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賃貸住宅経営は「所有と経営の分離」へ

経営ノウハウ

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2020年9月23日

賃貸住宅経営は「所有と経営の分離」へ

今年、「賃貸管理適正化法」が国会で成立しました。この法律は、近年増加する賃貸住宅の管理に関するトラブルに起因したもので、一部の悪質な業者から、オーナーや入居者を守るため整備されました。今や賃貸管理は高度化し、専門業者に依頼するケースが増えました。さらに、空室リスクを回避できるサブリース(一括借上げ)も増加しています。今回は、この法律の内容を確認すると共に、あらためて賃貸住宅の管理について考えたいと思います。

賃貸管理適正化法とは

2020年6月12日「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、賃貸管理適正化法)」が成立しました。
近年、賃貸管理は高度化し専門の知識が必要なことから、賃貸管理そのものがビジネスとして拡大、さらに空室保証を含めた管理一切を任せるサブリース方式も増加し、今では主流になっています。

一方で、悪質なサブリース会社や賃貸管理契約により、オーナーとのトラブルが増加していました。特にサブリースの家賃保証等の契約条件の誤認を原因とするトラブルが多発し社会問題となったほどです。例えば、将来的に賃料減額の可能性があることを契約時に説明せず、数年後一方的に賃料を大幅に減額するトラブルです。

賃貸管理適正化法は、悪質なサブリース会社や賃貸管理会社からオーナー、そして入居者を守るために制定された法律です。
ポイントは、「サブリース業者への規制」「管理業者の登録」「賃貸不動産経営管理士等の専門家の設置」「オーナーへの重要事項説明」などが義務化されたことです。概要は以下の通りです。

1.サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置(2020年12月施行予定)

以下、違反者に対しては、業務停止命令や罰金等の措置により、実効性を担保。

(1) 不当な勧誘行為の禁止
サブリース業者・勧誘者による特定賃貸借契約(一括借上げ等)の勧誘時に、家賃の減額リスクなどオーナー等の判断に影響を及ぼす事項について故意に事実を告げず、又は不実を告げる行為を禁止する。

(2) 特定賃貸借契約締結前の重要事項説明
特定賃貸借契約の締結前に、家賃、契約期間等を記載した書面を交付して説明する。

2.賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設(2021年6月施行予定)

賃貸住宅における良好な居住環境の確保を図るとともに、不良業者を排除し、業界の健全な発展・育成を図るため、賃貸住宅管理業者の登録制度を創設する。

(1) 賃貸住宅管理業の登録
委託を受けて賃貸住宅管理業務(賃貸住宅の維持保全、金銭の管理)を行う事業を営もうとする者について、国土交通大臣の登録を義務付ける。※管理戸数が一定規模未満の者は対象外

(2) 賃貸住宅管理業者の業務における義務付け
① 業務管理者の配置
事務所毎に、賃貸住宅管理の知識・経験等を有する者を配置する。
② 管理受託契約締結前の重要事項の説明
具体的な管理業務の内容・実施方法等について書面を交付して説明する。
③ 財産の分別管理
管理する家賃等について、自己の固有の財産等と分別して管理する。
④ 定期報告
業務の実施状況等について、管理受託契約の相手方に対して定期的に報告する。

管理業務が高度化し、サブリースを含め管理は専門業者に任せる時代に。一方で、悪質なサブリース・管理会社によるトラブルが増加。オーナーを守るために賃貸管理適正化法が成立。

オーナーとして気をつけること-登録業者と契約内容の確認

賃貸住宅オーナーとしては、賃貸管理適正化法に対してどう対応すればよいのでしょうか。
一つは、サブリース会社、管理会社の選択が重要になってきます。
まずは管理業者が登録業者として登録されているかどうかを確認することです。登録業者については、国土交通省の「建設業者・宅建業者等 企情報検索システム」で検索できます。この登録制度自体は2011年に始まっていますが、2021年6月からは登録が義務化されます。一つの目安にはなりますので、まず検索してみましょう。

国土交通省の「建設業者・宅建業者等 企情報検索システム」の検索画面

次に重要なのは、契約内容の確認です。大手のサブリース会社でも契約内容の誤認が見られたのは「家賃」についてです。家賃は2年ごとに見直すケースが多く、減額となることもあるのですが、家賃はずっと変わらないと誤認していたオーナーが多く、トラブルにつながりました。この点については、重要事項説明でしっかりと説明することが義務づけられます。
合わせて、管理費の詳細、免責の有無、契約更新・解除などについても、しっかりと契約内容を確認することが大切です。

サブリース・管理会社の見極めが大切。登録業者であるかの確認、契約内容の確認は必要不可欠。

賃貸不動産経営管理士の台頭、賃貸管理はプロに任せる時代

賃貸管理適正化法の一つの義務に「業務管理者の選任・配置」とあります。今のところは、「事務所ごとに賃貸住宅管理の知識・経験等を有する者を配置」としか明記されていませんが、この業務管理者として想定されている適任者が「賃貸不動産経営管理士」です。

賃貸不動産経営管理士とは、2007年に資格制度が開始された、賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家です。今回の法律の成立により、国家資格化も期待されています。

賃貸不動産経営管理士が行う業務範囲は広く、オーナーと管理業務を受託する契約から始まり、契約終了まで様々な業務があります。加えて経営をサポートする「管理業務報告」「節税や相続に関する相談・提案への協力業務」までも行うとしています。

賃貸不動産管理業務

これだけの業務を行うには専門家でなければ難しい時代になってきました。つまり、20年、30年といった長期間、経営を安定させるのはこの管理業務にかかっているといっても過言ではありません。賃貸経営成功の鍵は「管理」にあるのです。

賃貸住宅の管理については、バックナンバー「賃貸経営を成功に導く!今どきの賃貸管理」でも解説しています。ご覧ください。

賃貸経営に関する管理業務は多岐にわたる。賃貸不動産経営管理士などの資格を持った専門家に任せる時代に変わってきている。

一括借上げは空室リスク回避と経営代行の機能を持つ

ここで、一括借上げ(サブリース)のメリットをおさらいしておきたいと思います。

■メリット1-空室リスクを回避でき、計画的に安定収入が得られる

賃貸経営にとって、最も大きな空室リスクを回避することができます。オーナーは借上げ会社に建物1棟を賃貸し、借上げ会社が一般の入居者に転貸します。仮に何部屋か空室が出たとしても、賃料は建物1棟分が毎月、借上げ会社から支払われます。家賃滞納があった場合も同様です。
ただし、賃料そのものは2年ごとに見直しがあり、賃料減額もあり得ます。とはいえ、比較的変動率は少なく、安定した収入が得られます。また、HEBEL HAUSでは当初10年間の賃料固定型 の30年一括借上げシステムも用意しています。この場合は、当初10年間賃料の見直しはありませんので、より安定的な収支計画が望めるでしょう。

■メリット2-賃貸経営に関わる管理・運営業務を代行

これまで説明した通り、賃貸管理は片手間にできることではありません。高度化した賃貸住宅の管理・運営業務、いわば経営代行の機能が一括借上げにはあります。
最近では、オーナーの高齢化や会社員など本業との兼業化の影響で、特にこのメリットが高く評価されています。これは、所有と経営の分離で、多くのオーナーがこのスタイルで土地活用を進めています。

■一括借上げのしくみ

今回の賃貸管理適正化法の成立で、あらためて一括借上げのことが正しく理解されれば、そのメリットの優位性が長期の競争力維持のためにも必要不可欠なものと認識されていくものと思われます。
今後の賃貸経営は「所有と経営」の分離の時代へと進んでいくでしょう。

賃貸経営は「所有と経営」の分離の時代に。一括借り上げは、今後、長期安定経営のスタンダードになる。

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