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AsahiKASEI旭化成ホームズ株式会社


   News Letter
 
    

平成26年12月3日
旭化成ホームズ株式会社

 
    
くらしノベーション研究所 研究報告書発刊

「食」にまつわる意識と行動実態の調査

~食事の支度意識の両極化傾向と意識・行動の狭間のアンビバレンス~
 
    

 旭化成ホームズ株式会社 くらしノベーション研究所(所在:東京都 新宿区、所長:松本 吉彦)は、わたしたちの生活の中心で家族のコミュニケーションや文化を育む役割を果たしている「食」にまつわる意識と行動の実態について、アンケートと写真日記を交えて調査し、本年11月に調査報告書『家庭でつくられる文化としての「食」・季節の「食」』にまとめましたのでご報告します。
  今回の調査では、共働きの増加など家事にかけられる時間は減り食の簡便化が進む一方で、30代を中心に手作り志向や食を通じて暮らしを楽しみたいという意識傾向があることや、毎日食事を手作りする家族は暮らしの満足度も高いことなどがわかりました。

   

    ◆調査報告書はくらしノベーション研究所HPよりダウンロードできます。
https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/kurashi/kenkyu/environment/report.html/
 
    I.背景   
      当社くらしノベーション研究所では、季節や時間などの環境の変化に応じた家族それぞれのすごし方やしつらえの工夫で豊かな暮らしと省エネの両立を目指す研究や、光や熱環境だけでなく家族との関係から居心地よさを研究するなど、独自の視点で心地よく住まうための住空間の提案を行ってきました。当研究所が2011年に実施した「いごこち調査報告書~いごこちのよい暮らしをつくり出すために~」では、心地よい光景として30代~50代では「食べる・食事」が1位に挙げられました。食べることは単純に食事のシーンだけでなく、くつろぎの時間や家族との会話など暮らしの中でのいろいろなシーンの中に散りばめられ、暮らしの中心にあるともいえます。共働き夫婦の増加など家族形態も変化する中で、現代の食卓に現れる食文化について明らかにすべく、今回の調査を実施しました。

   
    II.調査概要   
    調査対象:一般戸建住宅居住者719件とヘーベルハウス居住者380件の既婚女性(家族2人以上)。
              居住地は関東、東海、近畿、中国、九州北部。回答者は週5日以上夕食の調理を行ってい
              ることを条件とした。
              本報告書では主に一般戸建住宅居住者を対象とした分析結果を掲載。
調査時期:2013年9月
調査方法:ウェブ調査票によるアンケート調査と写真撮影による食日記調査
   
    .調査報告書より概略   
    (1)食事の支度に対する意識は、両極化しています。   

    ●もっとも多いのは平日も休日・記念日も「いつでも手料理にはこだわらない」



   食事の支度については、平日も休日・記念日も「いつでも手料理にはこだわらない」が最も多く、次いで「食事はいつも手をかけたい」が多いことがわかりまし た。意外にも、普段は手をかけないけれど週末や記念日には手料理を出したいと考える人は最も少なく、食事の支度に対する意識は、手をかけたい人とそう思わない人で両極化しているようです。
 
      

   (2)日常の食事の支度の簡便化・外部化が進んでいます。 

    ●「毎日夕食を手作りする」人は3割強
●「購入した冷凍食品や総菜だけで夕食にすることに抵抗を感じない」人は約3割
●40代で「出汁をとって味噌汁を作る」、「魚をさばく」人は約2割
●「一汁二菜以上が必ずある」人は約1割
 
    

  野菜や肉、魚の食材から、夕食を毎日手作りするのは33.5%、最も多いのは週5~6日手作りする人たちで36.2%です。年代別では、年代が高いほど毎日手作りする人たちが増え、60代で41.9%です。就業状態別には顕著な違いは見られませんでした。

 

   
2階ダウンフロア
1階LD
 

   
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   (3)しかし、多くの人が「食生活」を大事にしたいと考えており、食文化として受け継ぐ傾向も見られます。 

    ●日頃の生活の中で「食生活を大切にしたい」と考える人は約9割
●食事は家族一緒に取りたいと考える人は約8割
●「わが家の伝統料理・母の味」があるのは約4割。30代は60代に次いで多い傾向
●保存食作りなどの経験のある人は約9割おり、ジャム作りが約6割で1位、糠漬けや梅酒も4割が経験
●子ども時代の食の自家生産・手作り体験は、その後の食生活に受け継がれる傾向
 
    

  母や祖母・姑などから教わった「わが家の伝統料理・母の味」があるという人は41.8%です。年代別にみると、60代に次いで30代以下で多くなる傾向がみられます。30代以下は、簡便化の流れを受ける一方で、素材を味わい、家族の味を大切にする、という意識がその上の年代よりもやや強いようです。
 梅酒を漬ける、糠漬け、味噌を仕込むなどの食の生産を、子どもの頃に祖父母や両親が行っていた体験のある人は、自身も大人になってから行う傾向があります。食の生産体験は親から子に受け継がれているといえます。

   

   
2階ダウンフロア 3階子供室のダウンフロアユニット一体感と籠もり感が同居する空間
 

   (4)夕食に手をかけられない日がある人の中にも、意識面では「本当は毎日手作りしたいと思っている層(手作りアンビバレント層)」が存在します。「毎日手作りする層」と「手作りアンビバレント層」は生活全体を楽しむ傾向があり、家族関係も良好で暮らしの満足度が高い傾向があります。 

    ●意識面では手作りしたいとジレンマを抱える「手作りアンビバレント層」が約1/4存在し、30代とフルタイムワーカーに多い傾向
●「毎日手作り層」と「手作りアンビバレント層」にとって保存食や常備食はとても大切なものであり、梅酒や漬物など素材から仕
   込む経験も多い
 
    

  夕食に手をかけられない日がある人は67%と多数で、現代では家事サポートとして様々な中食・外食サービスが提供されています。しかしそのような人たちは一様ではなく、本当は手作りしたいと思っている人とそうでない人、つまり「手作りアンビバレント層」と「中食・外食層」に分かれます。「手作りアンビバレント層」はその手作り志向と、実際にできない時に生まれる感情の間でゆれながら暮らしています。

 

   
2階ダウンフロア 3階子供室のダウンフロアユニット一体感と籠もり感が同居する空間
 
    

  「毎日手作り層」と「手作りアンビバレント層」は、同様に食の手作り志向がありますが、身の回りを自分好みに手をかけて住まう傾向もあり、「食生活」だけでなく「住生活」そのものも大切にしたいと考えています。

 

   
2階ダウンフロア

 
    

  「毎日手作り層」と「手作りアンビバレント層」が毎日の食について感じていることをみると、共通して家族を想う気持ちが読み取れます。具体的には、手作りの梅干しや糠漬け、味噌などの季節を感じる保存食や、時間のあるときにたくさんつくる常備菜などの言葉がみられ、食材を仕込み、時間をかけて味わう様子が伺えます。梅酒を漬ける、家庭菜園で野菜をつくる、などの経験値も、それらの層は「中食・外食層」より高くなっています。

 

   
2階ダウンフロア

 

   
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    II.おわりに   
       現代の暮らしの中で、「食」を慈しみ、「食べる・つくる」ことを通して家族を大切にする人たちの存在、その意識と行動の特徴が明らかになりました。そのような家族への想いをサポートするため、新たな住空間コンセプトを提案することを目指し、今後さらに調査を進めてまいります。

   

   
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