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戸建て住宅の侵入被害開口部に関する実態調査 この調査のトップへ戻る
侵入被害開口部の実態

本調査では、侵入被害のあった開口部の種類や高さ、開閉様式といった点に特徴が見られました。本章では侵入被害開口部の特徴に注目し、分析を進めていきます。
 

 

2-1.1階が9割以上
 

被害箇所の存する階では、「1階」に93.4%(268件)が集中する傾向が見られます。「2階」は6.6%(19件)、「3階」は0件でした。

侵入者がアクセスしやすい1階が9割以上を占めました。

● 被害階別構成比
 

   
2-2.玄関には少なく、窓と勝手口に多い
  1階の被害箇所では、「窓」が83.2%(223件)勝手口は14.6%(39件)を占めますが、玄関は2.2%(6件)と少なくなっています。

現行窓体系における1棟当りの平均採用数では、1階の勝手口が0.6、玄関が1.0となっており、玄関に比べると数の少ない勝手口の被害が比較的多いと言えます。

● 開口部種類別構成比(1階)
 
   
2-3.手の届きやすい高さの開口部が多い
  1階の被害箇所の開口部の下端の高さでは、日常的に出入りに使用される玄関、勝手口、掃出し窓の合計は5割を超えていますが、腰高窓も41.4%(111件)を占めています。腰高窓の窓高さは標準の設計地盤面から1.4m程度ありますが、この程度の高さまでは被害を防ぐことはできないようです。

現行窓体系の開口部の内1階の被害(30件)のうち、窓が開いていたと思われる事例7件を除く23件について、被害に遭いやすさをその窓の採用数を勘案して比較するため、被害確率指数を算出しました。掃き出し窓(1棟当り平均採用数2.63)の被害確率を1とすると、勝手口(同0.60)は0.73となり、腰高窓(同6.12)は1.07となります。玄関(同1.0)、高窓(同計0.88)の被害はありませんでした。

腰高窓の被害が多いのに高窓の被害がないことについては、肩の高さ以上は力が入りにくいことや、目の高さ以上は作業がしにくいことが考えられ、この程度以上の高さに窓を設置することは防犯上有効であると示唆されます。住宅性能表示における区分c(高さ2m超)の範囲に設ける開口部は比較的安全であると言えるでしょう。

※被害確率指数=(被害件数/平均採用数)/(基準窓の被害件数/基準窓の平均採用数)

● 窓高さ別構成比(1階被害全体)
 
● 窓高さ別の被害に遭いやすさ=被害確率指数(1階現行窓体系)
 
● 現行窓体系における窓高さ
  現行窓体系は2003年1月契約以降の物件に採用されています。

従来からの掃出し窓/肘掛け窓/腰高窓といった高さ体系に加え、12高窓/15高窓/18高窓といった高窓の品種体系を整備し、視線制御と、防犯性を意識した設計ができるようになっています。また勝手口ドアは通風に配慮し、全て上げ下げ窓付の仕様となっています。


● 現行窓体系における1階平均採用数と被害件数
 
*掃き出し窓、肘掛け窓の開放時件数がない理由として、勝手口ドアに付いている上げ下げ窓や、辷り出しの腰高窓については網戸が開閉式でなく、侵入しようとすれば網戸を破られる被害が発生するのに対し、引き違い窓の場合は網戸が移動させて侵入できるため、侵入被害があっても修理の依頼が来ないと考えられます。
   
2-4.引き違い窓の被害が多い
  1階の被害箇所の開閉様式では、引き違い窓に68.7%(184件)が集中する傾向が見られました。玄関、勝手口の開き戸は16.8%(45件)、辷り出し窓(竪辷り出し窓、横辷り出し窓)は13.1%(35件)でした。

腰高窓について、現行窓体系での開閉様式による違いを調査したところ、同様に引き違いの被害が多く、竪辷り出し窓、横辷り出し窓の順で被害が少なくなっていく傾向が見られました。

1. 引き違い窓は一般に広く使われており、クレセント錠の位置が外側からわかりやすいこと、逆に辷り出し窓は外観から開閉方向や錠の位置がわかりにくく破壊箇所を特定しにくいこと

2. 引き違い窓、竪辷り出し窓は比較的大きい窓に使われ、横辷り出し窓は小さいものが多いこと

が理由として考えられます。

● 開閉様式別構成比(1階被害全体)
 
● 開閉様式別被害率(1階現行窓体系)
 
● 現行窓体系の開閉様式と構成
  現行窓体系においては、下記の3種類の開閉様式の採用率が高くなっています。
窓の大きさ、形状によって適切な開閉様式が設定され、開閉様式により網戸、面格子の位置関係が変わります。

引き違い窓の網戸は、引き戸で可動であり、侵入に際して破壊されることはありませんが、辷り出し窓の網戸は、室内側に固定されているため侵入の際に破られることが多く、窓を開けていた場合に被害件数としてカウントされやすくなっています。

辷り出し窓には通常の外側に取り付ける面格子の他、窓の開閉角度を制限しない室内側に取り付ける内面格子も選択可能となっています。

   
2-5.ガラス割りが7割以上を占め、窓を開けていての被害も1割以上
  開口部の被害内容を 1.ガラス 2.サッシ(障子・枠) 3.シャッター・面格子 4.網戸のみ の4つに分けて分析すると、ガラスのみの被害が62%と半数以上を占め、ガラスに加えてサッシ、シャッター、面格子にも被害があったものを含めると75%はガラスを割ろうとした事例と推察されます。なお、ガラスの被害がなくサッシのみの被害、すなわちサッシをこじ開けようとしたと推測される事例も10%(29件)ありましたが、うち引き違い窓は3件のみで、勝手口ドアや辷り出し窓の被害が多くなっている点が特徴的です。シャッターの被害は1件のみ、面格子の被害は13%(36件)あります。面格子のみの被害25件に加え、網戸のみの被害が11件あり、13%(計36件)は窓が開いていたか、鍵を閉めていなかったと考えられます。

なお、サムターン回しのための穴をあけようとしたと推測されるドア損傷事例は1棟(二世帯住宅の1階、2階玄関ドアの2件被害)報告されているのみであり、警察の統計データで集合住宅に多いサムターン回しの被害が戸建て住宅では少ないことと一致しています。

● 開口部被害の内容(1,2階)
 
注:サッシには玄関、勝手口の件数を含む。面格子には勝手口の格子が、網戸には勝手口の網戸が含まれる。上の他不明は6件。
   
2-6.シャッター・面格子は有効
  1階の窓に付属していた建物部品を見ると、何も無いものが21.8%(50件)、シャッターがついていたが開いていたもの62.4%(143件)と、面格子やシャッターで被われていなかった開口部の被害が8割以上を占めました。面格子でカバーされた開口部の被害が13.1%(30件)あったのに比べ、シャッターが閉まっている場合の被害は0.4%(1件)のみでした。

また、現行窓体系においてシャッターの閉まっている状態の被害はなく、面格子付窓の被害確率指数は、面格子も何も無い窓に比べ大幅に低くなっています。シャッターが付いているが開いている状態の被害が多く、何も無い窓と比べても高い指数となっているのが注目されます。

1階の引き違い窓で居室に使われる大きい窓にはシャッターが付いていることが多く、シャッターや面格子がない窓は辷り出し窓等の小さい窓が多いため、シャッターが開いている状態の被害確率指数は高くなるのではないかと考えられます。

● 付属部品別構成比(1階被害全体)
 
● 付属部品別被害率(1階現行窓体系)
 
   
2-7.防犯ガラスの効果
  現行窓体系となった2003年1月以降の仕様においては、防犯ガラスを選択できるようになっており、1階の窓・勝手口における防犯ガラスの採用比率は30.5%となっています。(2003.8〜2005.8仕様決定ベース)同仕様の勝手口・窓におけるガラスの被害27件の内、当該部に防犯ガラスが設置されていた住宅は14.8%(4件、内1件は未遂)であり、採用比率に比べかなり少なくなっています。4件中防犯ガラスが割られたことが明確な事例は1件のみであり、他3件はサッシ全体の被害となっています。未遂に終った1件は防犯ガラスの開口部のサッシのみの損傷で、2階の防犯ガラスでない開口部にも被害が生じたものの、結局侵入は未遂に終っており、防犯ガラスでない部分を探させる時間をかけさせたことが防犯上有効だったと考えられます。

防犯ガラスは外見上普通のガラスと変わらないため、それだけでは被害を未然に抑止する効果は少ないと考えられます。そのため防犯ガラスには表示シールを貼って出荷していますが、部分的に防犯ガラスが採用されている場合その箇所を表示することで逆効果となる場合も考えられるため、引渡し後も貼ったままとするかどうかは居住者の判断に任されています。防犯ガラスの被害が少なかった理由として

1. 表示シール効果:表示シールのある開口部を避けた

2. 居住者要因:オプションで防犯ガラスを希望するような防犯意識の高い居住者は被害に遭いにくい

等が考えられます。

● ガラス別被害率(1階現行窓体系)
 
   
2-8.2階へは雨樋を登ってバルコニーから侵入
  2階の開口部の被害は19件あり、その内18件は窓で、残り1件は共用階段に続く外廊下に面した玄関でした。窓のうち88.8%(16件)はバルコニーに面していました。

バルコニーに面する窓の被害で、バルコニーに至る経路を調べたところ、バルコニーから竪樋まで90cm以下と近接していたものが93.8%(15件)と多く見られ、残り1件は共用廊下と隔板のみで区切られているケースでした。

外廊下やバルコニーに面しない2階の窓は、

1. 庇が窓の前にあり、かつ隣地境界線に近く塀等が到達経路になっている

2. 隣地境界線との距離が約90cmと短いうえ、隣地が約3.5m高くなっており、隣地が足場となった

と推測されます。

これらの到達経路をなくすような設計配慮をすることによって、2階の被害を更に減らせるものと考えられます。

● 2階被害の足場と経路
 
   
 
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