イマドキの共働き家族とは?

各自の時差を「朝だんらん」でリセット

1.共働き母の過酷な日常「共働きで子育て」が当たり前の時代に

厚生労働省がまとめた「平成20年版働く女性の実情」調査を見ると、子育てをしながら働く母親が10年前より増えていることがわかります。
全体では半数を超え、末子の年齢別に見ると、未就学児でも43%と半数近く、中学生になると8割近くの母親が働いています。
10年前よりとくに割合が増えているのが未就学児をもつ母親で、この10年で乳幼児の母親も働かなければならなくなっている実情がうかがえます。
今や「共働きで子育て」がスタンダードな時代となり、専業主婦が少数派となったのです。

家事をもっと手伝いたいと思うか

2.家事・育児の負担が大きい共働き主婦

総務省の「平成18年社会生活基本調査」によれば、末子が3歳未満の共働き世帯のうち、家事・育児にかけている時間は夫が1日あたり1時間13分。
それに対して妻は5時間53分と、負担がおよそ5倍も大きいことがわかります。
また、旭化成ホームズの調査によれば、共働き世帯の妻は家事・育児時間が幼児期で5時間、学齢期で4時間となっています。
仕事・通勤が9時間近くを占めているため、家事・育児にかける時間は専業主婦の半分程度となってしまうのです。
共働きの妻は限られた時間の中、夫より多大な負担を抱えながら仕事、家事、育児を同時に実現している(せざるを得ない)のが実情です。

主な行動の種類別生活時間(平成18年)-週全体、末子が3歳未満の共働き世帯の夫・妻(夫婦と子供の世帯)-

3.共働き母は家族と過ごす時間が欲しい

旭化成ホームズの調査によれば、子育て期に「今後増やしたい時間」は、専業主婦とフルタイムで働く主婦とで大きく異なっています。
フルタイムで働く主婦のうちの半数近くが「睡眠時間」「家族と家で一緒に過ごす時間」をあげているのに対し、専業主婦の半数以上が「仕事や収入を得るための時間」をあげています。
仕事や通勤に一日の大半の時間をとられるフルタイムで働く主婦は、家族とのコミュニケーションをもっと増やしたいと願っているのです。

妻の就業形態とライフステージによる生活バランスの変化(妻)

4.子どもの学力向上のカギは家にあり?小学生は「リビングダイニングで勉強」

学齢別 家の中で普段最も学習する場所

旭化成ホームズが2007年に実施した調査によれば、小学生のほとんどがリビングダイニング(LD)で勉強しているという結果が出ています。
つまり、小学生の勉強場所はほとんどがLDだと考えてよいでしょう。
但し同調査によれば、多くの親が「子どもがLDで勉強すると困る点がある」と答えています。
「家族がテレビやステレオを見聞きしにくい」「テーブルの周りが汚れる」「食事の準備の邪魔になる」などが主に困っていること。
すなわち、LDを使いやすい勉強空間にすることが、子どものいる住まいに求められているといえます。

小学生がリビング・ダイニングで勉強することで困っていること5大理由

5.家でのだんらんがお父さんも癒す

内閣府の「平成19年版国民生活白書」によれば、家族との会話頻度が高い人ほど精神的安らぎを感じており、「会話が十分にとれている」人で「(十分+まずまず)安らぎを感じている」が約8割に達しているのに対し、「会話がほとんどとれていない」人では、「安らぎを感じている」人は約半分の4割強しかいません。
すなわち、家族とのコミュニケーションが多ければ多いほど、働くお父さんたちの仕事の疲れによる精神的ストレスを癒すことができるといえます。


家族の会話頻度と精神的やすらぎの関係

6.家族揃っての夕食は実らぬ夢

しかしながら、旭化成ホームズの調査によれば、夕食を揃ってとっている家族は少数派です。
つまり、夕食時間に家族のコミュニケーションを図るのは難しいのが現状です。

旭化成ホームズ住生活総合研究所 「家族の生活時間」調査(2009年5月)より

7.「朝だんらん」で凝縮された貴重な家族の時間を過ごす

一方、別の調査で、お母さんが「嬉しい」と思う朝のシーンに関する自由回答580件を分析した結果が出ています。
前述のように、夕食時間は家族がそろうのは難しくとも、パパががんばって早起きをすることで、朝や朝食を家族が唯一そろう「朝だんらん」の時間として確保する家族が少なくないようです。
それは短いながら、家族が挨拶を交わし、お互いの体調をさり気なく確認したり、昨日のことをお子さんがパパに報告したりする貴重な時間。子どもの面倒を見てくれる夫の姿も、ママの幸せの素となるようです。

朝のこんな光景が嬉しい!TOP5

楽しさ・嬉しさ伝わる生声(自由記述回答より)

揃って朝食
元気な挨拶
子どもと父親が話す大切な時間

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