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潰瘍性大腸炎の過去、現在、そして未来
開発期:最初の白血球除去療法施行患者の著明改善により白血球除去療法の開発が本格化

===臨床研究にご協力いただいた多くの患者さん、そしてUC治療に向き合っておられる先生方のご尽力のおかげで、2011年10月、白血球除去療法は保険適用から10年を迎えます。2001年からの10年で、白血球除去療法は数多くの患者さんに施行されてきました。まずは、世界で初めてUC患者さんに白血球除去療法を行った生駒内科・消化器内科クリニック 院長 澤田 康史先生に開発当時の状況についてうかがいます。先生は、いつ、何をきっかけに、白血球除去療法をUC治療に導入しようと思われたのでしょうか。

澤田 1989年、留学先の米国クリーブランド・クリニックの人工臓器研究所で、UCに対する白血球除去療法のヒントを得ました。クリーブランド・クリニックは、世界で初めて人工透析に成功したことで有名ですが、当時、世界各国から研究者が集まり、さまざまな体外循環療法の研究が行われていました。米国留学中に、“関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど、副腎皮質ホルモン製剤(ステロイド)が効く疾患は、白血球を除去することで治療効果が得られる可能性がある”ということを勉強しました。そこで、消化器を専門としていた私は、UCに対しても白血球除去が効果を発揮するかもしれないと考えたのです。
帰国後、当時、兵庫医科大学消化器内科学講座の教授を務めておられた下山 孝先生(バックナンバーvol.4)にそのことを伝えたところ、“すぐにやってみよう”ということになりました。日本で最初に白血球除去療法を行ったUC患者さん、Aさんのことは今でもよく覚えています。1993年のことです。Aさんは重症で、手術を検討していました。Aさんに、白血球除去療法について説明し、同意を得て白血球除去療法を行うことになりました。すると、1、2回の施行で、Aさんの症状は劇的に改善したのです。白血球除去療法5回終了後には内視鏡的にも寛解しました。“手術を検討していた患者さんが手術をせずに改善した”と、当時の教室で驚きをもって受け止められました。これを厚生省(現:厚生労働省)の難治性炎症性腸管障害調査研究班で発表したところ、大きな注目を集め、これを機に白血球除去療法の臨床研究が本格的に始まりました。

===当時のUC治療について、日本のIBD分野の第一人者である慶應義塾大学医学部内科 教授 日比 紀文先生にうかがいます。先生、1990年代のIBD治療の状況についてお聞かせいただけますか。

日比 UC治療は、大きく寛解導入療法と寛解維持療法(バックナンバーvol.2-2)の2つに分けられます。当時の寛解導入療法としては5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤とステロイドによる治療しかありませんでした。ステロイドは、経口や静注の他に、パルス療法動注療法など、投与方法の選択肢はありましたが、ステロイドで効果がなければ他に炎症を抑える手立てがなかったのです。だから、澤田先生が白血球除去療法を最初に施行したAさんもステロイドが効かなければ手術しか選択肢がなかったし、そのような患者さんでは大腸全摘術をしなければ命が危ぶまれる時代だったのです。このような治療環境のなかで、澤田先生たちが白血球除去療法の可能性を提唱されたことは、大変なインパクトをもって迎えられました。

●体外循環療法

血液を体内から体外の人工血流路に導き、一定の操作を加えて体内へ再び戻す治療。白血球除去療法や血漿交換療法などがあります。

●パルス療法

症状が重く、緊急的な対応が必要な場合やステロイドの内服で十分な効果が得られないときに、ステロイドを短時間に大量に点滴注射する方法。

●動注療法

太ももの付け根の動脈からステロイドを注入する方法。

2. 保険適用:日本で開発された画期的な治療法として評価