第66回全日本実業柔道団体対抗大会

一般1部 旭化成A 決勝で敗退 2位
一般2部 旭化成 準決勝で敗退 3位

6月11日(土)・12日(日)に『第66回全日本実業柔道団体対抗大会』が宮崎県宮崎市/KIRISHIMAツワブキ武道館において開催されました。

【一般1部Aチーム】
西潟 健太、垣田 恭兵、海老 泰博、百瀬 優、王子谷 剛志、小林 悠輔、永瀬 貴規
【一般1部Bチーム】
塘内 将彦、大鋸 新、穴井 航史、大野 将平、髙上 智史、髙市 賢悟、石内 裕貴
【一般2部】
西田 泰悟、前野 将吾、小林 督之、上杉 亮太、羽賀 龍之介、土屋 潤、郡司 拳祐

試合詳細については以下の通りです。

一般1部

1回戦

旭化成B ②-2 ALSOK
髙市 優勢 ○
(指導3)
井上
髙上 ○ 一本
(背負投)
小林
  不戦負け ○ 熊代
大鋸 ○ 反則
(指導4)
本間
塘内 引分 鈴木

2回戦

旭化成A 4-0 京葉ガス
百瀬 ○ 一本
(肩固)
河原
垣田 引分 上川
海老 ○ 一本
(背負投)
下和田
西潟 ○ 反則
(指導4)
岩尾
王子谷 ○ 有効
(支釣込足)
飯田
旭化成B 0-4 新日鐵住金A
大鋸 引分 高橋
髙市 一本 ○
(払腰)
赤迫
髙上 一本 ○
(縦四方固)
上田
塘内 一本 ○
(大外刈)
西山
  不戦負け ○ 小川

準決勝戦

旭化成A ②-2 パーク24A
垣田 有効 ○
(袖釣込腰)
長澤
西潟 ○ 一本
(小外掛)
丸山
王子谷 ○ 一本
(浮落)
橋本
小林(悠) 一本 ○
(払腰)
渡辺
百瀬 引分 北野

準決勝戦はパーク24Aとの対戦となった。

先鋒戦にはベテラン垣田(左組)の登場。対するは、新人だが試合巧者の長澤選手(左組)。

開始より長澤選手は引手(右手)で袖をつかむと左手で奥襟を取りながら「大外刈」や「大内刈」を積極的に仕掛けてくる。開始56秒、受けにまわる垣田に対し【指導1】が宣告。その後、引手をつかみ低くしゃがむ「一本背負投」や「巴投」で応戦する。指導差が1つのまま残り1分を切る。引手を絞られ場外際へ押し込まれて上体が伸びたところに「袖釣込腰」を仕掛けられ体側より畳に落ち【有効】を奪われる。その後追いかけるも終了。

次鋒戦には主将の西潟(左組)。対するは81kg級ながら技の威力・キレのある丸山選手(左組)。体格では圧倒的に西潟が上回っているが油断はできない。相四つの組手になる両者、西潟は引手(右手)で前襟を持ち積極的な組手を展開する。体格差があるため、相手は動いて組まれないように距離を取る。組み合う姿勢が見られない相手に開始1分06秒に【指導1】。西潟の勢いは変わらず組み止めて「大外刈」や「払腰」を仕掛けていく。指導の累積は避けたい相手も組み際に「袖釣込腰」や「背負投」を掛ける。しかし、投げる意思が無い技とみなされ開始2分48秒に2つ目の【指導】が宣告。その後も西潟の攻勢は変わらず、1分後にも3つ目の【指導】を与える。後がなくなった相手は直後にイチかバチかの勝負にでて組み合ってきたところに「小外掛」を合わせて【一本】を奪う。相手にいきかけた流れを戻す勝利になる。

中堅戦は、チームの柱である王子谷(右組)が登場。対するは73kg級の橋本選手(右組)。

体格差は歴然だが、組手が素早くしぶとい相手である。王子谷は重心を低くし前に出て圧力を掛けながら組みにいく。組手を嫌う相手に開始1分30秒【指導1】が宣告。その後、両者はそれぞれ指導を受け、明確な差がつかないまま残り時間1分となる。チームのためにもギアを上げて突進して組みにいく。試合時間も残り15秒、相手が苦し紛れに掛けた「一本背負投」を返して貴重な【有効】を奪う。前に出るしか後がない相手が抱きつくように組みにきたところに「支釣込足」で振るとグルリと回転し背中から畳に落ち【一本】。

1点リードで迎えた副将には新人の小林悠輔(左)が登場。対するは巨漢の渡辺選手(右組)。ケンカ四つの組手になる両者は釣手(小林:左手、相手:右手)を持ち合う。小林は前襟をつかみ、相手は背中を持って引き寄せながら場外へ押し込んでくる。「足払」で崩し「内股」へ繋ぐも相手は崩れない。逆に相手に押し込まれて開始1分に場外による【指導1】を受ける。
相手の突進を受けながらも左右に動き釣手で揺さぶり、得意の「内股」を仕掛け好機を待つ。しかし、相手の勢いは変わらず場外を背にして苦しい展開が続く。そして、開始3分30秒を過ぎ相手十分の組手になり視線が足元に下がっていたところに左に大きく体を回しながら「払腰」を掛けられ一回転して畳に落ち【一本】を奪われる。点数では2-2と同スコアだが内容ではリードしている。

接戦で迎える大将には副主将の百瀬(右組)が登場。対するは曲者の北野選手(左組)。引分け以上で決勝戦に駒を進めることができるがとてもプレッシャーが掛かる一戦。
開始より相手は釣手(左手)で背中を持って正対せず変則な組手をみせる。冷静な百瀬は釣手(右手)で前襟をつかみ相手の顎をついて距離を保つ。慎重な両者に対しもっと積極的な姿勢をということで開始45秒と1分57秒に【指導】が宣告される。相手は変則的な組手で揺さぶりたいところだが相手の狙いを理解している百瀬は自分の間合いを譲らず「支釣込足」や「大内刈」で相手を崩していく。危ない場面もなく5分間の試合が終わり【引分け】。5連覇へ向けて決勝戦に駒を進める。

決勝戦

旭化成A 1-2 日本中央競馬会
百瀬 優勢 ○
(指導2)
レイズ
海老 一本 ○
(隅返)
高木
西潟 引分 長島
垣田 引分 原沢
王子谷 ○ 一本
(合技)
石井

5連覇を掛けて決勝戦で対戦するのはリオ五輪100kg超級日本代表の原沢選手を擁する日本中央競馬会。
まず試合の流れを左右する重要な先鋒戦には信頼のある百瀬(右組)を抜擢した。対するは今年入社したばかりの若手で勢いのあるレイズ選手(左組)の登場。ケンカ四つの組手になる両者は、釣手(百瀬:右手、相手:左手)を持ち合う。若い相手は開始より積極的に引手をつかみ「大内刈」「支釣込足」「内股」と攻めてくる。スローな立ち上がりとなった百瀬に対し開始1分04秒に【指導1】が宣告。その後もやや相手のペースで進み、2分20秒で2つ目の【指導】を受け相手にリードを許す。百瀬は組む手順を変え引手(左手)から持ち組み際に「大内刈」や「大外刈」と攻め込む。残り1分を切り奥襟や背中を抱いての奇襲攻撃に転換し攻める。残り7秒のところで1人の副審は相手に対し消極的というジェスチャーをとるも却下され、そのまま終了となり相手チームに1歩リードを許す。

リードを許しての次鋒戦にはチーム最軽量の海老(左組)の登場。対するは曲者の高木選手(右組)。東海大学出身で2つ下の後輩になる。大きな相手は釣手(右手)で襟ではなく肩の後ろを持ちプレッシャーを掛ける。背中を抱く戦法を得意とすることは知っているため、左右にステップをし、的を絞らせず「巴投」を掛け出鼻をくじく。両者とも得意のかたちを作らせず時間は流れる。動きがない両者に対し開始3分52秒で【指導1】が宣告。残り1分となり相手は釣手の位置を背中から帯に持ち替える。帯を持つのはルール上は数秒間となっているために海老が審判に長いのではというアピールをした瞬間に相手に「隅返」を掛けられ回転して畳に落下し【一本】を取られる。

先鋒から続く嫌な流れを断ち切りたい中堅戦。ここは主将の西潟(左組)が登場。対するは81kg級の長島選手(左組)。体格で勝る西潟は開始よりつめ寄り引手(右手)で襟をつかみ続けて釣手(左手)で奥襟をもつ。相手も指導を受けないように頭を上げてしのぐ。しかし、開始1分05秒に組手を嫌がる相手に【指導1】が宣告。何とかポイントを取りたいため、両襟をつかみ「払腰」や「支釣込足」を仕掛けていく。積極的に試合を進めている西潟に対し開始2分40秒に本来とは違う組み方(片襟)をしているということで【指導1】。その後も必死に相手を追いかけて攻め続けたが【指導】を1つ追加するにとどまり、引分となる。

チームとして崖っぷちの状況で迎えた副将戦にはベテラン垣田(左組)。対するはエース原沢選手(右組)の登場。チームが勝利するためには原沢選手に勝利するしか望みはない状況。ケンカ四つの組手になる両者、垣田は釣手(左手)で前襟をつかみ、長身の相手はその上から奥襟をつかむ。実力者相手に全く臆せず前にでて「背負投」や「小外掛」と攻め込む。そして開始1分50秒には相手に【指導1】。しかし、直後に袖口を持ったとして【指導1】を受けてしまう。その後も相手の股にもぐり「背負投」を掛けていくもポイントならず。そのまま試合終了となり引分。チーム敗退が決まる。

負けが決まっての大将には全日本選手権覇者の王子谷(右組)が登場。対するは石井選手(右組)の登場。開始より両者は詰め寄り引手(左手)で襟をつかみ、がっぷりと奥襟をつかみ合う。じわじわと前に出る石井選手が右足でステップを踏み、大きく左足で踏み込んで「大外刈」を掛けると王子谷はのけ反りながら耐えるが相手が続けて「小外掛」で体を浴びせ、真後ろに倒れ【技有】を奪われる。その後も互いに組手は変わらずがっぷりと持ち合う。追う王子谷は前に前に出て本来の柔道を見せる。そして、開始1分25秒に相手が仕掛けた「大外刈」をひっくり返し【技有】を奪い、そのまま「肩固」で抑えて【一本】。チーム敗退は決まっていたが旭化成の意地を見せてくれた。

決勝戦で戦う西潟
決勝戦で戦う西潟

一般2部

2回戦

旭化成 3-2 東芝B
郡司 ○ 一本
(払腰)
相馬
小林(督) ○ 一本
(払腰)
山田
前野 一本 ○
(腕拉十字固)
武末
上杉 ○ 一本
(支釣込足)
久保寺
西田 一本 ○
(浮落)
當眞

3回戦

旭化成 4-0 セントラル警備
郡司 ○ 有効
(小外掛)
山本
小林(督) ○ 一本
(横四方固)
前原
前野 引分 大和田
上杉 ○ 一本
(払釣込足)
岩井
西田 ○ 一本
(内股)
比嘉

準決勝戦

旭化成 1-2 パーク24
郡司 一本 ○
(小内巻込)
竪山
小林(督) 一本 ○
(背負投)
田村
前野 引分 中村
上杉 ○ 優勢
(指導3)
吉井
西田 引分 清水

2部の準決勝戦の対戦相手は、小兵ながら実力者揃いのパーク24となった。

鍵を握る先鋒戦には新人の郡司(右組)。対するは66kg級の竪山選手(左組)。動きが素早いため、早く組み止めて得意の内股を狙っていきたいところ。釣手(右手)は奥襟をつかみ引手(左手)で引手をつかむも相手に「背負投」や「巴投」を掛けられ技がでない。スピード感ある組手を展開され相手優位に試合を進められ開始1分53秒に【指導1】。その後も相手は釣手(左手)を上下に動かし郡司の重心を前後に揺さぶりノーモーションで本来とは逆の「小内巻込」に飛び込み反応できず背中から落ちて【一本】となる。

続く次鋒戦には小林督之(左組)の登場。好調を維持している小林に何としてもポイントを奪って欲しいところ。対する田村選手(右組)は73kg級ながら団体戦にも強く容易な相手ではない。ケンカ四つの両者は釣手(小林:左手、相手:右手)を持ち間合いをとる。身長で上回る小林は上から相手の釣手を抑えながら圧力を掛けて引手(右手)を持って右に移動しながら「内股」を見せる。積極的に「内股」「大外刈」と攻めていくがポイントにならず。攻勢に進めるが反則さえ相手にいかず序盤から中を過ぎる。残り1分となり少し焦りの出てきた小林は遠い間合いから「大外刈」を仕掛けるが逆に相手にひっくり返され【有効】を奪われる。残り40秒となり、出るしかなくなり前に重心が乗ったところに低い「背負投」で担がれ一回転し【一本】負け。

劣性の状況で中堅戦に控えるのはチーム最軽量の前野(右組)。対するは同階級の中村選手(左組)。気持ちを前面にだし開始より積極的に「内股」から「肩車」を仕掛けていく。開始早々、場外に出た相手に【指導1】。しかし、40秒後に袖口による【指導1】を受けて振りだしに戻る。互いに十分に組み合う時間はなく釣手だけでの攻防が続く。残り1分を切り釣手で背中を持って接近戦に持ち込む。両者抱き合うようにもつれ合い相手の「裏投」を返したかに思われたが待てとなる。最後の最後までポイントを挙げようと前に出たが試合終了。

一本勝ち以外はチームの負けになる状況で登場するのは巨漢の上杉(右組)。対するは吉井選手(左組)。開始より前に出て釣手(右手)をつかみ「足払」を掛けていく。技での展開が見られない両者に対し開始1分50秒に【指導1】が宣告。徐々に上杉の圧力に後退し始める。上杉は下がる相手に対し不十分な組手だが「内股」「支釣込足」と攻めていく。そして開始2分42秒で【指導】を追加。一本勝ちが絶対条件となるためどんどん前にでていく。残り10秒で3つ目の【指導】を追加するも万事休す。優勢勝ちを収めるもチーム敗退が決まる。

何とか一矢報いたい大将には西田(左組)が登場。対するは清水選手(左組)。相四つの組手になるが互いに十分な組手にさせないようにずらしたり、切ったりを繰り返す。なかなか攻め手がないまま時間は経過。何度か組み際に「大外刈」や「体落」を狙うが不発となり結局試合は動かず終了。1-2で準決勝敗退となる。

最終結果

一般1部

優勝 日本中央競馬会
2位 旭化成A
3位 新日鐵住金A
3位 パーク24A

一般2部

優勝 東芝A
2位 パーク24
3位 旭化成
3位 センコー

旭化成 陸上部