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インド料理ならではのスパイスが効いた本格的な「スパイシーチキンカレー」や「サモサ」などをご紹介。

インドの食文化 インドの食文化

日本の約9倍の広い国土を持つインド。北にはヒマラヤ山脈がそびえ、ベンガル湾、インド洋、アラビア海と3つの海に面し、ダイヤモンドのような形をしています。ヒンドゥー教徒をはじめ、イスラム教徒、シク教徒、ジャイナ教徒、キリスト教徒、仏教徒などが混ざり合って暮らし、言語も多彩で多様性の国と呼ばれ、これらの宗教的な思想や社会背景が、インドの食文化にも大きな特徴を持たせています。
インドには宗教上の理由でベジタリアン(菜食主義者)が多く、肉を食べない代わりに豆や乳製品がたんぱく質源として常食されています。
特に豆は種類だけでなく加工のバリエーションにも富み、それぞれの豆に適した調理法で食されます。菜食に基づいた数々の料理は非常に奥深く豊かです。

国土の大きなインドは、地域性においても食文化に大きな違いが見られ、特に南北の違いが顕著です。
北インドの料理は、かつて栄えたムガール帝国の王朝料理の影響を受けて、乳製品を使ったマイルドで濃厚な味わいが特徴。主食は小麦で、「チャパティ」と呼ばれる未発酵の平焼きパンをよく食べます。女性はこれが作れて一人前といわれるほど、生活に根差したパンです。対する南インドの料理は、北インドに比べるとあっさりとしていて、辛みをきかせたスパイシーなおいしさが魅力。主食は米ですが、他に米の粉で作るクレープ風の薄焼きパン「ドーサ」に料理を包んで食べたりもします。
また、インドにも日本のような定食の文化があり、主に昼に食べられています。北インドでは「ターリー」、南インドでは「ミールス」と呼ばれ、主食と数種類のおかずやスープ、デザートなどが北インドでは銀色のトレーに、南インドでは大きなバナナの葉っぱに乗せて供されます。一度にいろいろな種類のおかずが楽しめ、お替り自由のお店も多いようです。

ところで、地域性にかかわらず、インド料理といえばスパイスのブレンドこそが真骨頂。各家庭では何種類ものスパイスが常備され、これらをそのつど石うすでひいて混ぜ合わせ、各料理に合わせたミックススパイス「マサラ」を作ります。「マサラ」はそれぞれの家独特の味を生み、その調合の秘訣は、先祖代々受け継がれる家訓のようにとても大切にされています。また、インドでは古来からの伝統医学であり医食同源的思想の「アーユルヴェーダ」が根づいており、一家の主婦はその日の気候や家族の健康状態に合わせて、食材からスパイスまでを吟味して調理します。インドの主婦は、食生活で家庭の健康を守るという意識が強いようです。

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