ご計画から完成までのストーリー
収益性だけでなく、これから求められ続ける建物を追求
マンションや一戸建てが混在する住宅地の中で、南欧のリゾートを思わせる明るく美しい佇まいの賃貸住宅があります。オーナーは神奈川県横浜市のS氏。老朽化した自宅とアパートの建て替えを機に新たな土地活用をと、旭化成ホームズにご依頼をいただきました。
「建て替えの話が出たときに息子が『今は賃貸住宅の供給が多いから、高級感のある建物を作らないと、駅から近いだけでは入居者は集まらない』と言ったのがことの始まりでした」とS氏はおっしゃいます。
ご子息のお考えは、当時から社内にあったこれからの賃貸経営のあり方と方針が一致するものでした。机上ではワンルームを並べて戸数を確保するプランの方が高い収益性を望めますが、実際にはそれで入居者に快適な住空間を提供できるのか、それができなければ賃貸経営は成功しないだろうという考えを共有し、土地活用の計画を進めていきました。
外観・外構へのこだわりを優れた設計力で形に
ご子息が希望されたのは、北側の片廊下のような暗い場所から住戸へ入るのではなく、公園のような明るいパブリックなスペースからそれぞれのプライベート空間に入るスタイルでした。
そこでCGなどを使ったシミュレーションを何度も重ねてS氏のイメージとの共有化を行い、外観・外構、室内のトータルなプランをご提案しました。中庭を挟み、ゆとりある1K×10戸のノース棟、1LDK×7戸とご自宅のあるサウス棟が並ぶ2棟建て。色や素材、仕上げの細部まで完成度を高めたデザインで、時を経ても味わいの出る外観にというご子息の要望にお応えできるものとしました。
また、2棟建てにすることで厳しい規制を回避し、建設コストを押さえたことも大きなポイント。斜線制限や高さ制限をクリアしながら最大限に敷地を活用するという点でも、あと十数センチずれていたらクリアできないというほどギリギリまで有効活用を追求する設計を行いました。
室内は可動式収納家具を採用し、自由に空間を使い分けられるようにした賃貸住戸や、S氏の要望にきめこまかに応えたご自宅など、旭化成ホームズならではの自由度の高さを活かした設計も特徴です。
家賃は相場より高めに、また入居審査も厳しくしましたが、11月竣工と賃貸市場では動きが少ない時期にもかかわらず、お引渡しの後すぐに満室という人気でした。
「希望者の契約や管理を旭化成ホームズが行ってくれるので安心しています。息子の意見を聞いて将来も安心の土地活用が始められました」と語るS氏でした。