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「UC診療ガイドライン」がもたらした診療現場の変化とさらなる期待
薬物療法、白血球除去療法の位置付けが明確に

鈴木 このガイドラインでは、「ステロイドを過剰に使わない」ということを非常に強く感じ取れることを個人的に高く評価しています。ステロイドは確かに効きます。しかし、同時に副作用も多く、私たちが思っている以上に患者さんはステロイドの副作用に苦しんでいます。今回、本ガイドラインでステロイドの使い方が明確にされたことで、これまでのように漫然とステロイドを使用するということも減ってくるのではないかと思います。

松井 多数ではありませんが、最近はステロイド治療を希望されない方、ステロイド以外の治療ということで白血球除去療法を指名してくる方も出てきています。私たちは、ステロイドで一度緩解導入し、次の再燃時に中断していたステロイドを再投与しなければならないようなとき、ステロイドの副作用を経験しているためにその服用を拒む、あるいは躊躇する、また強い副作用のためにステロイドの服用ができない場合などに白血球除去療法を提示しています。

上野 ガイドラインでは、白血球除去療法は「比較的活動度の高い潰瘍性大腸炎では、白血球除去療法を併用しステロイド維持または減量を図るほうが、高用量ステロイドのみで治療するよりも効果が高く、より安全である」とし、推奨グレードが最高ランクのAの治療として掲載されています。

松本譽之先生松本 実際に、私たちがステロイド治療の効かない活動期のUC患者さんを診察する機会は多いです。中には緊急手術を検討しなければならない劇症の方々もいらっしゃいますが、多くは緊急手術を要するほどではないけれども高用量のステロイドで十分な効果が得られないという方々です。白血球除去療法は、後者の患者さんに対してよい治療法として選択され、白血球除去療法が有効であればステロイドを減量していきます。白血球除去療法のような安全性の高い治療法が標準的治療の1つとしてガイドラインに組み込まれたことは医師にとっても患者さんにとっても大きなメリットだと思います。

上野 ステロイドの減量中に再燃してしまうためその離脱が困難なステロイド依存例に対しては、本ガイドラインでも推奨されている免疫抑制剤をうまく使うことである程度はステロイドを減らせると考えています。免疫抑制剤の副作用に留意し、発癌や感染症のリスクに対する漠然とした不安をかかえている患者さんに十分に説明することが必要です。

鈴木 各治療に伴うリスクについて医師が患者さんにすべて説明するのは当然ですが、例えば、ステロイドの長期使用による副作用と、免疫抑制剤によって将来起こるかもしれない副作用の、どちらを選択するかという判断を患者さんに求めるのは現実には難しいでしょう。「私には判断できません」といわれた場合、私は患者さんの身に起きている日常生活上の支障と副作用の確率を考えて、「必要度」を優先して説明するようにしています。
 一方で、白血球除去療法については、症例数は多くはないものの、何年間もステロイドから離脱できなかったステロイド依存例の患者さんでも、保険で認められている範囲内の5回から11回の白血球除去療法の施行でステロイドから離脱できるというケースがあります。

松井 ステロイドを10mg、20mgと飲んでいれば何となく社会生活ができているという患者さんは結構いらっしゃいます。そういう方のその後の緩解維持を考え、ステロイド離脱の1つの選択肢として白血球除去療法は可能性があるのではないかと考えています。

松本 これからは、白血球除去療法の効果の得られるタイプの共通点を絞り込むことが重要になってくると思います。私たちは、近畿地区の10施設において、どのような患者さんで白血球除去療法(LCAP療法)の早期改善が得られるのかを検討しました。その結果、ステロイド抵抗例で病気の活動性がやや高いというタイプで早期改善が認められることがわかりました。それに比べ、ステロイドを白血球除去療法(LCAP療法)前に半年間以上継続投与されているような長期ステロイド投与例では十分な効果発現に時間がかかることが示されました。今後、免疫抑制剤など他の治療法との比較試験を行っていくことで、「こういう患者さんには白血球除去療法はすごく意味がある」というように、治療の位置付けがよりはっきりしてくるのではと思います。

●緩解導入/緩解維持

UCは、その病状を活動期と緩解期に分けて考えます。活動期は炎症反応が活発な時期であり、緩解期とは炎症が一時的に治まっている時期をいいます。UC治療では、緩解導入療法ですみやかに緩解期へもっていき、それを再び活動(再燃)させないように緩解維持療法を行うというのが基本です。

●ステロイド抵抗例とステロイド依存例
UCでは、現時点での中心的治療薬であるステロイドによる治療効果を基に、“ステロイド抵抗例”と“ステロイド依存例”を難治性と定義しています。“ステロイド抵抗例”とは、ステロイドの適正な治療にもかかわらず、1〜2週間投与で効果がないケース、“ステロイド依存例”とは、ステロイドを漸減すると炎症症状が再燃してしまいステロイドを離脱できないケースです。
4.ガイドラインが目指すもの