平成27年全日本選抜柔道体重別選手権大会

73kg級 大野 準決勝敗退 3位!
90kg級 吉田 決勝進出も敗退 準優勝!
100kg級 増渕と羽賀 準決勝敗退 3位!
100kg超級 西潟 ついに日本の頂点 優勝!!
王子谷 同門対決に敗れ 準優勝!

4月4日(土)・5日(日)に福岡県/福岡国際センターにおきまして『全日本選抜柔道体重別選手権大会』が行われました。

今大会は8月にカザフスタン/アスタナにて行われます、世界選手権大会の最終選考会となっております。

詳しい試合内容をご報告させていただきます。

66kg級

1回戦

高上 僅差 ○
(指導2)
竪山
(鹿屋体育大学)

73kg級

1回戦

大野 ○ 有効
(内股)
中村
(大阪府警)

準決勝戦

大野 有効 ○
(大外刈)
橋本
(パーク24)

大野(右組)の対戦相手は橋本選手(右組)。運動量が豊富で奇襲攻撃など得意とする。
相四つの組手となる両者は、大野は引手(左手)から持ちにいき、対する相手は釣手(右手)から持つ。積極的に動く相手とは対照的に大野は落ち着いて相手の動きをみる。大野はゆったり構え釣手(右手)と引手(左手)を持とうとするが組み合っては不利とみる相手は組んでの攻防を避ける。そんな相手に対し開始1分少々で【指導1】が宣告。大野有利かと思われたその直後、組手争いをしていると釣手(右手)を持った相手が組際に逆の【大外刈】を掛け意表を突かれた大野は左体側より畳に落ち【有効】を奪われる。ポイントリードした相手は徹底的に大野の引手(左手)をマークし持たせない。
強引に手を伸ばし組みにいくと低い【背負投】を掛け大野に展開を作らせない。残り2分を切り前に出てプレッシャーを掛けていくと残り1分20秒に相手に対し2つ目の【指導】が宣告。その後も相手を追い続けラスト10秒で3つ目の【指導】を奪うも反撃及ばず。まさかの準決勝敗退となる。

81kg級

1回戦

海老 僅差 ○
(指導2)
渡邉
(了徳寺学園)

90kg級

1回戦

吉田 ○ 僅差
(指導2)
大辻
(日本エースサポート)
穴井 僅差 ○
(指導2)
西山
(新日鐵住金)

準決勝戦

吉田 ○ 一本
(内股)
西山
(新日鐵住金)

準決勝戦の対戦相手は西山選手(左組)。2010年世界選手権で銀メダルを獲得している強豪選手である。
開始より吉田(右組)は相手に向かい釣手(右手)をつかみ【足払】。ケンカ四つの組手になる両者は引手(吉田:左手、相手:右手)が持てず膠着する。開始1分に吉田に対し【指導1】が宣告。その直後、釣手(右手)で襟をつかみ、引手(左手)で袖をつかむと右にフェイントをいれ相手の足が止まった瞬間に股の中に飛び込んで【内股】に入ればきれいな円を描き【一本】。決勝戦へ弾みをつけた。

決勝戦

吉田 技有 ○
(払巻込)
ベイカー
(東海大学)

決勝戦は昨年と同じくベイカー選手(右組)との対戦となった。
落ち着いた表情で畳に上がる吉田(右組)と対照的に気合い十分のベイカー選手。開始より前に出たのは吉田。まず引手(左手)で脇を持ち距離を保つ。そして、釣手(右手)で襟をつかむ前後左右に動かし相手はたまらず前のめりにつぶれる。相手は吉田の釣手(右手)を嫌い、左足を一歩引いて体勢低く構える。両者技が出ず開始1分40秒【指導1】が宣告。その後、相手は吉田の釣手(右手)を持たせないように引手(左手)で下方向に押し込む。一度離れて仕切り直ししたいが握る力が強く離れない。相手は引手(左手)を絞り込んだまま釣手(右手)で奥襟をつかもうとするも吉田は左手でかわす。すると次の瞬間、相手は奥襟を持つフェイントを見せながら左にクルリと回転し吉田の右手を両手でがっちりとつかみ【払巻込】。不意を突かれた吉田は右体側から落ち【技有】を奪われる。残り2分少々。逆転を信じる応援席から一段と大きな声援が送られる。その声に奮起する吉田は【体落】や【背負投】で攻めていく。ブザーが鳴るまで前にでて攻めたが及ばず無念の敗退となった。

100kg級

1回戦

羽賀 ○ 僅差
(指導3)
浅沼
(センコー)
増渕 ○ 一本
(内股)
ウルフ
(東海大学)

準決勝戦

羽賀 一本 ○
(小内巻込)
熊代
(ALSOK)

準決勝戦の対戦相手は昨年同大会で敗れた熊代選手(左組)との対戦となった。
両者、開始より引手(右手)で脇を突き、それぞれの間合いを確保する。羽賀(左組)続けて釣手(左手)で奥襟をつかむと左足で【足払】を掛け相手を崩す。1分経過し、徐々に羽賀有利の組手になり相手は頭を下げ防御姿勢をとる。羽賀は釣手と引手を持ち組手十分。対する相手は釣手(左手)を持っているが引手(右手)は持っていない。体勢を整え攻撃に移ろうとした瞬間、相手に右の【小内巻込】を掛けられ背中から真後ろに倒れ【一本】。決勝戦進出は果たせなかった。

増渕 一本 ○
(内股)
髙木
(日本中央競馬会)

増渕(左組)の対戦相手は髙木選手(右組)となった。
ケンカ四つの組手になる両者はまず釣手(増渕:左手、相手:右手)での争いとなる。なかなか組み合えず増渕は釣手(左手)のみつかんで【内股】を仕掛ける。お互いに警戒し思い切った技が出せず開始1分10秒に【指導1】が宣告。増渕の釣手(左手)は相手の釣手(右手)の上から持ち引手(右手)をつかんで技を出していきたいところ。お互い引手をつかむ場所にこだわり争っている中で相手が釣手(右手)のみ持った状態で【大内刈】を掛けケンケンで追ってくる。不十分な組手での技だったために容易にかわすかと思われたが、相手は左手(引手)で増渕の右の手のひらを握り【内股】に変化。増渕こらえきれず回転し【一本】。無念の敗退となった。

100kg超級

1回戦

西潟 ○ GS一本
(浮落)
岩尾
(京葉ガス)
王子谷 ○ 僅差
(指導2)
高橋
(新日鐵住金)
百瀬 僅差 ○
(指導3)
原沢
(日本中央競馬会)

準決勝戦

西潟 ○ 僅差
(指導3)
七戸
(九州電力)

西潟(左組)の対戦相手は昨年の世界選手権大会100kg超級で銀メダルを獲得し、現在この階級国内トップである七戸選手(右組)との対戦となった。
開始より西潟は臆することなく前に出て釣手(左手)を持ち相手にプレシャーを掛ける。距離をつめて戦いたい西潟と一定の距離を保って戦いたい相手。互いに釣手(西潟:左手、相手:右手)を持つ。そのまま引手(右手)を持ちにいくもなかなか持てず。組み合って戦おうとしない相手に対し開始1分40秒、【指導1】が宣告。その後、西潟は引手(右手)で襟をつかみ前に出て【大内刈】や【支釣込足】などで攻める。相手も【大内刈】や【内股】などで応戦。技は出すが技数少なく開始3分、両者に【指導】が宣告。残り時間も2分を切り西潟は守ることなく相手に詰め寄りプレッシャーを与え続け【大外刈】や【支釣込足】で攻める。防戦一方の相手は反撃できず残り40秒に3つ目の【指導】が与えられ、そのまま試合終了。実力者に対し終始ペースを譲らず安定した内容で決勝戦に駒を進める。

王子谷 ○ 有効
(支釣込足)
原沢
(日本中央競馬会)

王子谷(右組)の対戦相手は学生時代よりライバルの原沢選手(右組)となった。
相四つの組手となる両者は引手(左手)を持つがなかなか釣手(右手)が持てない。
組手の争いが続くなか開始50秒、王子谷に対し袖口を持ったとして【指導1】が宣告。
その後は両者とも釣手(右手)で奥襟を持ち合い重量級らしい攻防が続き会場から歓声があがる。王子谷は持ち前のパワーを生かし強引に【大外刈】や【払腰】で攻めていき防御姿勢の相手に対し開始3分で【指導1】が宣告。相手も攻めようと奥襟(右手)を持ち王子谷に寄り掛かるように間合いを詰めてプレッシャーを掛けてきたところに先程から掛け続けている【大外刈】のフェイントを入れ相手の重心が前に傾いたところを【支釣込足】で右に振る。すると相手は左体側より畳に落ち【有効】。残り時間1分40秒。相手は釣手(右手)で奥襟を深く持ち【内股】や【大外刈】を仕掛けてくるもさばく。残り30秒を切り、お互いに【指導】を1つずつ追加するもポイントはなく試合終了。ライバルとの対決を制し決勝戦へ駒を進める。

決勝戦

西潟 ○ 一本
(袈裟固)
王子谷

100kg超級の決勝戦は旭化成同士の対戦となった。西潟(左組)と王子谷(右組)はどちらも安定した勝ち上がりでここまで進んできた。
旭化成同士の対戦ということもあり声援は少なく静寂した状態での開始となった。会場の雰囲気とは違い両者は開始より激しい組手争い。互いに釣手(西潟:左手、王子谷:右手)を持ち合い、西潟は引手で襟をつかみ、王子谷は袖を持つ。先に仕掛けたのは王子谷。得意の【大外刈】、続けて【内股】と攻める。開始1分、消極的な西潟に【指導1】が宣告。その後、互いに攻め合うが十分なかたちでは入れず展開に変化なし。時間は進み、残り1分30秒、互いに釣手を持ち合い、引手の取り合いが続く。このまま試合は進むと思われたとき西潟が右に腰をひねりながら逆の【大外刈】、さらに深く右の【大外刈】を掛けると崩れ落ち、【有効】。そのまま【袈裟固】に入り20秒抑え込んで【一本】。同門対決を制した西潟が悲願の初優勝を飾る。

100kg超で優勝した西潟(右奥)
準優勝の王子谷(左)

最終結果

60kg級

優勝 木戸 慎二(パーク24)
2位 志々目 徹(了徳寺学園)
3位 青木 大(日本体育大学)
3位 大島 優磨(国士舘大学)

66kg級

優勝 海老沼 匡(パーク24)
2位 高市 賢悟(東海大学)
3位 竪山 将(鹿屋体育大学)
3位 阿部 一二三(神港学園高校)

73kg級

優勝 橋本 壮市(パーク24)
2位 土井 健史(ダイコロ)
3位 大野 将平(旭化成)
3位 中矢 力(ALSOK)

81kg級

優勝 永瀬 貴規(筑波大学)
2位 長島 啓太(日本中央競馬会)
3位 渡邉 勇人(了徳寺学園)
3位 丸山 剛毅(パーク24)

90kg級

優勝 ベイカー茉秋(東海大学)
2位 吉田 優也(旭化成)
3位 釘丸 太一(センコー)
3位 西山 大希(新日鐵住金)

100kg級

優勝 髙木 海帆(日本中央競馬会)
2位 熊代 佑輔(ALSOK)
3位 増渕 樹(旭化成)
3位 羽賀 龍之介(旭化成)

100kg超級

優勝 西潟 健太(旭化成)
2位 王子谷 剛志(旭化成)
3位 七戸 龍(九州電力)
3位 原沢 久喜(日本中央競馬会)

2015年世界選手権日本代表

60kg級 志々目 徹(了徳寺学園)
66kg級 海老沼 匡(パーク24)
73kg級 中矢 力(ALSOK)
81kg級 永瀬 貴規(筑波大学)
90kg級 ベイカー茉秋(東海大学)
100kg級 羽賀 龍之介(旭化成)
100kg超級 ※全日本柔道選手権大会後(4月29日)に決定

旭化成 陸上部