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ライバル物件に差をつける空き室対策

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2014年6月24日

ライバル物件に差をつける空き室対策

この時期、賃貸市場はオフシーズンと言われていますが、住み替えを検討している入居者にとっては、良い物件を見つけるチャンスの時期と見る傾向もあるようです。この時期に空き室が続くと、家賃の値下げを考えてしまいがちですが、その前に何か対策はないか考えることが必要です。収益を維持するためにも、家賃は現状維持をキープしたいところです。この時期、空室対策にどんな注意を払えば良いのか、考えてみたいと思います。

ライバル物件を分析し、設備投資を検討する

空き室対策を考える上で、まず把握しなければならないのが、所有物件の実力です。賃貸経営は個別性が高く、そのエリアの相場やニーズにいかにマッチしているか、ライバル物件に対して優位性があるかどうかということが、入居率にも大きく影響してきます。単に家賃が高いか安いかではなく、設備も含めた相対的なコストパフォーマンスが大切になってくるのです。

まず、所有物件の実力を知るために、不動産ポータルサイトで、所有物件周辺のライバル物件の状況を調べてみましょう。
最寄りの駅から検索し、間取り、構造、駅からの距離、築年数について、所有物件と同じ条件を選びます。細かな設備も同じ条件にします。そこで、検索された物件の家賃が所有物件と比べて低いようなら、パフォーマンスが悪い可能性があります。検索条件にない要素、例えばコンビニが近くにあるとか、公園が近いとかがあれば差別化できるのですが、そうでなければ、パフォーマンスを上げる対策が必要です。その一つが、設備投資です。

注目したい「こだわり検索」の設備には、「2口以上コンロ」「温水洗浄便座」「ウォークインクローゼット」「浴室乾燥機」「宅配ボックス」「モニター付インターホン」といった設備があります。これらは、最近の新築物件では完備されている場合が多いと考えた方がいいでしょう。設備投資を考えるなら、これらの設備を中心に考えるのが良いでしょう。

所有物件の実力を知るために、不動産ポータルサイトでライバル物件と比較する。設備投資は、新築物件を参考にする。

家賃設定で差別化するのは得策か?

空き室が続くと、不動産会社も家賃の値下げを勧めてきます。もちろん、家賃を下げることで、入居者も決まりやすくなる可能性があります。しかし、同時にデメリットも生じます。それは、入居者の層が変わってくる可能性があるということです。例えば、社会人をターゲットにしたい場合、安易な値下げで学生需要を見込むより、設備を充実させた方が、注目度が上がる可能性もあります。

ポータルサイトで「こだわり検索」があるように、欲しい設備にチェックを入れた場合、その設備がない物件は閲覧すらしてもらえない、ということになります。要するに、入居者の注目度を上げるためには、なるべくこの検索にヒットするように設備を整えた方が良い、ということ。ちょっとした設備投資なら、家賃を下げるより効果的である場合も多いのです。
例えば3,000円の家賃値下げを考えていた場合、2年間で72,000円の値下げになります。それより、その費用で設備投資をして家賃を現状維持できる方が、長期的な採算面から見れば得策と言えるでしょう。

もちろん入居者からすれば家賃は低い方が良いに越したことはありませんが、一方で、欲しい設備があれば多少家賃が上がって良いとも思っているようなのです。矛盾しているように見えますが、これも入居者心理の一面。リクルート住まいカンパニーの調査でも、家賃が上がっても欲しい設備・サービスのベスト3は「24時間ゴミ出し可能」「宅配ボックス」「防犯カメラ」となっており、入居者ニーズに対応した設備投資は家賃を下げる以上の効果があることを示唆しています。

家賃を下げるか設備投資をするかは、長期的な視点で考えることが必要。設備投資の方が、得策な場合もある。

内見時に良い印象を与えるノウハウとは?

入居の決め手となる、大きなポイントの一つが内見です。今は、インターネットを見て部屋をある程度絞り込みますが、内見で最終確認をするのがほとんどです。ここで好印象を与えられなければ、ネットで見たよりも悪いと判断され、成約に結びつきません。単に部屋がクリーニングされているといったことだけではなく、良い印象を与える工夫が大切です。

不動産会社などへのヒアリングから、いくつかポイントを挙げてみましょう。

POINT 1 アプローチにワンポイントの飾り付け

外壁のクリーニングはもちろん、エントランスに季節の花や観葉植物を飾るだけで、その建物の印象はずいぶん変わります。良好な管理体制をアピールすることにもなります。

POINT 2 郵便受けのチラシ、駐輪場の放置自転車に注意

古い郵便受けはA4のチラシが入らずあふれてしまうサイズのものもあります。空き室になると、周囲にチラシが散乱しがちなので、定期的なチェックが必要です。また、放置自転車にも注意しましょう。駐輪ラックを設置すると必然的に整理されますので、オススメです。

POINT 3 芳香剤で空気を浄化

人が住んでいないと空気がよどみがちです。玄関に芳香剤を置いておけば、初めて入室した時の印象はずいぶん違います。

POINT 4 スリッパを用意

単身者でも複数で内見に来る人もいます。スリッパは3〜4組を揃えるようにしましょう。

POINT 5 トイレに消毒済みのテープを貼る

トイレは、クリーニングができているかどうかを見極められる重要な箇所です。ポイントは消毒済みのテープが貼ってあるかどうか。かつては敬遠されていた「温水洗浄便座」も今はノズルだけの交換もできます。消毒済みのテープが貼ってあるだけで、印象はまったく違ってきます。

POINT 6 メジャーとメモ帳を備える

特にファミリー物件では、部屋にどう家具を配置するか考えながら内見します。内見者がメジャーをもってくるケースもありますが、事前に備えておけば、実測しながらその場で部屋をチェックできます。メモ帳とともに部屋の間取り図もコピーしておいておくと良いでしょう。

POINT 7 POP広告で部屋の機能をアピール

POP広告とは、スーパーや家電量販店で、陳列してある商品に付けてある広告のこと。空き室にも意外な効果を発揮します。例えば玄関口に「ディンプルキーだからピッキングの心配はありません」「TVモニター付きインターホンは録画機能付き」と書いたメモを置いたり、見た目に分かりづらい特徴についても、「ペアガラスで断熱効果アップ、光熱費の節約になります」「耐震性・耐火性に優れた構造です」などと一言特徴を書いた紙を貼っておくのです。案内した不動産業者もそれを見ながら説明できるので、伝え忘れることもなくすべての特徴をアピールできます。不動産業者にとっても、こういう部屋はアピールしやすいので喜ばれます。

一階の空室を防ぐためのポイント

一階は、防犯やプライバシー確保の観点から、どうしても敬遠されてしまいます。これらも家賃以外の観点から、対策を考えてみましょう。

まずは、セキュリティの強化です。具体的には防犯強化ガラス、防犯フィルム、窓の2重ロック、玄関ドアの2ロック、ディンプルキー、TVモニター付きインターホンなどが、考えられます。泥棒は侵入に5分以上かかると判断するとあきらめると言われており、さほど大きな費用もかかりませんので、ぜひ導入を検討したいところです。また、最近は、賃貸住宅でもホームセキュリティを採用するケースが増えてきました。はじめから、全室完備しているものから、オプションで希望者のみに採用するタイプがあります。また導入した防犯設備は、しっかり入居者にアピールしましょう。

プライバシーの確保については、目隠しが効果的に配置されているかどうかです。また、防犯上も人気が高いのが、室内物干し金物です。天井から、物干し竿を通す金物が下がっていて、不要な時は取り外すことが可能なタイプもあります。不動産会社によっては店舗に見本を備え付け、入居者に説明しているところもあります。特に女性入居者にとっては必須の設備と言えるでしょう。

室内物干し金物
室内物干し金物

競争力を維持し、空き室を出さないためには、こまめに相場のチェックやメンテナンスに気を付けることです。
また、もう一つの究極の空き室対策は「一括借上げ」です。管理料はかかるものの、空き室対策に対する労力と考えれば、失敗がないだけに費用対効果は高いと言えます。空き室がなくなれば、安定した収入が確保でき、今後の修繕などを踏まえた収支計画も立てやすくなります。新築の時には検討しましょう。

一階の空き室対策は、セキュリティ強化、プライバシー確保の2つのポイントで、設備を見直すこと。

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