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UC WAVE | No. 13 | 2011 Autumn | 潰瘍性大腸炎の過去、現在、そして未来 ~セルソーバE 発売10周年記念 対談~ 日比紀文先生 & 澤田康史先生

LCAP療法の進歩 2006年~2010年

第4章 LCAP療法の進歩 2006年~2010年 ~“より早期に頻回の施行へ”と変化してきたLCAP療法の位置付け~

2006年に示されたUCの診療ガイドラインでは、白血球除去療法はステロイド不応例・離脱困難例に対しては「推奨グレードA」、ステロイドと同列の位置付けは「推奨グレードB」で組み込まれています。現在のLCAP療法のポジションについてお聞かせいただけますか。

図3:軽症~中等症の左側・全大腸炎型潰瘍性大腸炎の寛解導入治療(診療ガイドライン)

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ「エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン

日比 近年、新しい免疫調節薬や生物学的製剤がUCに対して相次いで保険適用となり、これらの薬剤やLCAP療法をUC治療のなかでどのように位置付けるかが、われわれ専門医の新たな課題となっています。このようななか、LCAP療法のポジションを考えるうえで重要なのは、その安全性の高さだと考えています。ステロイド不応の症例には、LCAP療法以外にも新しい免疫調節薬や生物学的製剤も効果が期待できますが、いずれも副作用の懸念があります。LCAP療法のメリットは、白血球を除去するだけで、薬剤を体内に入れない安全性の高さです。したがって、有効性と安全性のバランスを考慮すると、ステロイドで効果が得られない症例に対しては、まずはLCAP療法の適用を検討するのが適当と考えられます。ステロイド不応例におけるLCAP療法のエビデンスとコンセンサスはそろっていますので、診療ガイドラインでもこれらの症例に対しては白血球除去療法を「推奨グレードA」に位置付けています。(図3)

また、ステロイドは非常に効果の高い薬剤ですが、反面、副作用の多い薬剤でもあります。例えば舞台俳優や音楽家、接客業など、人前に出る職業の患者さんにはムーンフェイスやニキビなどの副作用が懸念されるステロイドの使用は躊躇しますし、小児に対しては、成長障害などの副作用を考慮すると、できるだけステロイドを使用したくないのが正直なところです。“まずは効果の高いステロイドで治療を行う。しかし、ステロイドの副作用が懸念される場合は、LCAP療法を考慮する”という考え方が普及しているようです。このようなことが、白血球除去療法がステロイドと同列の位置付けで「推奨グレードB」とされている背景だと思います。

2010年には診療報酬改定により週2回以上施行するインテンシブ療法が保険適用になりました。より積極的なLCAP療法を可能にするインテンシブ療法についてお聞かせいただけますか。

図4:インテンシブ療法によるCAIの推移

慶應義塾大学医学部内科 日比紀文 先生 ご提供

日比 この10年間で週2回以上のインテンシブ療法の臨床データが蓄積され、保険適用条件が改定されました。インテンシブ療法の一番のメリットは、より早期に効果が得られるということでしょう。当科でもUC患者10例(ステロイドフリー5例、ステロイド使用5例)に対して、はじめの2週間に週2~ 3回LCAP療法を施行する検討を行いました。その結果、治療開始から2~3週目には半数以上の症例が寛解に至り、最終的には8例(80%)で寛解が得られました。(図4)従来の週1回法では、治療開始4週目あたりから寛解が得られる例もありました。インテンシブ療法では週1回法よりも1~2週間早く効果が得られることになります。週に複数回通院できる患者さんでは、外来治療でも週2回または3回のLCAP療法を行い、“一気に効果を得て、元気になってまた仕事をする”ということが可能になります。

澤田 私の自験例でも、中毒性巨大結腸症の激症UC患者6例に対して週3回のLCAP療法を行い、その結果、6例中4例において巨大結腸症が改善し、寛解導入できました※9。このデータは2003年に論文化していますが、重症例であっても週3回のLCAP療法施行でかなりの効果が得られるという印象をもちました。

日比 LCAP療法が面白いのは、“効く”という患者さんには、LCAP療法を1回、2回施行すると、ご自身で効果がわかることです。“効いてきています”と言う方には、ある程度治療を継続してもいいのかなと思います。

澤田 私も同じように感じています。LCAP療法施行3回目くらいでまず出血量が減ってきて、その次に遅れて便回数が減ってきます。腹痛が早めに消失する患者さんは、“効いている”と実感するようです。

参照文献
※9 K. Sawada et al.:Dig Dis Sci 50(4):767-773, 2005

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