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インタビュー

フランドル 栗田会長。プロフェッショナルの英知を結集して、世の中にない価値ある商品を生み出す。

レディース・ファッション・ブランドを展開するアパレルメーカー、フランドルの栗田会長に、ものづくりへのこだわりや今後の展望をお伺いしました。

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We don't know anything -私たちは何も知らない- 約2年前、フランドルは繊研新聞の一面広告で、『We don't know anything』つまり「私たちは何も知らない」と大きく謳いました。これは、「自分たちはアパレルメーカーとしてデザインやトレンドのことはわかっても、ものづくりの本質的なところはわからない。全国におられる川上・川中の各分野のプロフェッショナルの皆さんの知恵や力をお借りして初めて、世の中にない価値ある商品を創ることができる」という考えを表したものです。
アパレル業界では、ブランドごとに大体5~7人のデザイナーが企画チームを組んで、その枠の中でできる範囲でものづくりをする傾向があります。商社など間に入ってくださる企業から提案された素材だけを見て、そこからデザイナー個人の感覚や癖で選ぶのです。でも、それでは素材の特性や良さであったり、お客様にどんな価値をご提案するのか、といったことは後回しになってしまう。それはとても独善的なことだと思いました。
そこでフランドルは、全ブランドの企画チームを統一しました。そして毎シーズン、社内も店舗もブランドを超えて一丸となり、さらに紡績、染色、織、編、縫製の専門分野の方々にもご協力いただきながら、みんなで企画・開発を行う、という方法に舵を切ったのです。

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プロフェッショナルの英知を結集したものづくりへ 企画ミーティングの際は、多い時で30~40人がひと部屋に集まります。壁一面に企画書を貼り出して、当社の企画・店舗のスタッフと、前述したものづくりのプロフェッショナルな方々とで一緒になって話し合います。
私たちからはトレンドや店舗のエリアごとの傾向などの情報を、外部の皆さまからはこれまでに培ってこられた知識や技術を、それぞれ持ち寄って共有した上で「こういうものを作ってはどうだろう」「これなら今までにないものができそうだね」と意見を出し合うのです。これを経てから、各ブランドに落とし込んでいきます。
こうしてみんなの英知を結集して初めて、今までにない新しい商品が生まれると私は思っています。個々の力だけでは絶対に無理ですね。お互いのファッションに対する情熱を分かち合える信頼関係を作ってものづくりをする、そうしてこれまでの非常識を常識に変えるというのが、今の当社の考えです。
この取り組みを始めるにあたって「JAPAN COUTURE(ジャパンクチュール)」をテーマに、ものづくりへの思いやこだわりを詰めこんだコンセプト・ブックを作り、一般のお客様や関係者の皆様にお配りしました。これは私たちの決意表明であり、これに恥じないものづくりを続けていくための戒めでもあります。
おかげで今、私たちの思いに共感する多くの方々にご協力をいただいています。本当にありがたいです。

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「JAPAN COUTURE(ジャパンクチュール)」に込めた思い 川上や川中の皆は、本当に素晴らしい技術を持っておられるし、豊富な知識や経験もお持ちです。日本の秀でているところは、丁寧さ、清潔さ、几帳面さといった、きめ細やかな感性。これは間違いなく世界に誇れる日本の美学です。
しかし、いくらそういった財産が日本中にあったとしても、私たちがそれらの素材を使わなければ、世の中に出ないこともあります。
私たちは「JAPAN COUTURE(ジャパンクチュール)」を提唱し、最高峰の日本の技術と、ベンベルグのような日本でしか作ることのできないオンリーワン素材を融合させることで、今までになかった新しい商品を生み出すことができます。、ものづくりの生い立ちや背景を発信することで、お客様にとっての"新しい価値"につなげることができればと考えています。
例えば食の分野では、どこで誰がどんな素材で作ったのか、消費者に明確にわかるようになっています。最近は化粧品でもそうです。ファッションだけが、ブランドや一部のデザイナーばかり前面に出て、その生い立ちや背景がお客様に全く伝わっていない。われわれは今、これを覆そうとしているのです。1つのアイテムができるまでに携わる各分野のプロの仕事をお客様に知っていただき、「これなら価値がある」と納得していただき、ものづくりのストーリーをしっかりとお見せしていきたいと思っています。

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これからも、常にイノベーションを続ける 少子高齢化が進んで人口も激減する中、今後は30代後半~40代以上の大人の女性が市場のメインのターゲットになると予想されます。その層を狙う上で今私が考えているのは、これまでのファスト・ファッションとは違う、「バリュー・ファッション」という新たな市場を作りたいということです。安易な商品や安易な価格設定はもう通用しない時代になるはずです。だから、より一層素材や品質に特化した上で、トレンド性もある準定番的なスタイルで、ただ安いのではなく本物志向で値打ちのあるブランドを自信を持って打ち出したいですね。違いのわかるお客様に向けて、最高の素材を使い、できれば1万円以下で提供できればお求めくださる方はたくさんいらっしゃると思うんです。素材の部分を抑えて原価率を下げるのではなく、あくまで価値で売る方法にしたいと考えています。
2017年に25周年を迎えた私たちの原点のブランド「INÉD」は、フランス語で「今までにない、未発表の」という意味の「Inédit」からきています。私たちはこれからも、常にイノベーションを続けていきます。

栗田 英俊(くりた・ひでとし)

株式会社フランドル 代表取締役会長 愛媛県生まれ。レディス・ファッション・ブランドの代表取締役を経て、2010年に現職に就任。2018年まで一般社団法人、 日本アパレル・ファッション産業協会理事をも務める。デザインのみならず、素材にも精通する業界の立役者。日本製の素晴らしさを提唱し、着る人のことを第一に考えたものづくりがモットー。

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