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LCAP療法の作用メカニズムの解明が進みよりダイレクトな治療法の開発を促進
UCの分子標的治療の開発動向

渡辺 IBDの病態解明とともに薬剤開発も大きく進展しています。CDについては、1998年にCDの病態の形成に大きく関与しているサイトカインの1つ(TNF-α)をターゲットとした分子標的薬であるインフリキシマブを用いた治療が認められたことを契機に、治療の流れが分子標的治療へとシフトしました。欧米では現在4種類の分子標的薬が臨床で用いられており、さらにターゲットとする細胞・サイトカインの範囲を広げ、開発が進んでいます。
 一方、UCの分子標的治療の開発動向はCDに比べ遅れています。これはUCの病態がより複雑であることが一因と考えます。現在、UCに特異的な細胞や因子をターゲットにした薬剤の開発のみならず、CDに使用されている薬剤でUCにも使用が可能なものが検討されています。2007年に欧米でUCへのインフリキシマブの使用が認められましたが、日本ではインフリキシマブのUCに対する有効性を検討する臨床試験が進行しているところです。

光山慶一先生光山 UCへのインフリキシマブの有効性について、欧米のデータでは有効であると報告されていますが、多くのデータはその効果がCDに比べ明らかに劣ることを示しています。

安藤 報告を見る限り、UCではCDと同じ程度の有効性を得られていないようです。私は、それはCDとUCの病態が根本的に違うからだと考えています。

渡辺 UCだけを対象にした分子標的薬の開発についてはいかがでしょうか。

光山 私たちはUCを対象として、先ほどお話ししたIL-6とその情報伝達経路をターゲットにした治療を検討しています。より高い有効性と副作用の軽減を期待できると考えています。現在、ドイツで臨床試験が進んでいます。

渡辺 さまざまな分子を標的にした分子標的治療の開発が進む一方で、分子標的治療の問題点も指摘されるようになってきました。

安藤 英国では、インフリキシマブを使用した患者、特に小児において、予後の悪い悪性リンパ腫の発症が報告されています。

光山 アメリカで承認された分子標的薬でも重い副作用が報告されています。本来、サイトカインは生体に必要な因子です。それを過剰に、かつ継続して抑制すれば、予期しない弊害が発症することは当然考えられます。分子標的薬の使用は、重症あるいは難治の患者さんに対して短期間使用することが望ましいのではないかと考えます。

金井 最近の論文で、分子標的治療で抑制されるはずの免疫反応が逆に活性化してしまい、ショック状態を引き起こしたという報告がありました。この報告は分子標的治療のリスクの一部を示していると思います。

渡辺 分子標的治療は、有効性だけではなく副作用の点においても、今後はより注視していかなくてはならないと思います。
 ところで、UCでは「腸粘膜を修復する治療」について研究が進んでいますが、これについてはいかがですか。

光山 これまでの治療は炎症の「抑制」を目的にしていましたが、これとは別の「腸粘膜を修復する治療」は、腸粘膜の「修復・再生」を促すことを目的とした新しい視点の治療法です。腸粘膜の再生には癌化という問題はありますが、非常に興味深いテーマで、いかに癌化を抑制し、腸粘膜の修復・再生を促進するかが今後の課題であると考えます。

4. LCAP療法の多彩な作用メカニズム