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吉田先生のペットコラム

ペットの品格


プロフィール
吉田眞澄
吉田眞澄
(よしだ・ますみ)

国立大学法人帯広畜産大学理事・副学長。
ペットの法律と社会システム研究の第一人者で、ペット六法、動物愛護六法(いずれも誠文堂新光社)、ペットと暮らす(人文書院)、NHKペット相談・知って安心ペットのトラブルQ&A(NHK出版)など多数の著作やテレビ・新聞等を通じ、人とペットの共生社会の実現に向け社会に働きかけ続けている。

第32回 ペットの健康管理
●ペットの長寿化と健康管理

ペットをもっぱら家の中で飼う飼育方法の普及、良質かつ多機能ペットフードの普及、獣医療制度の向上と獣医学及び獣医療技術の進歩・発展等があいまって、ペットの代表格ともいえる犬や猫は、長寿化の一途をたどっています。猫と小型愛玩犬については、10歳は当たり前、15歳もさほど珍しいことでなく、20歳を超えるものも出てきています。飼い主は、その間、飼い主とペットが快適に暮らせるように、双方の健康管理に十分気をつけなければなりません。ペットの健康管理は分かるとしてどうして飼い主の健康管理までと考える人もいるかと思いますが、基本的に飼い主に全てを頼るペットは、飼い主の健康状態いかんによって、ケアに大きな違いが出てくるからです。そのこととの関係でいえば、健康に問題を抱えている飼い主、仕事との関係などから出張・旅行の多い飼い主は、普段から、そのことに対する対応策を考えておかなければなりません。

 
  私と妻が世話をしたことのある隣家の愛犬サンドラ

それに関連して思い起こすのは、1983から85年の2年間をドイツのミュンヘンで過ごした際、まだ地域コミュニティーがそれなりに機能していたこともあり、留守の際に近隣のペットの世話をし合うという仕組みがあり、我が家の猫の世話につき何度かそれを利用したことがありました。金銭はもちろんのこと、土産などの授受は行わない代わりに、都合の付くときには相手のペットの世話をするというもので、代わりに、隣と裏の家の犬の世話をしました。若干の費用を払えば、動物保護施設も、その役割を果たしてくれますが、それについては、改めて書くことにします。

健康管理の面では、犬も猫も、生まれてから成長するまでの時期の健康管理は非常に大切です。この時期の健康管理が、後々まで影響する可能性が少なからずあるからです。その次に大切なのは、高齢に達してからの健康管理です。健康管理という点では、食事と運動が大切ですが、その中で食事については、ペットフードに依存する傾向が強くなっています。ペットフードの中には、対象年齢を非常に細分化して商品にしているものも見られますが、個体差もありますので、気になる人は普段から気軽に相談のできるペットのホームドクターを作り、相談をしつつフード選びをするのが良いように思います。一般的には10歳ぐらいから生活習慣病が頭をもたげますが、肥満など生活習慣病につながりやすい状況が見られる場合には、2、3年前倒しして食事等についての対策を講じた方がよいと思います。これも個体差はありますが、食事の量や内容を変えるのが簡単でないことや、それをすることにより、体調に異常をきたす恐れもあるからです。運動についても、注意すべきことはたくさんあります。いずれにせよ、早めから対策を講じ、徐々に進めることが大切です。

散歩についても、いろいろと考えなければならないことはあります。住環境や日常生活の中で必要とされる運動量を十分に消化しているのであれば、他に目的があればともかく、肥満をはじめとする生活習慣病予防との関係で、わざわざ散歩をさせる必要はありません。目的に添う散歩を心がければ十分です。また、真夏の日中の散歩は特に日陰のない石畳やコンクリート道の散歩を避け、散歩時間も短くした方がよいと思います。特別の事情でもない限り、騒音の大きな場所や人ごみも避けた方がよいと思います。更に、人ごみや歩道と車道の区別がはっきりしていない道路の散歩の際には、リードの調節を含め注意が必要です。ほんの一例を挙げただけですが、犬の散歩の際に飼い主が注意しなければならないことはたくさんあります。これについても、改めて触れることにします。

 
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バックナンバー


第32回 ペットの健康管理(2012/5/1)
第31回 飼い主の責務(2012/4/12)
第30回 ペット先進国への歩み(2012/4/5)
第29回 ペット税を支える基盤整備(2011/5/20)
第28回 ペット税の政策的要素―その3(2011/4/1)
第27回 ペット税の政策的要素―その2(2011/3/15)
第26回 ペット税の政策的要素―その1(2011/3/4)
第25回 我が国のペット税論議(2011/1/20)
第24回 ペット税論議―ドイツの犬税(2010/12/21)
第23回 ロンドンの朝の風景2題(2010/4/2)
第22回 イギリスの犬と飼い主(2010/3/8)
第21回 ペットとの接し方(2010/1/6)
第20回 マナー違反・配慮不足(2009/12/17)
第19回 大切な飼い主の判断(2009/12/7)
第18回 人社会と犬(2009/11/12)
第17回 犬の社会進出の基盤(2009/11/5)
第16回 ペットの目線で街を見る(2009/10/22)
第15回 ヨーロッパのペットショップ事情(2)(2009/7/23)
第14回 ヨーロッパのペットショップ事情(2009/7/21)
第13回 フランス・ドイツにおける危険犬の飼養規制(2009/6/12)
第12回 ヨーロッパにおける闘犬用犬種の飼養禁止の流れ(2009/4/16)
第11回 ペットに開かれた社会(2009/3/27)
第10回 ロンドンの犬用社会資本(2009/3/6)
第9回 糞処理用ポリ袋スタンドと犬専用の公衆トイレ(2009/1/30)
第8回 花の都パリの糞害と対策(2008/12/19)
第7回 五番街のドッグラン(2008/10/28)
第6回 ニューヨークのペット事情(2008/9/30)
第5回 ドイツの公共交通機関と犬(2008/9/1)
第4回 犬の学校の教育内容(2008/8/29)
第3回 ベルリンの「犬の学校」(2008/7/3)
第2回 ペットが友を呼ぶ(2008/6/27)
第1回 人とペットの共生探求の旅半ば(2008/5/27)

マンスリーレポート
   
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