ご計画から完成までのストーリー
道路延長を見越しスペースを確保
東京都世田谷区に生産緑地を含む広大な敷地を所有されているY氏。ご年齢を考え、これまで農地として活用されていたスペースの縮小と、新たな土地活用を計画され、建築プランの依頼を旭化成にいただきました。
Y氏が営農されているのは、所有する敷地の中でも奥まった位置にある、道路に接していない場所。北側が生産緑地、南側が宅地化農地に指定されていて、宅地化農地の西側には2階建賃貸マンションと駐車場が設けられています。
旭化成では開発に関わる制約の少ない宅地化農地を活用し、賃貸マンションを建設するプランをご提案。周囲の環境を考えると一戸建ての需要も高いのですが、接道が不十分なため、区画を分けて一戸建ての貸家を建てることは不可能でした。その制約の中で、今この敷地を最大限に活用するには何が最適かを考えました。
さらに、賃貸マンションは敷地の南側に寄せ、北側に駐輪場や広いアプローチを配置。将来的に道路の延長が可能になったときに、そこにスムーズに作ることができます。接道すれば将来、生産緑地の指定をはずすときに貸家や賃貸マンションを建てられるし、売却も考えられます。このプランは、将来の土地活用の選択肢を広げたことでY氏に安心感をお持ちいただけました。
資産の整備・確認で相続をよりスムーズに
他の敷地の有効活用を視野に入れながら、周囲の環境や既存の賃貸マンションとも調和するファミリー向けマンションを、というY氏の要望に、建ぺい率・容積率を最大限に活用した3階建をご提案しました。1戸あたり55平米前後の2LDKを15戸配して、収益性を高めるのはもちろんのこと、採光・通風などの居住性にも配慮をしました。また、ファミリー向けということに着目し、子どもを遊ばせたり、家族同士のコミュニケーションの場となるよう、1階エントランスに吹き抜けの中庭を設け、ベンチを配置しました。
また、隣接する駐車場は入口が狭く稼働率が低下していましたが、今回のマンション建設と、入口の整備によって満車状態に。既存マンションのごみ置き場や駐輪場の整備も合わせて行われました。
新しい賃貸マンションはお引渡し時にすでに満室。将来のスムーズな相続に向けて、敷地整理や資産の確認も含めたご提案ができました。
1棟目の賃貸マンション建設から約20年にわたるY氏とのお付き合いから生まれた長期的なコンサルティングに、Y氏からも高い評価をいただいています。