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インタビュー

カジグループ 梶社長。「繊維業界の夢を実現する」-コーポレートメッセージに込める思い。

北陸産地である石川県で、繊維機械の製造から糸加工、織物やニット生地の生産、縫製を行うカジグループの梶社長に、繊維産業や産地への思いを伺いました。

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糸づくりから製品までの一貫プロセスを構築 カジグループは、1934年に北陸の石川県かほく市で繊維機械の製造を行う「梶製作所」からスタートしました。その後、織物の「カジレーネ」、糸加工の「カジナイロン」、編みの「カジニット」、縫製の「カジソウイング」を立ち上げ、糸加工から製品までを一貫して手がけられる体制を築いています。 機械設計の部門があるという珍しいグループ構成なのですが、そこが一番の強みですね。例えば糸加工の際に「こんな糸をつくりたい」と相談すると、機械開発のメンバーがポンチ絵を描くことから機械をつくるところまで自社でできてしまいます。購入した織機を改造したり、糸加工機に別の部品を付けたりもでき、いろんな加工糸をつくれるので差別化ができるんですね。 合繊繊維織物の生産を手掛ける「カジレーネ」では、そんな糸加工を駆使した薄地織物を得意としています。髪の毛よりもはるかに細い長繊維の糸を高密度に織る技術は、世界一だと自負しています。また「カジニット」でも薄地ニットに特化しています。細い糸は非常に繊細で取り扱いが難しいのですが、うちでは「どうせなら難しいものに取り組もう」と、薄地織物・薄地ニットに特化することで差別化を実現しています。

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旭化成と築き上げた「ベンベルグ複合加工糸」の技術 糸加工の「カジナイロン」が得意としているのは、ベンベルグを核としたポリエステルやナイロンとの複合加工糸です。15年以上前から旭化成さんと一緒に築き上げた誇るべき技術ですね。当時はまだどこもベンベルグの複合加工を手掛けていなかったので、機械設計から着手しました。 複合加工とは2つ以上の糸を混ぜることで、それぞれの糸の強みを掛け合わせることができます。例えばベンベルグには伸縮性がありませんが、ポリエステルやナイロンを芯にして、周りをベンベルグにすることで、ベンベルグの風合いやタッチは残しながら、ストレッチ性を持たせることができるのです。その時々の用途や目的に合わせてその"混ぜ方"を変えていますが、その微妙な混ぜ方を何万メートルも同じ品質で続けるのは、非常に難しく、高度な技術を要します。

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自社ブランドを立ち上げ北陸産地をアピール 2014年、自社でトラベル服飾ブランド「TO & FRO(トゥ アンド フロー)」を立ち上げました。ブランド名には「行ったり来たり・あちこち行く」という意味があります。続いて2015年にはメンズファッションブランド「Timone(ティモーネ)」を立ち上げました。こちらはイタリア語で「舵」という意味を持ちます。 立ち上げたきっかけは、一般のお客様に北陸が繊維産地であることがほとんど知られていないということ。北陸は日本の合成長繊維の85%を生産する大生産地であり、有名な海外のラグジュアリーブランドにもたくさん採用されているにも関わらず、そういったことを何も発信してないためにブランディングできていなかったんですね。そういった危機感から自分たちが発信していかなければ、と思ったのです。われわれが培ってきた、軽量・コンパクト・強い・撥水、といった機能を活かすためには、トラベルブランドが最適でした。 「Timone」を立ち上げたときには、メディアで大きく扱ってもらったり、百貨店のメンズバイヤーが選ぶ新人賞をいただいたりもしました。 この2つのブランドの製品を通じて、「石川県や北陸はこんなにすごい産地なんだ」ということを発信し続けているのですが、最終製品をはじめたことは社内にもいい効果を生みました。 自分たちでつくった製品をお客様に買ってもらえて「ありがとう」と言われるといった経験をすることで、一般のお客様の声をどう生かすかという発想に変わり、社員の士気の向上にもつながっています。

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未来のために「繊維産業の魅力」を率先して発信する 産地の未来に対する危機感というのは、常にありますね。中小企業に人が集まらないと全国で問題になっていますが、北陸の繊維業界も本当に厳しいと思います。どうしても斜陽産業という印象があるんですよね。ここでもやっぱり、「発信して伝える」ことが大事だと思います。 カジグループでは、学生さんから「楽しそうだな」「夢のある企業だな」と思われるように、自社ブランドのことやその他の新規事業のことなどをどんどん発信しています。おかげで、新卒採用3人の枠に対して300人もエントリーがありました。 また入社した人の定着率の高さも自慢です。うちは大家族主義をモットーとしていて、できるだけ社員と距離感が近くなるような環境づくりに力を入れています。コミュニケーションを図るためのイベントを定期的に企画して、真面目な合宿や研修だけでなく、国内のグループ総勢250人皆で温泉に行ったりもします。だから皆、恋愛事情や家庭の問題なんかも相談してくれる、本当に家族みたいな感じですね。厳しくする部分ももちろんありますが、そんな意識でやっています。 コーポレートメッセージの「繊維業界の夢を実現する」には、「繊維業界って本当はすごく楽しい、我々でそれを率先して体現していこう!」という思いを込めています。これは常々社員に伝えていることで、大きなボードに書いて会社のあちこちに貼っています。 今後、用途開拓や様々なジャンルの人とコラボレーションすることができれば、いろんな可能性が広がるはずだし、繊維業界にもまだまだ夢はあると思っています。皆にもそういう意識を持ってもらいたいですね。

梶 政隆(かじ・まさたか)

カジグループ 代表取締役社長。 繊維機械の製造から糸加工・生地の生産・縫製まで行える国内・海外合わせて7社のグループで、繊維事業においては糸加工のカジナイロン(株)の他、テキスタイルのカジレーネ(株)・カジニット(株)、縫製のカジソウイング(株)を擁し、機械事業の繊維機械のノウハウを駆使した「付加価値一貫生産創出型体制」を構築している。

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