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人気の「生春巻き」など、たっぷりのハーブや野菜とともにいただくヘルシーなレシピの数々

ベトナムの食文化 ベトナムの食文化

ベトナムは世界でも有数の米の輸出国であり、主食はごはんの「お米の国」。気候風土が稲作に適し、年に2回ないし3回収穫ができるため、きしめん風の麺フォーや生春巻きでおなじみのライスペーパーなど、米の加工品も実に多彩です。しかし、一方で、パン食やコーヒーの習慣が根づいているのはご存じでしょうか?

歴史上ベトナムは、1000年もの長い間中国に統治されており、茶碗にごはんを盛りおかずとともに箸で食べる食事形式や、お茶を飲む喫茶文化、麺料理など、中国からもたらされたものが多くありました。しかし19世紀後半から20世紀前半には、フランスによる統治を受けたため、パン食やコーヒーなどのヨーロッパ文化が入りこんできたのです。ベトナムのフランスパンのおいしさは有名で、フランスパンを使った「バイン・ミー(ベトナム風バゲットサンド)」は、街角でも人気のファストフード。日本の「なます」のような大根の酢の物や肉類、生のハーブなどを挟み、独特のたれを使って調味します。またカフェで愛飲されている「ベトナムコーヒー」は、ドリッパーをのせたカップが運ばれ、目の前でじっくり抽出されたところに、たっぷりの練乳を入れ、甘くして飲みます。どちらもフランス本国からは姿を変え、ベトナム風スタイルとなり、今ではすっかり定着しています。

また、ベトナム料理を語る上で忘れてはいけないのが、「ヌクマム」という調味料。イワシなどの小魚を塩漬けにして発酵させ、上澄み液を用いた魚醤です。独特の風味やうま味を持ち、ベトナム料理の味つけに欠かすことのできない、日本で言えばしょうゆのような存在です。「ヌクマム」にとうがらしやにんにく、かんきつ類などを加えた合わせだれ「ヌクチャム」も、ベトナムの食卓には欠かせません。ゆで野菜や揚げ物につけたり、ごはんにかけたりと、頻繁に登場します。各家庭にオリジナルの調合があり、用途によって使う食材や配合を変え、各家庭の味を作り出しています。

ごはんをはじめとした米の加工品を主食にして、おかずやたっぷりの生の野菜、ハーブとともに食べるヘルシーなベトナム料理。中国をベースに、フランス風のものが入り込み、気候風土に合わせて洗練させていった独自の食文化は、歴史を感じさせ、エキゾチックな魅力をかもし出しています。

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