一緒に過ごす家族は省エネ行動をしやすい
太陽光パネルや蓄電池などエネルギーを賢く使う仕組みや、また自然の力を利用した地中熱の利用や風力発電などのエネルギー使用量を抑える仕組みなど、現代には様々な技術や工夫があります。
一方で、そもそも家庭におけるエネルギー消費量は、家族の行動(在宅時にそれぞれがどこにいて、何をしているか)を重ね合わせた結果としての住まい方により決まります。だからこそ、省エネ行動は「電気をつけてはいけない」「エアコンは抑えなければいけない」など、さまざまな禁止事項のみに注目しがちです。私たちは家族のごくごく自然で楽しい「くらし方や行動」についての調査を実施し、楽しく暮らすことが結果的に省エネ行動にも繋がるような、そんな提案を目指してきました。
まず、「場」の重なり(家族がリビングダイニング等の同じ場で過ごしながら、それぞれが異なる行為を行なうこと)や、「生活行為」の重なり(家族が同時に、あるいは続いて同じ行為を行なうこと)が大きな影響を与えると考え、住まい方とエネルギー消費量との関係について調査分析を進めました。
その結果、たとえば夕食後の家族の過ごし方と、省エネルギー行動・環境行動には関係が見られました。
夕食後に「LDKで家族全員が一緒に過ごす人」は、特に「LDKにいる家族と、すぐに個室に行く家族がいる人」に比べ、省エネルギー行動・環境行動の実行割合が高いことがわかります。
リビング等で家族が一緒に過ごすことは、各個室のエネルギーを使わないという意味で省エネになっている側面ももちろんあります。
ただそれだけではなく、一緒に過ごすことにより、家族間の意識が共有され、省エネ行動が増えるとも考えられます。