第65回全日本実業柔道団体対抗大会

一般1部 Aチーム  見事 4連覇!!
一般2部 旭化成チーム 3位!

6月6日(土)・7日(日)に秋田県秋田市/秋田県立武道館において「第65回全日本実業柔道団体対抗大会」が行われ、当部より一般1部に2チーム、一般2部に1チーム出場しました。

一般1部ではAチームが抜群のチームワークで順当に勝ち上がり決勝戦で新日鐵住金を2-0で下し見事に4連覇を果たしました。

なお、一般1部の秀選手賞に西潟 健太、百瀬 優、王子谷 剛志の3名が選出されました。

試合の詳細については下記の通りご報告いたします。

一般2部

2回戦

旭化成 5-0 近畿通関
西田 ○ 一本
(払腰)
鳥入
小林 ○ 一本
(大外刈)
玖珠
前野 ○ 僅差
(指導2)
窪田
齋藤 ○ 一本
(横四方固)
山川
海老 ○ 一本
(背負投)
砂原

3回戦

旭化成 4-0 東芝B
西田 ○ 一本
(内股)
宮上
小林 ○ 一本
(大外刈)
相馬
前野 引分 丸山
齋藤 ○ 一本
(横四方固)
生田目
海老 ○ 一本
(背負投)
武末

準決勝戦

旭化成 1-2 新日鐵住金
大鋸 引分 小野
小林 技有 ○
(小外刈)
酒井
前野 一本 ○
(背負投)
武田
田中 ○ 僅差
(指導3)
後藤
海老 引分 谷井

2部の準決勝戦の対戦相手は順当に勝ち上がってきた新日鐵住金となった。
3回戦まで先鋒を務めた西田が負傷した為、準決勝より大鋸(右組)が出場。
対するは長身の小野選手(右組)。試合開始より両者は組手での争いが続きなかなか技が出ない。先鋒戦はお互い決め手がなく【引分】となる。

続く次鋒には小林(左組)が登場。対するは長身の酒井選手(右組)。
ケンカ四つの組手となる両者は釣手(小林:左手、相手:右手)で激しく競り合うもたて続けに【指導】を2つ宣告される。開始1分30秒をこえたところから小林の攻撃が続き、2分過ぎに相手に3つ目の【指導】が宣告。ここで勝ちたい小林は前に出ていく。残り1分となるところで相手が「内股」のフェイントから「小外掛」。フェイントに反応してしまい体側より畳に落ち【技有】。その後、追いかけるも試合終了。

中堅には最軽量の前野(右組)。対するは前野より2階級上の武田選手(左組)。
これまでとは違いスピーディーな組手争いとなる。まず前野が釣手(右手)で相手を揺さぶり「内股」で相手を宙に浮きあがらせる。旭化成チームに勝てるのではという雰囲気が流れた次の瞬間に相手が釣手(左手)のみ持った状態から低い「背負投」を仕掛けると小柄な前野が一回転した。そして、審判の宣告は【一本】。背中をついてなかったので抗議したが覆らず無念の敗退。

2点取られての副将には齋藤に代わり田中(左組)が登場。対するは後藤選手(左組)。
開始より田中は積極的な姿勢で相手に向かう。開始1分で相手に2つの【指導】が宣告。そして、2分経たないうちに3つ目の【指導】が宣告。後1つ反則を奪うか、技有以上のポイントがチームの勝利には絶対条件。「背負投」や「巴投」で攻めるがあと一歩及ばず試合終了。僅差よる勝利は挙げたがチームの敗退が決まる。

敗退が決まっての大将戦には海老(左組)が登場。対するは、谷井選手(右組)。
お互い組手が厳しく十分に組み合うことができない状態が続く。この状況でも海老は果敢に投げるチャンスをうかがい「背負投」や片手からの「体落」を仕掛けていく。しかし、相手も態勢を低くし対応する。最後まで積極的に前にでて戦ったが【引分】となり、昨年い続く2部での優勝は果たせなかった。

一般1部

1回戦

旭化成B 2-② 九州電力
土屋 一本 ○
(大外刈)
帆高
引分
野田 反則 ○
(指導4)
七戸(龍)
上杉 ○ 一本
(横四方固)
山本
増渕 ○ 一本
(一本背負投)
七戸(虎)
上杉 一本 ○
(合技)
七戸(龍)

2回戦

旭化成A 5-0 パーク24B
垣田 ○ 有効
(払腰返)
小林
王子谷 ○ 一本
(大外刈)
寺崎
羽賀 ○ 僅差
(指導3)
羽沢
百瀬 ○ 一本
(小外掛)
村上
西潟 ○ 一本
(合技)
吉井

準決勝戦

旭化成A 3-0 日本中央競馬会
西潟 ○ 技有
(浮落)
長島
羽賀 引分 石井
吉田 ○ 僅差
(指導3)
高木
百瀬 ○ 一本
(合技)
山本
王子谷 引分 原沢

4連覇を目指すAチームの準決勝戦は、本年の全日本選手権大会を制した原沢選手を擁する日本中央競馬会との対戦となった。
まず先鋒に登場するのは主将の西潟(左組)。対するは81kg級の長島(左組)。
両者の体格差は歴然。開始より体格で勝る西潟が引手(右手)で襟をつかみ、続けて釣手(左手)で奥襟をつかんで相手の動きを止める。十分に持った西潟は「支釣込足」や「大外刈」を掛けていく。開始58秒と2分24秒に消極的な相手に対し【指導】がそれぞれ宣告。
後半になっても展開は変わらず西潟優勢。残り1分40秒、場外際で「浮落」に入り必死で相手も踏ん張るも体側より落ち【有効】。ポイントをリードしたまま試合終了。貴重な先取点を挙げ、次に繋ぐ。

次鋒を任されたのは世界選手権100kg級代表の羽賀(左組)。対するは、全日本選手権大会2位の実力者、石井選手(右組)。身長も190cm以上と大きく、大外刈には定評がある。
ケンカ四つの組手となる両者は釣手(羽賀:左手、相手:右手)で牽制し合う。羽賀は釣手で距離を保ち、引手(右手)を持つと「大内刈」「小内刈」「内股」と連続で攻める。その後も相手の間合いにならないよう丁寧な組手で相手の動きを制する。そして、試合終了となり【引分】となる。

中堅には90kg級の頼れるエース吉田(右組)の登場。対するは100kg級で全日本選抜大会チャンピオンの高木選手(右組)。
開始早々、吉田は肩越しに奥襟を持ち「隅返」で先制攻撃。階級が上の相手に対しても臆せず引手(左手)を持ち、釣手(右手)で奥襟をつかんで引き寄せ「内股」を仕掛ける。開始1分過ぎに消極的な相手に対し【指導1】。その後、組手争いとなり開始2分19秒、両者【指導】を宣告。組んでの攻防が難しい展開の中でも吉田は「巴投」や低くしゃがんで「袖釣込腰」などでチャンスを狙う。そして、開始3分20秒、消極的な相手に3つ目の【指導】が宣告。このリードを守りきり貴重な2勝目を挙げる。

続く副将には安定感抜群の百瀬(右組)。対するは山本選手(左組)。
ケンカ四つの組手の両者は釣手(百瀬:右手、相手:左手)で牽制。百瀬は釣手を相手の釣手の上から圧力を掛けながら持ちにいく。開始1分、攻撃がない両者に対し【指導1】。
百瀬は慌てず圧力を掛け続けチャンスを待つ。開始1分30秒、場外際で相手が「内股」を仕掛けてきたところを股の中で透かして【技有】のポイントを奪い、そのまま「横四方固」で抑え込み【一本】勝ち。決勝戦進出を決める。

大将は新人の王子谷(右組)の登場。対するは今年の全日本柔道選手権大会チャンピオンの原沢選手(右組)。
両者、開始より奥襟を持ち合い真っ向から組み合う。組み合って前に圧力を掛けていくのは王子谷。場外を背にした相手が「大外刈」を掛け、受け止めて返すもポイントなし。技による攻防は少ないが、組み合っている両者から発する緊張感凄まじい。開始1分30秒、両者に対し【指導1】。その後、お互いに引くことなく「大外刈」や「支釣込足」などを仕掛け投げにいくがポイントには至らず【引分】となる。

決勝戦

旭化成A 2-0 新日鐵住金
百瀬 引分 赤迫
吉田 引分 西山(大)
西潟 ○ 一本
(浮落)
田中
羽賀 引分 高橋
王子谷 ○ 反則
(指導4)
吉永

決勝戦の対戦相手は昨年同様、新日鐵住金となった。ベテランと若手のバランスが良く、総合力は互角と思われ緊迫した戦いが予想される。
決勝戦はアリーナの中心に一試合場を設営し、本部席からみて左側に旭化成、右側に新日鐵住金の陣営を構える。
緊張感高まる中、先鋒戦を任されたのは百瀬(右組)。対するは準決勝戦で貴重な勝利を挙げ、勢いのある赤迫選手(右組)。
身長はほぼ同じだが体重では赤迫選手が20kg程上回る。接近戦は避けたい百瀬は、引手(左手)で相手の脇を突き間合いを取る。1つのミスも許されない雰囲気で両者とも組手争いの時間が長くなる。開始40秒と1分34秒に両者に対し【指導】が宣告。先に展開を変えたのは赤迫選手。緻密な組み方ではなく強引に釣手(右手)で奥襟をつかみ距離を詰めて戦おうとする。突進力のある相手を後退しながら巧くさばきながら自分の間合いを保つ。しかし、開始2分36秒、積極的な展開が見られない百瀬に対し3つ目の【指導】が宣告。残り時間は半分。あと1つ指導を受けると反則負けとなる厳しい状況。百瀬はギアを上げ、さらに厳しい組手を展開し「大内刈」「大外刈」と攻めていく。一進一退の攻防が続きお互いにポイント奪えず【引分】となった。

続く次鋒戦には吉田(右組)。対するは同階級のライバル西山大希選手(左組)。何度も対戦している為、手の内は知り尽くしている。
相手は釣手(右手)で吉田の襟を持ち、吉田は襟ではなく相手の左肩の外側を持つ。開始1分40秒、厳しい組手を展開する吉田に対し【指導1】が宣告。不本意な指導を受けるも冷静に戦術を切り替え、前に出て距離を詰めていく。相手は後退しながら場外際で「内股」を仕掛けるも吉田が軸を崩している為、技の効果は半減している。吉田は右に回りながら背中を持ち、引手(左手)を持った瞬間に「大腰」を掛ける。残り1分を切るが吉田は「袖釣込腰」などで攻め続ける。残り30秒、受けに回る相手に【指導1】。最後まで攻めるも【引分1】。

徐々に緊迫感が強まる中、中堅には頼れる主将の西潟(左組)。対するは新人の田中選手(左組)。
体格で上回る西潟は開始より相手に直進し、右手で襟を持ち、釣手(左手)ですかさず奥襟を持って相手も引き寄せる。開始36秒、頭を下げ防御する相手に【指導1】。なおも早い組手で相手にプレッシャーを掛け続け開始1分36秒、2つ目の【指導】を奪う。相手は何とか西潟の釣手(右手)を抑えようと右側に上体を捻り、さらに低い姿勢をとる。西潟は右方向に回りながら釣手と引手を上下に動かして相手の姿勢を崩す。開始より2分30秒となったところで相手は「大内刈」を仕掛ける。相手が技を掛け戻り際に西潟は左足を一歩後ろに引きながら「浮落」を掛ければ、相手は一回転し畳に落ちる。審判の宣告は【一本】となり貴重な先取点を奪う。

リードして迎えた副将戦には100kg級の羽賀(左組)。対するは相手チームのエース高橋選手(左組)。
二回りほど大きい相手に対し羽賀は序盤より「肩車」を仕掛け揺さぶる。相四つの組手になる両者は引手(右手)で脇を突いて間合いを取る。技による攻防はないがハイレベルな組手争いが展開される。開始1分10秒、両者【指導1】。30秒後に羽賀に【指導】が追加される。羽賀は慌てることなく丁寧な組手を展開し十分に持つと「内股」を軸に攻める。相手も組手不十分ながら「払腰」など仕掛けてくる。激しい攻防が繰り広げられ残り時間も1分少々となる。羽賀は左右に動きながら相手を翻弄し「内股」から「小内刈」「大内刈」と攻めたて相手に2つ目の【指導】が宣告。その後も冷静に立ち回り、【引分】となり良いかたちで大将へ繋ぐ。

4連覇の夢を背負った大将戦には新人の王子谷(右組)。対するはベテラン吉永選手(右組)。
開始より王子谷は引手(左手)で襟をつかみ、さらに釣手(右手)で奥襟をつかんで引き寄せる。何とか逃れようと王子谷の釣手を切り離そうとするも動じず。開始42秒と1分33秒、組み合わない吉永選手に対し【指導】が宣告。王子谷は流れを変えず相手を引き寄せ「足払」や「支釣込足」を仕掛け圧倒する。開始3分16秒、防戦一方の相手に対し3つ目の【指導】が宣告。その後もプレッシャーを掛け続ける王子谷。試合時間も4分を過ぎたとき後退しながら「巴投」を仕掛けると主審は「待て」を指示。主審と2人の副審で合議し、4つ目の【指導】が宣告され、王子谷の【反則勝ち】となり、見事4連覇を達成。

優勝した旭化成Aチーム

最終結果

1部

優勝 旭化成A(4連覇)
2位 新日鐵住金
3位 パーク24A
3位 日本中央競馬会

2部

優勝 センコー
2位 新日鐵住金
3位 旭化成
3位 自衛隊体育学校

3部

優勝 パーク24
2位 日本エースサポート
3位 VILLAGE
3位 セントラル警備

旭化成 陸上部