらにギアを上げて相手に向かっていく。そして、残り30秒、【小外掛】から【大外刈】と繋げ場外際へ追い込む。相手は反則を受けまいと苦し紛れに【払腰】を掛けてきたところを後方へ返し背中から畳に落し審判の判定は【一本】。見事な逆転勝利で3年ぶりの優勝を果たす。

一般2部

予選リーグ1

旭化成 4-1 岡田道場
小林 ○ 一本
(支釣込足)
岡森
齋藤 ○ 一本
(大内刈)
東山
西田 ○ 一本
(内股)
  不戦負 ○ 本岡
前野 ○ 一本
(横四方固)
岡田

予選リーグ2

旭化成 4-1 名城大学B
小林 ○ 一本
(大外刈)
藤原
齋藤 ○ 反則
(指導4)
粕谷
西田 ○ 技有
(内股)
鈴木
  不戦負 ○ 小林
前野 ○ 有効
(内股)
山本

決勝トーナメント1

旭化成 4-1 日本文理大学A
小林 ○ 一本
(大外刈)
若杉
齋藤 ○ 一本
(小外刈)
西田 ○ 技有
(小内刈)
長谷川
  不戦負 ○ 前田
前野 ○ 一本
(払 腰)
樋口

決勝トーナメント2

旭化成 2-1 鹿屋体育大学A
小林 ○ 一本
(浮落)
徳永
齋藤 ○ 有効
(体落)
安部
西田 引分 関根
  不戦負 ○ 飛松
前野 引分 荒巻

準決勝戦

旭化成 3-2 日本中央競馬会
小林 ○ 僅差
(指導2)
片岡
齋藤 ○ 一本
(足 払)
山本
西田 ○ 不戦勝  
  不戦負 ○ 石井
前野 技有 ○
(大外刈)
池田

2部準決勝戦の対戦相手は他のチームを圧倒して勝ち上がってきた日本中央競馬会となった。2部については段数制限(15段以内)あり。
まず先鋒には小林(左組)。対するは片岡選手(左組)。小林より一回り小さいが技のキレはあなどれない。この先鋒戦は何がなんでも勝ちたいところ。開始より気迫十分の小林は引手(右手)で襟を持ち【足払】を掛けながら釣手(左手)をつかみにいく。開始30秒、消極的な相手に対し【指導1】が宣告。その後も小林は【大内刈】から【大外刈】と連続技で攻めたてる。防戦一方の相手に開始1分40秒と2分40秒に【指導】が宣告され累積の指導が3つとなる。残り1分を切りさらに小林はギアを上げ前に圧力を掛けていく。このまま終わると思われたが残り30秒で【足払】を仕掛けると【燕返し】で返されて【技有】を奪われる。ここから小林の怒涛の攻撃で攻め、ラスト10秒で掛けた【大外刈】で投げ【技有】を奪い返し貴重な勝利を挙げる。

次鋒にはプレイングコーチ齋藤(右組)の登場。対するは90kg級の実力者である山本選手(左組)。
チームとしては何とか【引分】に持ち込みたいところ。開始より組手争いを繰り広げ相手に的を絞らせないように前後左右に動く。開始15秒に予想だにしなかった展開が待っていた。釣手(右手)と引手(左手)を持った齋藤は右足で【足払】を仕掛け、払った右足が畳に着くと同時に左足で【払釣込足】を掛ければ相手は反応できずきれいに畳に落ち【一本】の宣告。実力者に勝利しさらにチームの勝利を決めるすばらしい一本勝ちだった。
中堅は相手チーム選手がいないため、不戦勝。

副将は旭化成の選手がいないため、不戦負け。

大将にはチームで一番小柄な前野(右組)。対するは90kg級で実業団優勝経験のある池田選手(左組)。
開始より一矢報いようと積極的に攻めてくる。前野は距離を詰めて戦おうとする相手を持ち前のステップワークで巧みにかわしながら前にでてくるところに低くしゃがんで【背負投】などを仕掛ける。開始1分となるところ【大外刈】を受けてしまい【技有】を奪われる。その後は相手に的を絞らせず縦横無尽に動き回り前野が試合をコントロールしていたが及ばす優勢負けとなった。

決勝戦

旭化成 2-3 国士舘大学A
小林 ○ 反則
(指導4)
宮川
齋藤 ○ 反則
(指導4)
片山
西田 技有 ○
(払腰返)
寺尾
  不戦負 ○ 小川
前野 一本 ○
(小外掛)
甲斐

決勝戦は学生柔道界の名門国士舘大学との対戦となった。
両チーム整列をするとまず体格差に驚く。国士舘大学は重量級で編成されており、どのようにして旭化成の軽量級選手が戦うのか見ものである。
まず先鋒は小林(左組)。対するは宮川選手(右組)。
ケンカ四つの組手になる両者、小林は釣手(左手)を相手の釣手(右手)の上から抑えるようにもち左右にステップをしながら相手の体勢を崩し引手(左手)をつかむ。そして、【体落】や【大外刈】【払腰】を仕掛ける。防戦一方の相手に対し開始1分40秒と2分20秒に続けて【指導】が宣告される。試合時間も残り1分。さらに小林はギアチェンジし、足技を機転として【大外刈】や【内股】に繋げて攻める。そして、ラスト40秒、10秒に続けて【指導】が与えられ【反則勝ち】。貴重な1勝をつかみとる。

次に登場するのは次鋒の齋藤(右組)。対するは体重130kg、身長190cmある片山選手(左組)。体重差は約50kg。
齋藤は引手(左手)をつかみ、その手を相手の体へ押し込むようにして大きな相手をコントロールする。小柄な齋藤は組手のスピードと巧みな技術で翻弄し、大きな相手は後ずさりをする。そして開始40秒、場外に出た相手に【指導1】。なおも齋藤はスピードある組手で相手を制する。しかし、引手(左手)の持つ位置が袖口持っていると見なされ開始1分と1分40秒に【指導】。【指導】を続けて取られたが試合を制しているのは齋藤。持つ位置をずらし攻める。開始2分10秒に消極的な相手に【指導2】。その40秒後にさらに【指導3】。試合時間も残りわずか。休むことなく【小外刈】、【大外刈】で攻め、主審は「待て」を宣告。両副審を呼び合議。そして、相手に【指導4】が宣告され【反則勝ち】。リードを広げる。

中堅は西田(左組)。対するは寺山選手(右組)。勝って優勝を決めたいところ。
西田より大きい相手は釣手(右手)で襟ではなく背中をつかみ、西田の左側に体を密着させ距離を詰めてくる。西田は釣手(左手)で距離を取り【足払】など足技で相手を崩す。開始50秒、相手の釣手(右手)をさばくために右方向へ回りながら引手(右手)をつかみ【大外刈】を仕掛けケンケンで追っていく。しかし、相手に腰を抱かれてしまい後方へひねり倒され【技有】を奪われる。時間は3分残っているため、冷静に開始線へ戻る。その後も相手は西田の掛ける技を返そうと背中を持ってくるが組手でさばきながら【内股】や【大内刈】で攻める。残り2分に消極的な相手に【指導1】。残り40秒に【指導2】。なおも攻めるが試合終了。惜しくも優勢負けとなった。

中堅は不戦負け。

最後は66kg級の前野(右組)。対するは100kgを超える甲斐選手(左組)。【引分】で旭化成の優勝となる一戦。
開始より相手は釣手(左手)で背中を持ち密着して前野の動きを止め場外に押し込もうとする。左右にかわすも開始30秒に場外に出たとして【指導1】。前野は釣手(右手)を上下に動かし相手を揺さぶりながら【内股】で投げにいく。動きを止めて接近戦をしたい相手は突進してつかみにくる。その力を利用し相手の股の中にしゃがみ込んで【背負投】や【巴投】を掛けて会場を沸かす。そして受けにまわった相手に対し開始1分20秒【指導1】が宣告。焦る相手は前傾姿勢で突進して押し込んでくる。場外際での戦いとなり左右に動きさばいていたがタイミングよく【小外刈】を掛けられクルリと回り【有効】。残り試合時間は2分。大きな相手との戦いで前野の体力も削られているがポイントを取り返すため【内股】や【背負投】で攻める。残り1分を切り前野が仕掛けた【内股】を受けられ戻り際に【小外掛】を仕掛けられ、背中から畳に落ち【一本】。負けたものの大健闘の選手に拍手が送られた。

最終結果

一般1部

優勝 旭化成
2位 新日鐵住金
3位 東海大学
3位 京葉ガス

一般2部

優勝 国士舘大学A
2位 旭化成
3位 明治大学
3位 日本中央競馬会
2年ぶりに優勝した一般1部
準優勝の一般2部

旭化成 陸上部