イマドキの共働き家族とは?

父と子は「浴育」でコミュニケーション:25年の変化 コミュニケーション編

1.25年前「もっとゆっくり入浴したい」母が7割

夜の入浴はゆっくり入りたいですか?

ゆっくりお風呂に入るバスタイムは、共働き家族にとって一日の疲れをとる大切なひとときです。
最近では健康のための正しい入浴法を学んだり、親子でお風呂に入りながらコミュニケーションをはかったり、教育的な効果を育むという「浴育」も注目されています。
ここでは、共働き家族のバスタイムをご紹介します。

もっとゆっくり時間をかけて入浴したいですか?

25年前の共働き家族(DEWKS)を対象とした調査では、夜、毎日入浴する人は、夏場で約9割、冬場でも約8割いました。
そのうち、妻を対象とした調査では、もっとゆっくり入浴したいと思っている人は全体で約7割以上もいて、特に子供と一緒に入浴する人ほど、もっとゆっくりと時間をかけて、入浴したいと願っていた人が多くなっています。つまり、子供と一緒の入浴では、ゆっくりお風呂を楽しむリラックスタイムとはならないという、妻の不満があったと思われます。

親子の日頃のコミュニケーション(複数回答)

また、当時バスタイムは、共働き家族にとって大切なコミュニケーションの場でもありました。 親子の日頃のコミュニケーションを聞いた調査では、「一緒にごはんを食べながら」がトップで、次いで、「一緒にくつろぎながら」、「一緒にテレビを見ながら」が続き、4番目に「一緒にお風呂に入りながら」が、挙げられています。
夫婦ともにその比率は約3割と、バスタイムは親子にとって大切なコミュニケーションの場であったようです。

2.休日のバスタイムは、普段よりのんびりと

普段の入浴はいつ頃ですか。

また、別の調査では、平日や休日の入浴時間帯を聞いています。平日で最も多いのは夕食後と就寝前で、この2つの時間で約8割以上を占めています。休日は、これらの2つの時間帯の割合が減り、午前中と夕食前の割合が増えています。
共働き家族(DEWKS)と専業主婦家庭で違いがあるのが、休日の入浴で、専業主婦家庭が「午前中」や「夕食前」の比率が17%であるのに対し、共働き家族(DEWKS)は、23%と、比率が高くなっています。
当時の共働き家族(DEWKS)は、平日が忙しいぶん、休日は「午前中」や「夕食前」などに、ゆっくりお風呂に入っていたようです。

3.共働き家族は子供との入浴期間が長い

親子が一緒に入るのはいつ頃まででてしたか。

さらに共働き家族(DEWKS)に親子がいつ頃まで一緒に入浴していたか、または、いつ頃まで一緒に入浴するかを尋ねています。全体では親子同性の場合は「小学校6年生頃まで」、親子異性の場合は「小学校3年生頃まで」という回答が半数近くを占めていました。
ここでも、共働き家族(DEWKS)と専業主婦家庭では違いが見られ、親子異性の場合「小学校6年生まで」と答えた比率が、専業主婦家庭で10%であるのに対し、共働き家族(DEWKS)は29%と、約3倍近い割合になっています。
日頃、子供とのコミュニケーションの時間が不足しがちな共働き家族(DEWKS)は、たとえ異性であっても「もう少し一緒に入って子供とコミュニケーションを深めたい」と願っていた様子がうかがわれます。

4.いまどき共働き家族のバスタイム

では、いまどきの共働き家族のバスタイムは、どのように変化しているのでしょうか。
最近は、家族の絆への意識が高まったり、育児に積極的な“イクメン”が増えたこともあり、子供とのコミュニケーションを積極的に図ろうとする子育て世代の男性が多くなっています。
特に夫婦で育児・家事を分担する、いまどきの共働き家族の父親はそういった意識が高く、一緒にお風呂に入るバスタイムを親子のコミュニケーションの場の一つとして捉えているようです。

5.父と子のバスタイム「浴育」に注目

父と子の日頃のコミュニケーションはいつおこなっていますか
休日に夫がしていることTOP10(夫の平日の帰宅時間別)※複数回答

東京ガス(株)都市生活研究所が2011年に実施した(共働きの)父と子の日頃のコミュニケーションに関する調査では、子とのコミュニケーションをいつ行なっているかを聞いています。
1位と2位は、「夕食を食べながら」、「夕食後の団らん」ですが、3位に「一緒にお風呂に入りながら」がランキングしています。
また、最近は、「浴育」の他に「パパ浴」、「パパフロ」といった言葉も登場し、父と子のバスタイムが注目されています。バスタイムは、父と子にとって大切なコミュニケーションの場であると同時に、父親自身も楽しくリラックスできる、育児参加の入口として、入りやすい機会なのでしょう。
旭化成ホームズの調査でも、平日帰宅の遅い夫はそれを挽回するべく、休日での積極的な「子どもと一緒に入浴する」での関わりが見られます。
「浴育」は東京ガス(株)の登録商標です。

6.父子でのバスタイムの比率が高い共働き家族

子どもが小さいとき、一緒にお風呂に入っていたのは誰か?

2005年に第一生命経済研究所が実施した子育てに関する調査では、子供が小さいとき一緒にお風呂に入っていたのは誰かということを聞いています。全体では「主に母親だが、たまに父親」が、約4割と最も多くなっています。
一方、共働きと片働きとの比較では「主に父親だが、たまに母親」が、片働き15%に対して共働きは22%と高くなっています。また「父母半分くらいずつ」や「ほとんど父親」などを加えた父親中心の割合が、片働き家族よりも共働きの方が高くなっています。
共働き家族は、お風呂に一緒に入るなど、子どもとのふれあいの時間を大事にしているようです。

7.父と子のバスタイムは、母のリラックスタイム

25年前の共働きの妻を対象とした調査結果にもありましたが、日々仕事、育児・家事に追われる共働きの妻の、一人の時間や一人でゆっくりお風呂を楽しみたいという希望は今も昔も変わらないでしょう。
実は、父と子供が一緒にお風呂に入り、楽しいバスタイムを過ごして親子のコミュニケーションを充実させることは、妻がゆっくり一人でお風呂に入るリラックスタイムを可能にするのです。
共働き家族の入浴の時間、バスルームという空間は、子供とのコミュニケーションを充実させたい父親、親子で楽しい時間を過ごしたいと願う子供たち、そして一人でリラックスの時間が欲しいと願う母親にとって、大切な時間、空間の一つであることは間違いありません。

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