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セルソーバE 再審査結果および使用成績調査結果

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4.安全性

4.1副作用発現状況

 安全性調査対象776例のうち、副作用(担当医師が本品との因果関係を否定できないと判断した有 害事象)は142例に334件認められ、副作用発現症例率は18.3%でした(表1)。主な副作用は、頭痛3.9%、悪心3.6%、返血時の返血部位症状3.0%、貧血2.6%、発熱2.1%、および潮紅1.3%でした。

 重篤な副作用は、貧血、急性腎盂腎炎、出血性ショック、および血小板数減少がそれぞれ1件、計4件認められましたが、転帰は全て「回復」でした。

 また、「使用上の注意」に記載されていない未知の副作用は、腎盂腎炎1例1件(中等度)、傾眠1例5件(軽微5件)、心窩部不快感1例1件(軽微)、紅斑4例4件(中等度2件、軽微2件)、注射部位反応(血管怒張)2例2件(中等度1件、軽微1件)、急性腎盂腎炎1例1件(重篤)、好酸球数増加1例1件(中等度)、出血性ショック1例1件(重篤)、口渇1例1件(軽微)、無力症1例1件(軽微)、胸膜炎1例1件(中等度)、静脈瘤1例1件(軽微)、過換気1例1件(軽微)、意識レベルの低下2例2件(中等度、軽微)、強膜炎1例1件(軽微)でした。

表1: 副作用発現状況一覧表

安全性評価対象症例 776例
副作用発現症例数 142例
副作用発現件数 334件
副作用発現症例率 18.3%
副作用の種類 発現症例数(%)
全身障害および投与局所様態 49 (6.3)
  返血時の返血部位症状 23 (3.0)
    注射部位疼痛 17 (2.2)
    注射部位紅斑 7 (0.9)
    注射部位発疹 8 (1.0)
    注射部位反応(血管怒張) 2 (0.3)
  発熱 16 (2.1)
  倦怠感 8 (1.0)
  胸部不快感 3 (0.4)
  悪寒 2 (0.3)
  口渇 1 (0.1)
  末梢性浮腫 1 (0.1)
  無力症 1 (0.1)
胃腸障害 38 (4.9)
  悪心 28 (3.6)
  腹痛 6 (0.8)
  嘔吐 5 (0.6)
  口の感覚鈍麻 2 (0.3)
  腹部不快感 1 (0.1)
  下腹部痛 1 (0.1)
  上腹部痛 1 (0.1)
  心窩部不快感 1 (0.1)
神経系障害 36 (4.6)
  頭痛 30 (3.9)
  感覚鈍麻 3 (0.4)
  意識レベルの低下 2 (0.3)
  浮動性めまい 1 (0.1)
  傾眠 1 (0.1)
血液およびリンパ系障害 20 (2.6)
  貧血 20 (2.6)
副作用の種類 発現症例数(%)
血管障害 15 (1.9)
  潮紅 10 (1.3)
  蒼白 2 (0.3)
  静脈瘤 1 (0.1)
  出血性ショック 1 (0.1)
  ほてり 1 (0.1)
皮膚および皮下組織障害 11 (1.4)
  紅斑 4 (0.5)
  冷汗 2 (0.3)
  そう痒症 2 (0.3)
  蕁麻疹 2 (0.3)
  全身性皮疹 1 (0.1)
  全身紅斑 1 (0.1)
臨床検査 9 (1.2)
  血圧低下 3 (0.4)
  血圧上昇 1 (0.1)
  好酸球数増加 1 (0.1)
  ヘモグロビン減少 1 (0.1)
  血小板数減少 1 (0.1)
  赤血球数減少 1 (0.1)
  白血球数減少 1 (0.1)
心臓障害 8 (1.0)
  動悸 7 (0.9)
  頻脈 1 (0.1)
呼吸器、胸郭および縦隔障害 6 (0.8)
  呼吸困難 4 (0.5)
  過換気 1 (0.1)
  胸膜炎 1 (0.1)
腎および尿路障害 3 (0.4)
  血尿 3 (0.4)
感染症および寄生虫症 2 (0.3)
  腎盂腎炎 1 (0.1)
  急性腎盂腎炎 1 (0.1)
免疫系障害 2 (0.3)
  アナフィラキシー様ショック 2 (0.3)
眼障害 1 (0.1)
  強膜炎 1 (0.1)
筋骨格系および結合組織障害 1 (0.1)
  背部痛 1 (0.1)

MedDRA/J version(11.0)

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4.2安全性に関する重点調査項目

 承認時の治験成績を踏まえ、安全性の観点から以下の5項目について重点調査を行いました。

 

(1)赤血球数またはヘモグロビン量の減少および貧血の発症に関する調査

 治験時に、貧血の副作用と赤血球数およびヘモグロビン量の減少の臨床検査値変動が認められたことから、本調査において重点調査項目に設定しました。

 赤血球数およびヘモグロビン量の平均値は、治療前後で有意に低下しましたが正常範囲内の変動でした。また、「使用上の注意」において慎重適用としているヘモグロビン量10 g/dL以下の症例におけるヘモグロビン量の平均値のさらなる低下はみられませんでした(表2)。

表2: 赤血球数およびヘモグロビン量の治療前後の推移

  症例数 治療開始前 治療終了時 変化量 検定結果
(対応のあるt検定)
赤血球数
(×104/mm3)
全症例 637 422.2±62.0 397.4±63.6 -24.8±59.4 p<0.0001
ヘモグロビン量
(g/dL)
全症例 660 12.0±2.0 11.4±1.9 -0.6±2.0 p<0.0001
≦10g/dL 112 8.9±1.1 10.3±2.1 1.5±2.1 p<0.0001
10g/dL< 548 12.6±1.5 11.6±1.8 -1.1±1.6 p<0.0001

(平均値±標準偏差)

 一方、貧血の副作用は2.6%(20/776例)に認められ、とくに女性では4.0%(14/346例)と男性の 1.3%(6/430例)よりも高い傾向が認められました。重篤と判断された貧血の副作用が1件(16歳女性、体重41 kg)に認められましたが、貧血による自覚症状はなく、鉄剤の投与により回復しました。

 

(2)白血球数の減少および白血球除去による易感染性の可能性に関する調査

 本品は白血球を除去する医療機器であり、また治験時に白血球減少の副作用が認められたことから、本調査において重点調査項目に設定しました。

 白血球数の平均値は、治療前後で有意に低下しましたが正常範囲内での変動でした(表3)。また、「使用上の注意」において慎重適用としている白血球数3,000/mm3未満の症例において、白血球数の平均値のさらなる低下および感染症に関する有害事象は認められませんでした。

表3: 白血球数の治療前後の推移

  症例数 治療開始前 治療終了時 変化量 検定結果
(対応のあるt検定)
白血球数
(×/mm3)
全症例 656 9,557±3,836 8,004±3,612 -1,553±4,072 p<0.0001
<3,000/mm3 5 2,794±149 3,590±857 796±965 p=0.1387
3,000/mm3 651 9,609±3,805 8,038±3,604 -1,571±4,082 p<0.0001

(平均値±標準偏差)

 安全性評価対象776例のうち、感染症に関連する有害事象は2.1%(16/776例)に認められ、重篤な 有害事象は急性腎盂腎炎、敗血症、および腹部膿瘍の3件でした。このうち、副作用と判断された有害事象は急性腎盂腎炎の1件(16歳男性、本品との因果関係「多分なし」)で、抗生剤の点滴による処置で転帰は回復でした。

 また、本品の「使用上の注意」で慎重適用としている感染症を合併している症例は、サイトメガロウイルス感染症の合併例が21例、ウイルス性肝炎の合併例が7例含まれていました。サイトメガロウイルス感染症の1例において有害事象として敗血症(中等度、本品との因果関係「なし」)が認められました。ウイルス性肝炎7例には感染症に関連する有害事象は認められませんでした。

 

(3)抗凝固剤によると考えられる過敏症の発症に関する調査

 治験時に、ナファモスタットメシル酸塩に起因すると考えられるアナフィラキシーショックの有害事象が認められており、本品の「使用上の注意」では、ナファモスタットメシル酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者を慎重適用としていることから、本調査において重点調査項目に設定しました。

 安全性評価対象症例776例のうち、担当医師がナファモスタットメシル酸塩に関連ありと判断した有害事象は73例に210件認められ、発現症例率は9.4%でした。重篤な有害事象はアナフィラキシーショックおよびショックがそれぞれ1件、計2件認められました(表4)。2件ともナファモスタットメシル酸塩投与後30分以内に発現していることから、ナファモスタットメシル酸塩に対する急性の過敏反応と考えられました。ステロイド薬の大量投与もしくはブドウ糖加アセテートリンゲル液投与の処置によりいずれも転帰は回復でした。なお、ナファモスタットメシル酸塩に関連した有害事象に対する処置としては、ステロイド薬(注射)、解熱・鎮痛薬、輸液、および抗ヒスタミン薬の投与などが行われていました。

表4: ナファモスタットメシル酸塩に関連ありと判断された重篤な有害事象

入院外来
性別 年齢
体重
重症度分類
病変広がり
本品治療歴
有害事象
処置
転帰
併用薬
併用療法
治療回数
平均血液処理量
医療機器不具合
有効性評価 特記事項
入院
男47歳
69kg
中等症
左側大腸炎型
あり
ショック
ステロイド大量投与
回復
経口ステロイド
局所ステロイド
5-ASA
SASP
5回
2,600 mL
なし
改善 治療5回目
900mL時点
入院
女71歳
中等症
全大腸炎型
あり
アナフィラキシー
ショック
ブドウ糖加アセテー
トリンゲル液投与
回復
SASP 3回
1,733 mL
なし
不変 治療3回目
1000mL時点
抗NMIgE抗体陽性

5-ASA:5-アミノサリチル酸、SASP:サラゾスルファピリジン、抗NMIgE抗体:抗ナファモスタットメシル酸塩IgE抗体

 ナファモスタットメシル酸塩の投与歴のある患者では、予めショック発現時に救急措置をとれるよう準備するとともに、患者の状態を十分に観察し、これらの症状があらわれた場合には直ちにナファモスタットメシル酸塩の使用を中止し、代替治療を考慮してください(最新の「使用上の注意」をご参照ください)。

 

(4)カラム内または血液回路内の血液凝固の発生に関する調査

 治験時に、医療機器不具合として、カラム入口圧の異常上昇や血液凝固がみられたことから、本調査において重点調査項目に設定しました。

 安全性評価対象776例における全治療回数5,094回のうち、関連する不具合発生回数率は6.2%(316/5,094回)で、治療中止に至った回数率は4.8%(246/5,094回)でした(表5)。不具合の内容はカラム入口圧異常上昇212回(4.2%)、血液凝固83回(1.6%)、差圧上昇20回(0.4%)、接続部血液漏れ1回(0.02%)でした。

 血液凝固発生初期には、カラム入口圧と出口圧の差圧の急激な上昇がみられることから、治療には圧力モニター(動脈圧、静脈圧)を備えた血液浄化装置を使用し、差圧を常時観察してください。また、差圧上昇時には返血作業を行うなど適切な処置を行ってください(最新の「使用上の注意」をご参照ください)。

表5: カラム内または血液回路内の血液凝固の発生状況

  発生回数(治療中止回数)
回数 回数率(%)
医療機器不具合 316 (246) 6.2 (4.8)
  カラム入口圧異常上昇 212 (161) 4.2 (3.2)
血液凝固 83 (65) 1.6 (1.3)
その他 21 (20) 0.4 (0.4)
  差圧上昇 20 (20) 0.4 (0.4)
接続部血液漏れ 1 (0) 0.02 (0.0)

 

(5)リバウンドの有無に関する調査

 治験時には、活動期療法に引き続き、本品による維持療法へ移行するプロトコルとなっており、活動期療法終了後の経過が観察されていないことから、本調査において重点調査項目に設定しました。

本品による治療終了後1か月間の経過を観察し、本品による治療終了直後に急激に症状が悪化する現象(リバウンド)の有無について検討しました。その結果、本品による治療終了1か月間の観察が可能だった737例のうち、担当医師が「リバウンドあり」とした症例は3.0%(22例)でした。これらの症例は、自然経過による再燃やステロイド薬の減量に伴い症状が悪化したものと考えられました。

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4.3 本品による治療6回目以降の安全性

 治験時には、本品による治療は5回と規定しましたが、現在の診療報酬算定では、本品を用いた治療は計10回(劇症は11回)を限度とするとされています。そこで本調査では、本品による治療6回目以降の安全性についても検討を行いました。

 発現時期(5回目までの治療時、6回目以降の治療時)別の副作用発現率を表6に示します。5回目までの治療時には776例中127例(16.4%)に、6回目以降の治療時には332例中20例(6.0%)に副作用が認められ、治療回数が多くなるほど副作用の発現率が高くなる傾向は認められませんでした。
その他、副作用の種類や重篤度の観点からも、6回目以降の治療の安全性に関して臨床上問題はないと考えられました。

表6: 発現時期別の副作用発現率

副作用発現時期 全期間 5回目まで 6回目以降
対象症例数 776例 776例 332例
副作用発現症例数 142例 127例 20例
副作用発現件数 334件 290件 44件
副作用発現症例率 18.3% 16.4% 6.0%

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4.4 安全性に影響を及ぼすと考えられる患者背景因子

 図2~4に示した患者背景別に副作用発現率を検討したところ、統計学的(2×2表:Fisherの正確検定、2×n表:χ2検定)に有意差(p<0.05)が認められた項目は、性別、年齢、体重、CMV感染症、ステロイド薬併用、平均血液処理量、および治療開始前の白血球数の7項目でしたが、安全上、特に対応が必要となるような問題は認めませんでした(表7)。

 なお、女性では貧血(4.0%、14/346例)が、年齢14歳以下では注射部位疼痛(18.2%、2/11例)が、治療前白血球数4,000/mm3未満では貧血(23.5%、4/17例)の副作用発現率が高い傾向にありました。

表7: 患者背景別副作用発現率(統計学的に有意差が認められた項目)

項目 分類 症例数 副作用
発現症例数 発現症例率(%)
性別 430 56 13.0
346 86 24.9
年齢 ~14歳 11 6 54.5
15歳~24歳 143 33 23.1
25歳~34歳 209 41 19.6
35歳~44歳 164 30 18.3
45歳~54歳 121 13 10.7
55歳~64歳 69 11 15.9
65歳~ 58 7 12.1
体重 ~40kg未満 26 8 30.8
40~50kg未満 186 45 24.2
50~60kg未満 237 43 18.1
60~70kg未満 129 15 11.6
70㎏以上 68 5 7.4
CMV感染症 なし 755 142 18.8
あり 21 0 0.0
ステロイド薬併用 なし 132 33 25.0
あり 644 109 16.9
平均血液処理量 <1,500mL* 9 5 55.6
1,500≦~<2,000mL 68 16 23.5
2,000≦~<2,500mL 241 38 15.8
2,500≦~≦3,000mL 410 80 19.5
3,000mL< 39 2 5.1
治療開始前の白血球数
(/mm3)
<4,000 17 8 47.1
4,000≦~<8,000 266 47 17.7
8,000≦~<12,000 288 46 16.0
12,000≦ 155 30 19.4

*平均血液処理量「<1,500mL」群の9例中4例には、不具合・有害事象により、本品による治療を中止した回が含まれています。

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