アメリカ アメリカ

「ポーク&ビーンズ」や「コーンブレッド」など、多彩な食文化が融合した、アメリカらしい料理をご紹介。

アメリカの食文化 アメリカの食文化

北アメリカ大陸48の州とアラスカ州、ハワイ州を加えて50もの州からなるアメリカ合州国。国土は日本の26倍の広さがあります。世界有数の農業大国で、農地が国土の40%を占めています。とうもろこし、大豆、小麦の生産をはじめ、酪農や畜産も盛んです。

1492年の「クリストファー・コロンブス」によるアメリカ大陸発見以降、世界各国からの移民の流入、開拓により、めざましい発展をとげたアメリカ。各地の郷土料理は、移民とアメリカ先住民、あるいは移民どうしの食文化が融合して根づいたものです。代表的なものに、南部ルイジアナ州のクレオール料理とケイジャン料理があります。スペインの「パエリア」に似た炊き込みピラフの「ジャンバラヤ」や、オクラのスープ「ガンボ」、ザリガニ料理などが有名です。また、古くからイギリス人が入植した北東部ニューイングランド地方では、クリームベースの「ニューイングランド・クラムチャウダー」やロブスター料理が有名。同じ「クラムチャウダー」でも、ニューヨーク名物の「マンハッタン・クラムチャウダー」はトマトベースで、イタリア移民による影響との説があるのも興味深いですね。

また、アメリカと言えば、ハンバーガーやホットドックなどのファストフードをイメージするのではないでしょうか。ファストフードレストランの誕生は1920年代と言われています。安価でおいしいものを素早く提供する、ファストフードレストランは、都市部の労働者層や郊外に増加していった家族層に受け入れられ、どんどんと広がって行きました。一方、家庭の中では、第二次大戦後、冷凍冷蔵庫やオーブン、電子レンジなどの電気製品が急速に普及しました。そして働く女性の増加に伴い、手間暇かけて作る家庭料理から、缶詰や加工食品、冷凍食品などを使った、短時間で簡単にできるものへと変化していきました。その後、テイクアウトやデリバリーサービスが充実し、食の外部化は今も進化し続けているようです。

こうした合理的な食文化の広がりや社会的背景などにより、肥満者の増加が深刻化したアメリカ。一方では、動物性食品を避け、植物性食品を中心とした食事をするベジタリアン(菜食主義者)なども増えています。また、農薬の使用や遺伝子組み換え食品などが問題となり、オーガニック食品(有機栽培による農産物を使用した食品)が好まれるようになるなど、食の安全への関心や、健康志向が高まっています。

もっと見る