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一人暮らしの実態から入居者ニーズを探る

入居者トレンド

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2013年3月 5日

一人暮らしの実態から入居者ニーズを探る

3月は賃貸市場の繁忙期でもあります。しかし繁忙期を過ぎて入居者が決まらないと、しばらく苦戦することが予想されます。繁忙期の間に入居者を確保するのが、安定経営への近道です。そこで、今回は調査「一人暮らしの実状と部屋探しについて」(アットホーム調べ:首都圏で一人暮らしをしている18〜29 歳の学生・社会人計800 人を対象)から入居者ニーズを探ってみたいと思います。入居者募集条件や設備投資の参考にしてください。

女性の方が高家賃!ー家賃の希望と現実のギャップ

首都圏の単身社会人が負担している家賃の平均は6.11万円でした。前回(2011年10月)調査と比べると3,800円のマイナスです。今は景気回復の兆しが現れつつありますが、消費者にまではその兆候は見えていませんので、家賃相場もこの状態が続いている、つまり弱含みと見て良いでしょう。

次に男女差で見てみると、男性は平均5.93万円と全体平均を下回り、女性は平均6.29万円と全体平均を上回っています。同じ調査で収入も聞いていますが、女性は男性より1.4万円少ないという結果が出ています。それでも家賃は3,600円高いということです。住まいに対しては、女性の方がこだわりがあるようです。

一方、希望の家賃は男性が平均5.23万円に対して、女性は5.07万円と今度は男性の方が高いという結果に。現実と希望のギャップは女性の方が大きいようです。希望はあくまで希望ですが、希望家賃は将来への経済的不安の表れかもしれません。

■社会人の現在の家賃ー男女の比較
社会人の現在の家賃ー男女の比較

家賃相場は依然、弱含みが続いている。女性単身者の方が家賃は高め。

1Kではもう狭い!?ー間取りの希望と現実のギャップ

社会人の現在住んでいる間取りで最も多いのは、1Kで53.3%とほぼ半数です。ワンルームと合わせると71.3%で、これが現実の単身者の主流の間取りと言っていいでしょう。これは学生でも同じ傾向にあります。
これが、希望の広さとなるとワンルーム・1Kは全体で26.3%と約半分に減少します。代わって、1DK・25.5%、1LDK・27.5%、合わせて52.5%と、こちらが希望の間取りの主流になっています。
家賃の現実と希望が弱含みの中、間取りの希望は一気に拡大傾向にあります。

実際、最近の単身者用の新築物件は1DK、1LDKが増えてきているようです。ここで注意したいのが、物件周辺のエリアのニーズです。確かに、1DK、1LDKはニーズがあります。1LDKの場合は単身者だけでなく、新婚ニーズにも適用できます。ただ、エリア内で1DK、1LDKが供給過剰になってしまえば、競争が厳しくなるばかりです。また、面積が広くなる分、家賃が上げられなければ採算性が悪化します。エリアでのニーズをしっかりと見極めたいものです。

また男女差で見ると、現在の間取りは男性のワンルーム・1Kが63.5%に対し、女性は79.0%と多く、狭い間取りが多い傾向にあります。女性の方が家賃が高かったので、その分間取りも広めかと思いましたが、これは、広さよりも駅からの近さやグレードにこだわった結果と言えるかもしれません。

■社会人の現在の間取りと希望の間取り
社会人の現在の間取りと希望の間取り

単身者の希望の間取りは、1DK・1LDKに大きく変化。

防音や耐震性能の人気が急上昇!ー重視する設備、環境

「今後住まいを探すとしたら重視する設備は?」の回答の第1位は“独立したバス・トイレ”で82.8%と圧倒的でした。もはや、これは常識とも言えるでしょう。十数年前のデータなら、第1位はシャワー付きでした。注目すべきは、2位以下です。
2位は“収納スペース(幅180cm程度) ”。今はウォークイン・クローゼットも珍しくなく、かなりのアピールポイントになります。3位が“フローリング”。これは和室から洋室志向への表れです。4位が“2口以上のコンロ”。調査対象者は単身者です。かつては単身者の自炊設備は重視されていませんでしたが、今は自炊が増える傾向にあり、キッチンそのものが重要な設備になっています。

そして、5位が“防音(遮音)”でした。これは「現在の住まいを探した際」に圏外だったものです。実際、最近の入居者は音に対して敏感になったという不動産会社の声をよく聞きます。外部からの防音対策としては、二重サッシにするなどで対策できますが、入居者同士の音トラブルに関しては、マナーの問題によることが多いので、入居の際に十分に注意を促す必要があるでしょう。

その他、注目すべきは10位の“耐震構造”です。「今後重視する環境(立地)」の回答では、“災害(地震・水害・液状化)に強い”が6位にランクされ、特に男女差が大きかったのがこの項目です。女性の回答率は男性の2倍でした。震災の影響は女性の住まい探しに大きく影響しているようです。耐震性の高い建物は特に女性に大きくアピールできるでしょう。

■今後住まいを探すとしたら重視する設備
今後住まいを探すとしたら重視する設備

防音、防災(地震、水害など)性能が賃貸住宅にも求められている。

ネットで決める部屋探しー写真や動画のどこに注目して見ているのか?

昨今の部屋探しで、なくてはならないのがインターネットの情報。というより、もはやネットで決定すると言っても決して言い過ぎではありません。不動産会社の営業スタンスも対面でのアピールよりも、メールのやりとりの中でいかにアピールするかにかかっていると言います。アンケートの結果では、メールや電話で問い合わせた不動産会社の数、訪問した数、内見した物件数について聞きました。平均像は、1社に問い合わせをし、1社を訪問し、1〜3件の内見した、という結果に。内見ゼロも少なからずいます。この傾向はますます顕著になるでしょう。となるとネット情報で重要なのが、物件の写真や動画です。

「写真・動画を見たいと思った、また見て良かったと思う部分」のランキングを見ると、ベスト3は“風呂”“トイレ”“キッチン”でした。これは、社会人も学生も同様です。特に水廻りをチェックしたという結果になりました。水廻りは、汚れや設備の古さが出やすい箇所です。設備のグレードアップを図るなら、水廻りを一番に検討した方が良さそうです。
例えば、風呂は鏡やシャワーを交換するだけでも見栄えは良くなります。トイレは、温水洗浄便座を入れたり、キッチンは、「今後住まいを探すとしたら重視する設備」にもあった2口コンロにしたり、丸ごと取り替える方法もあります。

また、実物をよくするのはもちろんですが、写真の写り映えも十分にチェックする必要があります。部屋探しをネットだけで決めるのならば、入居者にとっては写真や動画が全てになります。よりよく見せるため、露出を明るくする、広角のレンズで部屋を広く見せるなど、写真のテクニックが要求されます。ここは、不動産会社とも相談した方が良いでしょう。
次回では、設備についてもう少し細かくニーズを見ていきます。

■写真・動画を見たいと思った、また見て良かったと思う部分
写真・動画を見たいと思った、また見て良かったと思う部分

入居者はインターネットの写真・動画で部屋を決める傾向が顕著に

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