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毛利衛さんインタビュー
日本化学未来館というのは?
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NASA提供

その役割を簡単にいえば『科学技術を日本の文化にしよう』ということにあります。科学技術というと、「日常とかけ離れたところで進化している感がある」、「新しい技術がどんどん開発されて、知らないうちに日常に入り込んでいる」という印象が先行し、あまりにも変化が激しく、「それがどんなものだろう、どうなっているのだろう」と個人が科学技術について考えたり入り込む余地がないわけです。例えば、私たちの生活にも密接な関係がある携帯電話、あるいは原子力発電という熱エネルギーなどについても同じことがいえるでしょう。このような最先端の科学技術を多くの人に伝えられる手法を何かみつけられないか、というのが私たちの目的です。

科学未来館に行くと・・・
photo 未来館が他の施設と違う点は、展示物を見せるのではないということです。展示はあくまでも科学技術が表面にモノとして現れたもの。科学技術はそれに携わる研究者の姿が見えて、その人のやっていることを理解しないとわからないと思います。実際、ここには多くの実験室も備えていますが、研究者は伝えることが仕事ではないので、インタープリターと呼ばれるスタッフがその研究者の仕事を伝える。それが未来館の展示そのものなんですね。スタッフは若い人ばかりだから、余計にパワーを感じるのでしょう。
日本科学未来館提供
2度の宇宙飛行が今の仕事とやはり関係していますか?
まさにこういうことをするために宇宙飛行があったのではないかと考えています。1回目は科学者として、2回目はNASAの技術者として、宇宙飛行という最先端の科学と技術の粋を目の当たりにする機会を得ました。なおかつ宇宙から地球を観測できて、そのとき科学技術のもつ意味を考えたのです。それが社会全体としてどういう意味があるものなのかと。
医療も科学技術の一つといわれますが・・・
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NASA提供
ええ。でも医者は技術者だと思います。研究していく方は科学者かもしれませんが、医者は病気を治すという目的があります。科学者は治す治さないに関係なく本質を究めていく人ですが、技術者はその本質を知ることで果たすべき使命をもった人。だから技術者である医者は、新しい治療法や最先端の情報などを身につけていなければ、その使命を完全に果たすことはできないのではないでしょうか。潰瘍性大腸炎のような治療法が確立していないオンゴーイングの領域にかかわる技術者は、特にそのことが求められるかもしれませんね。
宇宙から見た地球という生命体についてお話下さい。
例えば宇宙から地球を見たときに、砂漠化して青黒い緑が白く変わっている部分が見えたり、都市の周りがひどく汚れているのが局所的に見えてきます、ポッポッポッと。でもよく見ると、砂漠化も汚れ方も共通の現象があるんですね。つまり、たとえ局所的なことであっても必ず地球全体とのかかわりをもっているということ。雲、水、川、海、空気などが全てつながっていて、その結果、一つの生命体としての地球が維持されていると思うんです。だから共通の現象を宇宙から見出せれば、新たに病みはじめているところもおそらく治すことができると思いましたし、それができるのは唯一科学技術だと思います。もちろん、今のように地球環境が破壊あるいは汚染されて、地球が病んでしまったのも科学技術のせいでもあるでしょう。しかし、私たちはその力をもう捨て去ることはできない、過去に戻れないというのが現実ですよね。そこを誤解している人が多いのですが、科学技術をやめて昔に戻ればよいというのはノスタルジックな甘い幻想なのです。
ではどうすればよいか。それは、私は「本質を知ること」にあると思っています。自然の本質を知ったうえで科学技術を用いるということです。そして、私たちは、それをコントロールする技術を必ず確立できるし、すでに見出してもいます。そのことを宇宙から東京湾を見たときに強く感じました。東京湾の水って、他のアジア圏の都市と比べると際立ってきれいなんです。
3度目の宇宙飛行も予定していらっしゃっるとうかがいました。
photo 今度行くとしたら、3カ月ないし半年ほど国際宇宙ステーションに滞在し、また科学者としてじっくりと実験に取り組みたいと思います。今考えているのは、液体がどのように結晶状態または固体になるのかという実験です。無重力の空中に水を浮かせたら、どのように凍っていくのか。このような現象が何に関連しているかというと、宇宙の創造---つまり、「宇宙はどのようにしてできたのか」ということです。混沌とした原子が固まり、今の地球や太陽があるのですが、一番最初はどうだったのか、その謎に迫ることができると期待しています。
このページを訪れた方に一言お願いします。
photo人間だれしも完全な人はいません。また、完全を期待することは不可能なことです。地球がまさにそう。いろんな戦争が起きていたり砂漠化が進んだり。けれど地球全体の生命はそのなかで必死に生きながらえようと挑戦しています。宇宙から見たときに感じました。生きているとは、そういう状態ではないかと思います。だから、だれしも完全ではないという意識をもつことが大切ではないかと思います。そういう意識をもつことで自分のからだに敏感になれる。それをマイナスととらえずプラスな面と考えていいのです。感覚をとぎすましていくと、からだ全体のことがわかるようになる。そうすれば病気も全体の一部ととらえられるようになると思います。
そしてよろしければ、未来館へぜひ遊びに来てください。最新型のASIMOがスタッフとともにお迎えしますよ。
毛利 衛(もうり まもる)宇宙飛行士・日本科学未来館館長
1948年、北海道生まれ。
'85年、宇宙飛行士に選ばれ、北海道大学助教授から宇宙開発事業団宇宙飛行士に転身。'92年9月スペースシャトル、エンデバー号に日本人科学者としてはじめて搭乗。'98年NASAミッションスペシャリストの資格を取得し、2000年2月再びエンデバー号に搭乗。2000年10月日本科学未来館館長に就任し多忙な毎日を送るが、3度目の宇宙飛行を目指し、肉体的訓練にも余念はない。
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