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UC WAVE | No. 14 | 2013 Spring | これからの潰瘍性大腸炎治療とLCAPが果たす役割 長沼 誠先生

第1章 難治性UCの治療戦略 ~LCAPは難治性UCに対する治療法として豊富な臨床実績を有している治療法~

『潰瘍性大腸炎治療指針(平成23年度潰瘍性大腸炎治療指針:内科)』では、ステロイド抵抗例とステロイド依存例を難治性UCとして定義しており、ステロイド抵抗例に対してはLCAPなどの血球成分除去療法(CAP)、タクロリムス(経口)、インフリキシマブ(点滴静注)を、ステロイド依存例に対してはアザチオプリンや6-MPで改善しない場合にこれら3つの治療法のいずれかを選択することが推奨されています。これら3つの治療法は、実臨床においてどのように使い分けられているのでしょうか?

長沼誠先生の写真

 UC治療の基本薬は、5-アミノサリチル酸(5-aminosalicylicacid: 5-ASA)製剤ですが、十分量の5-ASA製剤でも炎症を抑制できない場合、副腎皮質ホルモン製剤(ステロイド)を使用します。ステロイド治療を行う上で重要なポイントは、必ず十分量のステロイドを使用することです。ステロイドは短期間に十分量を使用することで、効果の最大化と副作用の低減を期待することができます。また、ステロイド治療の効果判定の目安は劇症は3日、重症は1週間、中等症は2週間程度と考えています。治療指針では、中等症は少なくとも30~40mg/日、重症は1.0~1.5mg/kg/日を1~2週間使用しても明らかな改善が得られないケースをステロイド抵抗例と定義し、LCAPをはじめとするCAP、タクロリムス(経口)、インフリキシマブ(点滴静注)のいずれかを選択することを推奨しています。

 私は、この3つの治療法の中で、まずは安全性の高いCAPの使用を考えます。CAPの適用症例としては、比較的治療効果の期待できる①罹病期間が短い症例、②ステロイド使用期間が短い症例、③内視鏡的に深掘潰瘍がない症例、④副作用に神経質な症例、などがあると考えます(図1)※1。さらに、施設内にCAPの治療体制が整っていることもCAP適用のポイントになります。

 これらの条件に該当しない場合、例えば、深掘潰瘍がある症例や、短期間で炎症を抑制する必要がある症例などは、患者の臨床背景や各施設の医療体制に応じてタクロリムスやインフリキシマブの選択を考慮します。タクロリムスは経口薬ですが、血中濃度測定のために入院を必要とすることが多く、一方、インフリキシマブは点滴静注ですが外来治療が可能です。このような特性から、重症患者にはタクロリムスが、中等症で外来治療が可能な患者にはインフリキシマブが選択される傾向があります。しかし、重症だから、あるいは入院患者だからインフリキシマブは適用ではないということではありません。また、タクロリムスも外来で使用できるようになってきているので、最近、インフリキシマブとタクロリムスの位置付けはオーバーラップする部分が出てきています。

 いずれにせよ、CAPが最も使い慣れており、安全に施行できるという観点から、CAPで寛解導入が可能な症例と判断した場合は、CAPを第一選択とする治療戦略があると思います。 ステロイド依存例に対しては、治療指針ではアザチオプリン、6-MP(保険適用外)のいずれかを選択できることが記載されています。ステロイド依存例の多くは、ステロイドを10~15mg/日まで減量した時点で再燃する場合が多いため、過去にステロイド減量中に再燃の既往のある症例では、早めにアザチオプリンを加えることにより、ステロイド減量時に効果を発揮することが期待できます。

図1 潰瘍性大腸炎難治例における各種治療法の選択

参照文献
※1 長沼 誠ほか:「炎症性腸疾患の内科的治療戦略 重症・難治性炎症性腸疾患の治療戦略」 日本臨牀 70(増1):286-293, 2012

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