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増税で相続税の対象者が急増! ~国税庁発表(平成28年12月15日)より~

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2017年1月24日

増税で相続税の対象者が急増! ~国税庁発表(平成28年12月15日)より~

平成27年1月1日からの相続税増税の影響で、これまで相続税とは無縁だった人が課税対象者になると、マスコミなどでも随分話題になりました。今回、国税庁から平成27年の相続税申告状況が発表されましたが、対象者の増加は予想を超えるものでした。

相続税増税の内容とその余波

相続税の増税は平成27年1月1日から発生した相続から適用されています。ここで、あらためておさらいすると大きな変更点は、相続税の基礎控除が4割削減されたことです。

増税前の基礎控除は「5,000万円+法定相続人の数×1,000万円」でした。これが「3,000万円+法定相続人の数×600万円」に引き下げられました。
仮に妻と子ども2人が相続すると増税前では基礎控除が8,000万円もありましたが、増税後は4,800万円になります。さらに二次相続で子ども2人が相続すると、増税前の基礎控除は7,000万円、増税後は4,200万円です。

■相続税の基礎控除が4割縮小

こうなると、東京23区はもちろん、八王子市、さいたま市大宮区、千葉市中央区、平塚市など郊外の駅近くに自宅がある場合、土地評価だけで基礎控除をオーバーしてしまうことも少なくないでしょう。今まで、相続税とは無縁だった一般のサラリーマン家庭でも課税対象になると言われている理由がここにあります。相続税の増税は、施行前から週刊誌などでも騒がれていましたので、ご存じの方も多いでしょう。土地オーナーにとっては、これだけ基礎控除が引き下げられると、増税は必至です。また、相続税の最高税率は50%から55%になったことも注意しなければなりません。
相続税改正による影響についてはバックナンバー「今年からココが変わる!! 相続大増税時代へ!」で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。

平成27年からスタートした新相続税制では、基礎控除が4割削減されたことで大増税に。

相続税対象者が約1.8倍、全体の8%に急増して過去最高を記録!

国税庁では、毎年相続税の申告状況のデータを発表していますが、平成27年分については、相続税が増税されてから初めてのデータとなります。

平成27年中に亡くなった方は約129万人、その内、相続税の課税対象となった被相続人は約10万3千人でした。前年は約5万6千人でしたので約1.8倍も増えました。課税割合で見ると、この十数年は全体の約4%台で推移していましたが、今回は8.0%に急増しました。予想では6%台になると見られていましたので、それを大きく上回ったことになります。

■被相続人数の推移と課税割合の推移

エリアを絞って、東京国税局(管轄:東京都、神奈川県、千葉県、山梨県)で相続税の課税割合を見ると、6〜7%台で推移していましたが、12.7%に急増しています。これは、亡くなられた被相続人約8人に1人の計算になります。
さらにエリアを絞ると、東京都の課税割合は15.7%と高く、実に6.3人に1人の計算です。相続税はとても身近な問題となったことが分かります。おそらく、実感がないまま何の対策も講じず、気がついたら課税対象者だったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、税額で見ると、全体で18,116億円で前年比30.3%増加ですが、被相続人1人あたりの税額は1,758万円で前年比28.9%減少しています。この数字も、基礎控除が削減されたことにより、課税対象が広がったということを表しています。

■東京国税庁管轄の被相続人数の推移と課税割合の推移

相続税の課税対象者が急増し、課税割合は過去最高の8%に。地価の高い東京都で見ると課税割合は15.7%、6.3に1人が課税対象者となり、相続税は身近な問題になった。

相続税に大きな影響がある土地の相続評価

相続財産の内訳で最も大きいのが土地です。土地の相続評価は路線価で計算します。路線価は公示地価の8割を目安に設定されています。毎年、公示地価、路線価が発表されるとこのコーナーでも解説しますが、この数年の三大都市圏では地価が上昇しています。これも、相続税の課税対象者が急増した理由の一つだと思われます。
東京圏では、駅に近い土地なら30坪くらいでも相続税が発生するケースが出ているようです。逆に考えると、土地の評価をいかに軽減させるかが相続税対策の大きなポイントとなるのです。

土地の相続評価は、その土地の利用状況で様々な軽減措置が受けられます。
何も利用されていない更地は100%評価です。逆に最も大きな軽減措置を受けられるのが、小規模宅地等の特例です。特に自宅の場合、要件を満たせば、評価額は8割も軽減されます。
例えば評価額が1億円の土地の場合、更地だと1億円の評価、自宅の土地だと2,000万円の評価ということになります。かつては、この小規模宅地の特例の要件が緩く、ほとんどが適応していたのですが、この特例も要件が厳しくなり、今では適応させるのが非常に難しくなっているので注意が必要です。
特に、難しいのが二次相続の場合です。要件の一つに相続した実家に相続人が住まなければならないというのがあります。住む相続人がいなければ、更地同様の100%評価となってしまいます。
近年の家族形態を考えると、子ども世代は独立して別に住まいを構えるのが一般的です。実家は、やがて空き家となってしまいますが、東京のように地価の高い地域では、単に空き家になるというだけではなく、相続税という大きな問題が浮上してくるのです。
一方、小規模宅地の特例には自宅だけではなく、賃貸住宅の場合は50%の評価減が受けられます。これもうまく活用すれば、節税効果が期待できます。

■3種類の小規模宅地等の特例

もう一つ土地評価を軽減させるのが、「貸家建付地」の評価減です。土地に賃貸住宅を建てると入居者の間接的な利用の権利分を差し引いて評価されるのです。具体的には、借地権割合に借家権割合を乗じた割合が差し引かれ、一般的には約2割ほど評価が下がります。
また、先の小規模宅地の特例と併用することで大きな評価の引き下げが可能です。

小規模宅地の特例、貸家建付地については、バックナンバー「相続対策の決め手"小規模宅地等の特例"の活用法」、「相続・贈与の基礎知識/財産評価の引き下げ編」で詳しく解説しています。そちらもあわせてご覧ください。

相続税の課税対象になるかどうかの決め手は、土地の評価をいかに軽減するかに関わる。様々な軽減措置を利用すること。

土地オーナーの相続税対策のポイント

相続税対策の王道は、資産の評価を引き下げることです。特に効果が高いのが土地評価の引き下げです。土地は、活用することで、大きく評価が下がります。更地や青空駐車場は、納税資金確保のため売却するつもりであれば別ですが、相続税対策としての効果はなく、相続税で大きな負担を強いられることになります。また実家については、二次相続後に空き家となり小規模宅地の特例も使えないと、予想外の相続税がかかってしまうことがあります。土地オーナーは計画的に対策を立てることが必要になってきます。

土地活用による相続税対策の中でも、有効な手段の一つが賃貸住宅建築です。更地はもちろんのこと、実家の二次相続対策など、様々な活用ができ、節税効果も大きな期待ができます。
一括借上げを活用すれば、初めてでも賃貸経営できるのがメリットでもあります。ただし、賃貸経営は一つの事業です。中長期を見据えて、綿密な市場調査に基づいた最適なプランニングをしないと、ゆくゆくは空室が埋まらず収入や返済の計画が思い通りにならないこともあります。住宅メーカーなどパートナー選びがポイントとなるでしょう。

相続税の増税に加え地価上昇も進み、土地オーナーにとっては、相続税の負担が大きくなるばかりです。しっかりとした土地活用計画を専門家と共に行うのが必須です。

賃貸経営や土地活用については、「はじめてのアパート経営 3つのメリット」や「土地活用の基礎知識」でも解説しています。

相続税対策で効果が高いのが、土地評価の引き下げ。賃貸住宅建築による土地活用は節税効果が高いが、綿密な事業計画が必要。

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