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家賃が上がっても欲しい設備とは?

入居者トレンド

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2013年7月 9日

家賃が上がっても欲しい設備とは?

部屋選びで決め手となる設備、あれば便利だと思っている設備やサービスは何か?言い換えれば、それは家賃が高くなっても欲しい設備でもあります。先頃、リクルート住まいカンパニーと21C.研究会の共同による「第6回首都圏賃貸住宅市場における入居者ニーズと意識調査2012-2013」の結果が発表されました。そこには、昨今の入居者のライフスタイルを反映した設備やサービスへのニーズが浮き彫りとなっています。

不在時でも安心・便利な設備に注目度アップ--家賃が上がっても欲しいサービス・設備とは?

入居希望者は部屋選びの際、何を決め手に選ぶのか? 何が入居者にアピールできる設備なのか? もちろん家賃との兼ね合いもあると思いますが、本当に欲しい設備なら、多少家賃が上がっても入居したいと思うはずです。

「多少家賃が上がっても欲しいサービス・設備は?」の質問で、最も多かったのが“24時間ゴミ出し可能”でした。アンケートは「ひとり暮らし」「ふたり〜ファミリー」の両方に聞いていますが、忙しい現代人のライフスタイルを表しているといったところでしょうか。賃貸住宅の入居者トラブルでもゴミ問題は多く見られます。つまり、決められた曜日や時間通りにゴミが出されていないなど、近隣から苦情がくるケースです。自治体によっては、ゴミの分別が何種類も分けられていますので、それもルール違反には苦情がきます。分譲マンションなどでは、鍵の付いたゴミ収集室があり、管理人が管理していれば24時間のゴミ出しも可能なのですが、賃貸ではなかなか難しいかもしれません。ゴミ出しは非常に面倒な家事の一つですが、近隣とのトラブルをなくすためにも、専用のゴミボックスを設置することなどは有効でしょう。

次にランキングされたのが“宅配ボックス”です。これは、今のネット社会を考えるとかなり利便性が高い設備と言えます。ネットショッピングは年々増加傾向にあり、20代、30代の利用者が最も多いようです。しかし、ネットショッピングは日中不在な社会人にとっては、受け取りが問題。時間指定配達やコンビニ受け取りもありますが、宅配ボックスがあればもっと気軽に利用できます。
宅配ボックスの優位性は以前から注目されていましたが、スペースの問題でなかなか普及には至りませんでした。しかし、最近の新築アパートでは宅配ボックス付きが増えてきています。既存のアパートに設置するには、エントランスなどに設置スペースが必要ですが、コンパクトなサイズのものも増えてきましたので、検討してみてはいかがでしょうか?

3番目に多かったのが“防犯カメラ”、4番目も“録画機能履歴付きオートロック”で、セキュリティへの関心の高さが伺えます。特に女性の単身者には、アピール度が高い設備です。今回のアンケートでは、「ふたり〜ファミリー」のほうが「ひとり暮らし」よりポイントが高い結果でした。
これらの設備機器に関しては、設備メーカーの商品開発にも関わってきます。低コストで機能の優れた設備が開発されれば、普及も早くなります。例えばモニター付きインターホンなどは、後付けでも比較的低コストで付けられるようになり、普及が進んでいます。このあたりは、日進月歩の世界なので設備機器の新商品情報にも注目しておきたいところです。

また、上記以外では、“トランクルーム(外部収納)”17.3%や“共有部の頻度の高い清掃”13.4%といった項目もありました。一方、“多少家賃が上がっても欲しい設備・サービスはない”との回答も24.1%ありました。

■家賃が上がっても欲しいサービス・設備

1位

24時間ゴミ出し可能

41.1%

2位

宅配ボックス

28.4%

3位

防犯カメラ

24.3%

不在時の不便を補ってくれる設備やセキュリティを高める設備を求める結果に。ニーズの高い設備の情報収集も大切。

潜在ニーズはまだまだある--お金を払ってでも受けたいサービスは?

次はプラスアルファでお金を払ってでも受けたいサービスです。
1位は“プロバイダサービス(光通信)”でした。これは、今の時代には不可欠のもので、今はインターネット無料を打ち出すアパートもあるほどです。若い人の中には、テレビはないがパソコンはある、という人もいます。設備としてはケーブルテレビを経由してインターネットを利用している場合もあるでしょう。4位にも“WIFIサービス”があります。これも無線によるインターネットサービスです。これらは、今後スマートホンや通信会社のサービスの進化で仕様や使い勝手が変わることも考えられますが、最低限、光通信が使えるように設備だけは整えたいものです。

2位は“ゴキブリ・ダニなどの防虫駆除サービス”です。現実的には、あまり聞かないサービスですが、入居前にこんなサービスがあれば有料でも受けたいというところでしょう。中にはアレルギーの方もいると思いますので、有料サービスメニューとして準備できるか、管理会社に相談してみるのも良いでしょう。

3位は“クリーニング受付サービス”。これも単身者や共働き夫婦では、悩みの種。最近、ワイシャツなどは形状記憶のタイプが普及していますので、以前よりはクリーニングの利用は少なくなっているかもしれませんが、あると便利なサービスのようです。これは、クリーニング会社と提携するなど導入には少し手間がかかりそうです。

その他“防災用品・非常時用の備蓄サービス”“カーシェアリング”“水宅配サービス”があります。防災用品については、建物の耐震性同様、地震など自然災害への関心の高さが伺えます。
いずれも、アンケートは選択制なので、もっとこんなサービスがあったら、という潜在的なニーズは他にもありそうです。例えば、都心部がほとんどですが、賃貸でもホームセキュリティを有料で用意している不動産管理会社もあります。これらは、管理面でのサービスということになりそうです。管理会社といろいろ検討してみるのも良いでしょう。

■お金を払ってでも受けたいサービス

1位

プロバイダーサービス(光通信)

33.0%

2位

ゴキブリ・ダニなどの防虫駆除サービス

30.3%

3位

クリーニング受付サービス

25.8%

お金を払ってでも受けたいサービスは多岐にわたる。潜在的なニーズが掘り起こせれば、競争力はアップする。

生活家電付き賃貸が人気!?--初期設備として希望する設備と仕様

最近は、家具付きの賃貸も少なからず見られるようになりました。しかもインテリアコーディネーターによるものが多く、写真写りも良いので、ホームページでの印象はかなりアップします。特に単身者には、家具を買いそろえる必要もないので好評のようです。このアンケートでは、すでに常識化しているクーラーなどは省いています。いずれも、これまで見てきた設備ほどポイントは高くありませんが、検討の余地はありそうです。

1位は“壁掛け薄型TV”。7位にも“TV”が入っています。TVは随分、価格も安くなりましたし、壁掛けかどうかは別にして、設備投資としては、費用対効果が高いかもしれません。

2位は“洗濯機”。これも引っ越しの時に買いそろえたり、持っていったりするのは面倒ということでしょう。入居者が入れ替わったあとは衛生面での心配も考えられますが、クリーニングや消毒をすれば問題ないということでしょう。温水洗浄便座もかつては、人が使ったあとのものは敬遠される傾向にありましたが、ノズルの先端の交換などができるため、最近ではほとんどそういう声は聞きません。むしろ、温水洗浄便座も一般的な設備になりつつあります。
また、洗濯面でいうと室内物干しが、隠れた人気設備です。特に女性単身者などは、室内干しできる室内物干しが必須の設備といえるでしょう。入居者に説明するため、実物を展示している不動産会社もあります。

3位も洗濯に関する設備で“乾燥機”。多少場所はとりますが、小型のもので4万円くらいからあります。お金を払ってでも受けたいサービスで見た“クリーニング受付”など、洗濯に関する機能、利便性を高める設備はアピール度が高いようです。

4位以下は“冷蔵庫”、“カーテン”、“電子レンジ”と続きます。つまり、最低限そろえなければならない家電は、最初から付いていてほしいということになります。特に単身者にその傾向は強いようです。

■初期設備として希望する設備と仕様

1位

壁掛け薄型TV

16.9%

2位

洗濯機

15.4%

3位

乾燥機

15.2%

単身者には、生活家電付きはアピールポイントになる。いずれも設備投資としては、導入しやすい。

生活費に直結するエコ設備の認知と需要

節電、省エネの意識が高い昨今ですが、賃貸住宅では、どの程度エコ設備が求められているのでしょうか。エコ設備について知っているか、欲しいと感じているかを聞きました。

1位は“LED照明”。今は照明機器付きも増えてきました。LEDは自分で買うと高価ですし、賃貸ではメリットの一つである長寿命はあまり関係なく、手が出しづらいものです。しかし、それだけに初めから備わっていればアピール度は高いでしょう。

2位は“断熱サッシ(複層ガラス)”。これは、セキュリティの面でも効果があります。特に1階の部屋のみ複層ガラスにして、セキュリティ強化をアピールすると効果があります。

3位は2位と同様に窓の断熱性をアップする“窓に遮熱フィルム”です。夏のピーク電力の節電が話題になりましたので、夏の暑さを防ぐ機能が目に付いているようですが、家庭では実は夏よりも冬のほうが電気を多く使うのが実態です。いずれにせよ、断熱によって節電しようというものです。

エコの意識は高まっています。省エネは、結果的に生活費のランニングコストを抑えることになりますので、エコ設備が整っていれば、そのことを大いにアピールできます。設備投資として検討してみてはいかがでしょうか。

■知っていて、欲しいと感じるエコ設備

1位

LED照明

70.6%

2位

断熱サッシ(複層ガラス)

59.5%

3位

窓に遮熱フィルム

57.4%

エコの意識は高まっているため、入居者へのアピール度は高い。これらの設備も導入はしやすい。

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